2024年12月19日

ヒウオ低調発表

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烏丸半島から南湖、比良山系を臨む(17日午後3時ごろ)

今年の琵琶湖のヒウオ(鮎の幼魚)の漁獲が過去最低ペースであると滋賀県が発表した。
昨年も不漁の年であったが、今年はそれを下回り、12月2日の解禁日以来、16日間の操業で漁獲が4トンという。
4年前の2019年には解禁日だけで6トンが捕れたという。低調ぶりが際立っている。

滋賀県によると、原因としては産卵量が少なかったうえ、9月までは猛暑で、川の水温が鮎の産卵適温まで下がらなかったことから、産卵のピークが10月にずれ込んだ。そして琵琶湖のミジンコの密度も低く、餌不足で成長が遅れているのではないかとの分析だ。

さまざまな要因が、鮎の不漁に結びついているようだ。この夏から秋は川の水量は豊富で、産卵が期待できると思ったが、水温が下がらないから産卵が遅れるなどデリケートだ。

1990年代に比べて流域の下水道普及が進んだが、川から琵琶湖に流れ込む窒素やリンが減って、貧栄養化が進んでいるのかも。
以前は、野洲川でもコアユが気持ち悪いほど捕れたものだったが、ここ数年はそうした活況は見られなくなった。

今シーズンの川でのコアユ捕りは、過去に例のない貧果だったが、これでは来シーズンも希望が持てない。
県の説明では10月産卵の遅生まれヒウオがこれから成長して捕れだすから、漁獲は回復するだろうという。

しかし過去には、冬はヒウオ漁が好調だったのに春には激減したとか、謎も多い。
秋に確認できた産卵量と、12月のヒウオ漁の漁獲量、春から夏の魚群調査と、川での実際の魚獲りの成果とが、一直線には結びつかない印象がある。産卵量が少なかった年でも川では豊漁だったり、逆に産卵が多かった割に魚影が薄い年もあった。
コアユの増減にかかわるファクターはさまざまにあるのだろう。

どうか春には、漁獲が回復していることを願わずにいられない。

posted by 進 敏朗 at 11:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 琵琶湖・内湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする