2016年06月19日

ビワマス

立派なビワマス.jpg
ビワマス

守山市の農産物直売所「おうみんち」で、県漁連が開く月例の湖魚市を訪れた。
今月は、ビワマスが売られていた。
トロ箱に銀色の魚体が横たわっている。1キロ3000円。

昨年の6月、開かれていた同じ湖魚市では、1キロ2000円だったが、今年は漁獲が少なめということだった。
それでも、この価格でビワマスが並んでいることはあり得ないのだという。

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こちらは琵琶湖産のアユ

ビワマスは琵琶湖の固有種のマスで、川の上流にいるアマゴの琵琶湖に降りて大きくなるやつで、琵琶湖の深いところにいるという。

5月ごろ、犬上川とかでコアユを捕ると、アマゴの小さいやつが混じっていることがあるが、今、考えるとそれはアマゴではなくて、川に降りる前のビワマスの稚魚なのかもしれない。

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(参考)昨年4月、犬上川の下流で捕った魚

昨年、足踏みして買わずに帰ったのを後悔して訪れたのだった。

この日並んでいたやつは沖島の漁師さんが捕獲したものといい、大きなのでは指で計って50センチ以上あった(冒頭の写真)。聞くと2キロくらいはあるということだった。そうなると6000円もする。

小さ目のやつを1匹選んだ。重さは600グラム、1800円のところを1500円にまけてもらった。

購入したビワマス.jpg
購入したビワマス

持ち帰って計ると体長36センチ。
黒目が小さくて独特の表情。

これの半身分を刺身にした。

ビワマス刺身.jpg
ビワマス刺身


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残りの半身を、切り身にして塩焼き、頭や骨の周りの身、皮は吸い物にした。
軟骨分が多いのか包丁で簡単に頭を割ることができた。

刺身は、脂が濃厚で柔らかく、うまかった。
これは琵琶湖で最高級とされるのも無理はない。家族にも好評。

醤油皿に脂が浮く。

塩焼きも柔らかくて脂がきめ細かく甘みがあった。
サイズ的には、ちょっと薄い切り身になり、もうちょっと大きいやつを買えば満足だったがじゅうぶん楽しめた。1キロ以上あるやつだといい感じの塩焼きができるだろう。

滋賀県によれば、ビワマスは、毎年20トンから40トンくらいの漁獲があって、これは昔からあまり変わっていないという。

琵琶湖の深いところにすむため、岸近くにいる外来魚の影響をあまり受けないらしい。
最近は、カヌーなどを出してトローリングで狙う人もいる。許可制で、県によると昨シーズンは470台の割り当てに対し、700人以上の希望者がいたという。筆者はゴムボートを持っているが、ゴムボートで琵琶湖の沖合に出るのは危険すぎる。

というわけで、湖魚市はリーズナブルな値段でビワマスをゲットする貴重な機会なのだった。
食べれてよかった。

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2016年05月03日

どじょうずし

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どじょうずし

栗東市大橋、三輪神社の春の例祭を訪れた。
どじょうのなれずしが供えられる祭りで、「どじょうずし祭り」とも呼ばれているそうだ。
国道8号線の釣具店上州屋の横道を入っていくと大橋の集落があって神社に出る。

午後1時から例祭が始まり、神主が祝詞をあげ、氏子の玉串奉納と、古式にのっとって進んだ。女の子が4人、畳が敷かれた拝殿で舞を奉納。

神事がおわり、いよいよどじょうずしが神前からおろされて振る舞われた。これが目当てだった。

箸で取る.jpg
箸で取り分ける

丸い形に盛り付けられていて、東と西の当番がつくったものがひと盛りずつあって、表面をナマズのなれずしが覆っている。このナマズの下にどじょうがいる。
「どじょう、大きいのがある?」と地元の人が取り分けている。
順番が来て、用意してきたタッパーに詰めていき、一部をその場で食べた。

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どじょう

発酵したご飯の中にどじょうがたくさん入っており、それらをいただいた。
姿そのままのどじょうずしはこりこりと噛み応えがあって、タデ風味が濃厚。
酒が進みそうだ。

どじょうの里.jpg
どじょうの里

ところで地区内には、かつて材料のどじょうを捕っていたという川があって、今では看板が立って修景整備されていた。

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どじょう壁画

高校の美術部の生徒が、川に隣接する工場の壁に描いた絵が200メートルくらいにわたって続いていた。川は、流れのある部分が区切られていて、下流部100メートルくらいは、浅くて緩やか、泥底で、ちょっと泥濁りがして、どじょうがすむのによさげな環境のようだった。

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川の様子

川を見ると、ヒメタニシやカワニナの貝が多く、泥上に這った模様を描いていた。

どじょうは見ることができなかった。もしかすると泥にもぐっているかもしれない。

地区の人によると、今ではどじょうずしの材料となるドジョウやナマズは魚屋さんで購入しているという。

どじょうは家の近くの用水路でも時たま見かけることはあるけど、このどじょうずしの量をつくろうと思ったら、相当捕獲しないといけないだろう。でも昔は、水路や田んぼに、どじょうが大量にいたんじゃないかと思う。新幹線も名神も国道8号線もない時代の農村を想像した。

posted by 進 敏朗 at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 湖魚食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月16日

湖魚市

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セタシジミ

守山市にあるJA農産物直売所「おうみんち」で、きょう、あすの2日間、県漁連主催の湖魚市があることを知り朝から行った。

9時半からの開催で10時前くらいに着くと、すでにコアユが売れたらしくて店頭で第2弾の補充作業中だった。

本日はセタシジミが売られていた。殻長4センチくらいありそうなビッグサイズもあった。瀬田で採ったものだという。「セタシジミ」の名の由来となっている、琵琶湖固有種シジミの名産地だ。

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コアユとヒウオ(左)、ハス(左上)

コアユは大きさが3種類に分けられていて、いちばん小さいのはまだヒウオ(氷魚)の段階? 透き通ってシラウオのよう。ハスの稚魚もある。昨年、来た時は値段に違いがあったがきょうは、コアユはどのサイズも100グラムあたり200円、ハスは100グラム100円だった。セタシジミは桝一杯で300円。

ヒウオ200、コアユ100、セタシジミ一杯分を買う。

コアユなら、となりの野洲川で投網で捕れるじゃないか、というものかもしれないが、この湖魚市で売られているコアユは琵琶湖で捕れたものなので小さく、しかも腹の中に砂をかんでいないので、そのまま調理できる。
同じコアユでも大きさによって食感や適した調理法が違うのだった。
こういう小さいものは投網では捕れない。

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ヒウオを手に乗せてみる

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ヒウオは主として佃煮に、コアユは天ぷらにした。
いつも川で捕れたやつは、砂をとるために下処理をしているが、これらの魚はその必要がなくて、あっさり出来上がった。

一部を冷凍しておいて、海での釣りのエサに使おうともくろむ。
次回の湖魚市は5月の第3土、日にあるそうだ。


熊本で大きな地震が発生して、家が倒れたり地滑りが起きて大変なことだ。地震がはやく収束し、救助活動が進んでほしい。


ラベル:コアユ
posted by 進 敏朗 at 12:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 湖魚食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月30日

赤米ふなずし

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赤米で漬けられたふなずし

琵琶湖博物館でふなずしをテーマにした座談会があった。
塩漬けしたふなを、炊いたご飯といっしょに桶に漬け、つくられるふなずしは、寿司のルーツといわれ、中国の雲南省とか東南アジアの米作地帯に起源をもつとされる。滋賀県に、ふなずしをはじめとしたなれずしを食べる文化が濃厚に根づいていて、興味深いなあと思われていた。

ところが最近の研究では、ふなずしの製法は、東南アジアや雲南省のまんまではなくて、独自に進化を遂げてきたものであることが、あぶりだされてきた。江戸時代の初めごろまでのやつと、それ以降のやつでは、漬ける季節や、漬けるごはんの量、漬ける期間の長さ、漬ける容器が全く違っているというのだ。漬ける季節が違うというのは、つまりは今のように子持ちブナが珍重されるようになったのが比較的新しいという。座談会は、そうした最近の研究をもとに、さらに食文化にくわしい研究者や、文化人類学者、湖国の食文化研究者や歴史研究らが、滋賀のふなずしに多角的に光をあてた。

そこから見えてきたのは、あの発酵臭にまみれたふなずしは、高度な洗練を遂げた食べ物だということだった。まさかあれが、と思う人も多いかもしれない。

筆者がふなずしを初めて知ったのは、京都にいた学生時代、英語の授業中に講師の英国人が、ふなずしというものを知っていますか、あれは腐っている、食べられたもんじゃない、などと、顔をしかめながら話していたことだった。滋賀にはそんなにまずい食い物があるのかと思ったが、食べる機会はなかった。

その機会は、就職して滋賀を任地に働くようになってから訪れた。知り合った漁師さんから、自家製のものをいただいたのだった。英国人がディスってたのとはまったく違っていて、いける食べ物だった。ただ1990年代は、ふなずしの原料となるニゴロブナが激減して、1匹で8000円とかするようなすごく高価な食べ物となっており、自分で買って食べる気にはなれなかった。

さてきょうの座談会でもうひとつ興味深かった点は、ふなずしとひと口にいっても、漁師や農家、または地域ごとに製法はまちまちで、好まれる味も違うということだった。湖北では塩辛めが好まれ、湖南では甘めだと。琵琶湖から遠い日野では2年とか3年とか、長期間漬けるふなずしが主流だが、漁師さんは塩漬けしてすぐに食べるとか、同じふなずしとは思えない多様性があるということだった。

琵琶湖博物館はこの多様性を大事にしたいということで、ふなずし文化の発信を目指していることがアナウンスされた。

さてシンポジウムのあとで、部屋を移ってふなずしの試食会があった。

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子どもたちが漬けたふなずし

草津市で活動するグループ「レイキッズ」が、琵琶湖の定置網「えり」で、捕まえたふなを漬けたふなずし。30センチ以上ある立派なものだった。

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活動を紹介する子どもたち

さらに、守山市の下之郷遺跡で活動する子どものグループも、古代米で漬けたふなずしを提供してくれた(冒頭の写真)。食べてみると、塩辛さが少なくて甘かった。赤米の甘さだ、と聞かされたが、塩のほかにこうじも使われているようだった。

下之郷遺跡では、大量のふなの咽頭歯が出土していて、その時代からふなずしが漬けられていたともいわれる。弥生時代から根付く文化として、滋賀では子どもがふなずしを作って食べて、ふなずし文化を継承しようとしているのだ。

正月の帰省のおみやげに鳥取県に持ち帰ったら、誰一人箸を付ける者がいなかったふなずし。京都の友人宅での忘年会のスペシャルな差し入れのつもりで持ち込んだら、部屋の外に置かれ顧みられなかったふなずし。滋賀のいやげもの。いやこれはうまいんだ、よく噛んでほしい、そんなことを説明するとき、外来者である筆者に滋賀の県民意識がうまれてくるようだった。

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琵琶湖博物館のふなずし

琵琶湖博物館でも、館長の熱意のもとふなずしを漬けていたのだった。県の品評会に出品したところ、初出品時は最下位3点を独占したという。しかし経験を積んだのか、味はまずまずだった。素材のふなが上物のような気がした。

そうしたふなずしの品評会が毎年開かれていることに衝撃を受けた。




posted by 進 敏朗 at 18:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 湖魚食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月05日

塩漬け鮒直売

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大きな塩漬けふな

水草観察の好適地・赤野井湾を訪れたら、同湾にある赤野井漁協で湖魚の直売市が開かれていた。
立ち寄ってみると、売られていたのは塩漬けふなだった。30センチ、大きいのでは40センチくらいあるだろうか。1匹が500円、上等品は800円という。500円のなかにも、卵を持ったいい掘り出し物があったのだが、そういうやつはすでに、近郷の人がより分けて持って行ったという。

これは滋賀特産のふなずしの原材料。ここから米に漬けて、数か月寝かしてふなずしにする。漁協の人の話では今から漬けて「正月には食べられる」とのことだった。

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5か月の間、ご飯に漬ければふなずしに。滋賀のスローフード

この塩漬けふなをふなずしにするには、桶を用意するのだが、ふなが大きいので、桶も60リットルとか、そんなサイズになる。見本が会場に置かれていて、ふつうで50か60リットルサイズ、米を4升とか5升用意しなくてはいけいない。小さい桶では、3升の米で、10匹のふなを漬ける。これが最小単位のようだった。

ふなを購入したのち、漁協で米を漬けて、ふなずしができるまで桶を保管するサービスもあるが、炊いた米を持参することが条件だ。自宅の鍋では、いちどに炊けるのは多くて1升だろうか。10匹いちどにふなずしにすれば、1匹あたりの単価は格安になるが、、、、。とりあえず購入は見送った。

琵琶湖の南湖は、深くて透明度の高い北湖に対して浅くて泥っぽく、アユやビワマスといった澄んだ水を好む魚は少ないのにくらべ、フナやコイなど泥水を好む魚の好漁場なのだった。ふだん川でコアユを好んで捕っているが、もうひとつの琵琶湖の重要な水産資源であるふな食を楽しむことなしには、琵琶湖の水産は語れないような気がする。
ビワマスがうまいのは、多くの人が納得するところだろうが、ふなはどうなのか。そこが問われる。

それにしてもふなずし、作れたらいいなと思っていたが、こうして塩漬けを実際に販売する現場に来てわかったことは、桶一つが最小ロットなのだった。そうなれば、自分で食べるほかに、人にあげたり、来客をもてなしたりするときに使いたいものだが…この良さが分かってくれる人を増やしたいものだ。

posted by 進 敏朗 at 12:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 湖魚食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする