2023年02月12日

ワカサギ捕り

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夜の河口付近

先日琵琶湖博物館で展示されていたのを見て思い立った。
2月にしては異例の温暖さだった12日の日曜日。
ワカサギを投網で捕ろうと湖西の湖岸に行く。
夜の投網は初めてなもので不安があった。
しかしこの日は、日没後も車の気温表示で10度以上もあり、風もなく穏やかだった。
もともと暗いところが苦手で、小さい頃は電気を消した部屋に入るのも怖がるほどだったのだが、こんな夜なら心折れずに魚捕りできるかも。

午後6時半ごろ現場に着いて、流れ込みを照らすと、比良山系の雪解け水の流れの中に細い針のような魚が見える。
これを見てさらに勇気づけられる。


ヘッドライトを装着。
琵琶湖を照らしてみた。風はほとんどなくて水中も見えるが群れらしきものは見えず。多いときはたもですくえるほどいるということだがそんな風には見えず。
まだ時間帯が早いのかしら。空は真っ暗だが。
網を出し、流れ込みに投げてみたら、数匹の細い銀色の魚が捕れた。ワカサギだ。
動画を撮ってみたが、予想以上に真っ暗…。

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ワカサギ

見た目はやはり、コアユとそっくり。ライトで照らすと紫がかった銀色に光る。
サイズは、春先のコアユのように小さくてか細い。

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カジカも

カジカも捕れた。
この魚も冷水が苦手ではないようだった。
ワカサギが産みつける卵を狙っているのかも。

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捕れたワカサギ

ひと網で数匹ずつ捕れ、1時間で約50匹。
この数が多いのか少ないのかは初めてなのでよくわからない。
まあ試験的にやってみたのでこの辺で切り上げた。
家で目方を計ったら約250グラムで、1匹あたり5グラムという小魚。

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琵琶湖岸の夜景

まったく捕れなかったらいやだなあとか思っていたが、案外あっさりと捕れたことに満足して現場を後にした。

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天ぷらと、ゆでブロッコリー

さっそく持ち帰り、調理した。
上の写真のように天ぷらもコアユ天と見分けがつかない。
しかし調理ではコアユと決定的に違う点があった。
浜で捕れるコアユは腹の中が砂だらけで、そのままではジャリジャリしてとても食べれたもんじゃないので1匹1匹、腹を裂くかしごくかして砂を出さないといけない。
ところがワカサギを1匹素揚げにして食べてみたところほぼ砂をかんでおらず、洗ったらすぐにてんぷら粉をつけて揚げることができたので、調理の手間が格段に省けたのだった。
これは素晴らしい。
骨も柔らかいし、捨てるところゼロ、文字通り丸ごと食べられる。
味もコアユとほとんど同じだったが、卵を持っているのでシシャモ天のような味わいもあり。

この日のように穏やかな夜があったら、また行ってもいいかもと思えた。



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2022年07月22日

ハスの川

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鴨川の落差工

7月に入ってからの降雨で、川には豊かな流れが戻ってきた。
20日ごろ滋賀県一帯で激しい雨。
そこから2日後。川は多少水量が多いが。先日、湖東方面に向かい成果が得られなかったため、こんどは琵琶湖大橋を渡り湖西方面。
川で網を打って最低でも、100匹は捕って保存用の食料をつくりたい。このような目論見のもと湖西路を進む。

白鬚神社を通り過ぎ、高島の平野が広がり、国道161号バイパスを下りて鴨川の下流部に着く。
湖西では安曇川、石田川、知内川のつぎに大きな川で、増水や減水の変動が激しい。
高さ1メートルくらいの落差工が近年新調されており、豊かな流れ。うっすら濁りが残っていたが、鮎が跳ねているのも見える。
時たまジャンプに成功して、段差の上をちょろちょろと上流に泳いでいく。
見物に来ていた釣り人の話ではこの落差工ができてから上流にのぼる数が減ったとのこと。
釣りの人が数人、川に入って楽しんでいる様子を見る。ほかに投網の人も来た。

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ハスのオス(右)とメス

にぎわっているので、より下流の161号バイパスの下付近で網を打つ。
ペットボトルなどが上流から流れてくる。
京都ナンバーの車が、無人の状態でエンジンをかけたまま1時間以上も停車している。
水辺の情趣が台無しの行為は残念だ。こうした輩とは関わり合いにならないよう十分離れて網をやることにする。

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ハスやオイカワ捕れるがコアユは少ない

さあ下流では、10センチくらいのコアユは2匹入ったのに対し、体長15〜25センチくらいのハスがいちどに5匹くらい。
ハスは魚食性の魚で、コアユを食べると思うので、生態系のバランスからいって、ハスよりもコアユのほうが圧倒的多数存在していなくてはいけないのに、網に入る数は逆転している。
「これはおかしいでしょう」と思わず独り言。川の現実は、素人の想像を上回っていた。
どこに向けて打っても、立派なハスが入る。夏場のいまはハスの産卵期で、鴨川のような砂底の川を、ハスは産卵場所にしているということのようだが。
ハス、大きいので、食べる用に持ち帰れば、あっという間に十分な量が確保できるわけだが、塩焼きをたくさん作るのも手間であり、大きい魚は、処理が大変なので、オスに比べて小さいメスを3匹だけキープ。
赤や薄いモスグリーンなどの婚姻色にいろどられたオスに対し、メスはきれいな白銀色で食用魚という雰囲気高し。

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夏空と水蒸気、河辺林

ハスを避けようと、場所を上流に移した。ハスの遊泳力をもってすれば、段差や急流も乗り越えられるはずだが、そんなに上流まではのぼっていかない。

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川のきらめき

アユは川の中にまんべんなくいるようだったが、今シーズンは例年に比べて数自体がすくない印象。
いちど投げて捕れる数が多くて7、8匹といったところ。
しかもサイズが小さい。蛇のように細いやつも。
アユは琵琶湖から遡上したあと、それこそ24時間休みなしに流れの中を泳ぎ続けているから、すぐにエネルギーを消費して痩せてしまうのだろう。
しかも食べるのはそれほどカロリーが高いとは思えないコケなので、食べることに川での生活のほとんどを費やしているのではないか。
たまに大きめの石の付近で、魚体が太くなりかけたやつが捕れるが、それにしてもやっと14センチといったところ。
強烈な太陽光線が雲間から現れ肌を差す。水のきらめきと緑、大自然はきれいだな。
ぞんぶんに堪能できる滋賀県湖西の河辺よ。

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婚姻色のカワムツ

本日は、100匹を最低目標として網を打ったが、結局、捕れたのは90だった。
うち数匹はオイカワである。揚げて食べた場合、それほど味は変わらない。
しかし、カワムツは放流した。食べるのはオイカワまでだ。

川の中にみちあふれる魚を、網を少ない回数打ってじゅうぶんな量を捕り、あとは川や琵琶湖を眺め、泳いだり撮影などにいそしみ、自然を満喫。このような優雅な夏の投網をイメージしていたが、現実はせっせと少量ずつを拾い上げる労多い漁撈の日となった。

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琵琶湖、浜、河口

鵜川の河口には、ハスが多数、産卵に備えて群泳していた。


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夕方近く、斜めの光が差す比良山系と琵琶湖

ドラマチックな湖岸の空や水、山に差す夕方の光だ。

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琵琶湖。コアユの姿見えず

ハスの姿が川に目立ったが、もしかしてこれは、ハスが大発生しているのだろうか。例年はこんなに多くない気がする。
川のコアユが少ないのは、ハスによって河口付近に集ったコアユがことごとく食われちゃっている、なんてこともあるのかもしれないと思ったが、どうなのだろう。

カメラが電池切れになり、成果撮影せず。
持ち帰った魚は、天ぷらとし、ハスも揚げて、最終的には南蛮漬けとするお決まりのコース。
栽培したハラペーニョやタマネギを混ぜてみた。







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2022年07月17日

犬上川意外な不漁

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犬上川の金屋橋から下流を見る(午後4時50分ごろ)

6月に梅雨明けが宣言され猛暑が続いたあと、7月に入り、梅雨が戻ったような雨続きとなり、滋賀県でも8日ごろまとまった雨があった。
17日現在、前線は日本列島の南から東北にかけて伸び、東北や北海道のほうでは大雨被害が発生している。近畿のあたりでは前線は南海上に位置していて、今後も降水ありそうな気配。

これで滋賀県では、筆者が危ぶんでいた琵琶湖大渇水は杞憂となりそう。
さてこの梅雨明け後に降り続いた雨で、川は流れが豊かだ。
県が県内各地の川に設置した「滋賀県河川防災カメラ」。
これによって、現場に行かずして川の状態が確認できる。

防災カメラを魚捕りのために利用するのはいささか不謹慎という気がしなくもないが、インターネットで公開されており、県民として税金を納めている身でもあると思って、魚捕りの趣味に1時間ごとにアップされる画像を活用させてもらっている。


カメラ設置地点の一つ「無賃橋(犬上川)」は、ふだんは瀬切れしているのだが、この一週間以上、激流といえるほどの流れが続き、きょうも流れは途切れていない。このシーズンいちばんの河況だ。
さすがにこれだけの日数、これだけの水量が流れ続けたら、コアユの遡上も期待できるのではないかと、午後から犬上川に向かった。
青龍山につらなる山のふもと、金屋橋からは豊かな流れを確認。
滋賀県のコアユを捕る川の光景でも特に好きな眺め。橋の上から若者やおばさんらが様子を見ている。
金屋橋、滋賀県河川防災カメラでも、魚が釣れている時はギャラリーが橋の上から川を眺めている姿が確認できるので、これは魚がいるに違いないと思た。
数十万年から百万年の単位で隆起しつつある岩を水が削ってできた絵になる渓谷で、釣り人が清流に糸を垂れている。
しかし、誰も魚を釣り上げてはいない。
橋の上から川の澄んだ水の中を見た。魚が見えない。おかしいな。

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流れの豊かな川


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しかし捕れたのは1匹

もうちょっと下流はどうなのだろうと網を打つが、1匹捕れたきり。
そいつも、色が黒くなりつつあって、最近になって琵琶湖から遡上してきたやつではなく、川にのぼってしばらくすごしたやつのように見えたる。

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水は澄んでいるが

川をみると、水が透明できれいなんだが、魚が泳いでる姿や銀色のきらめきが見られない。
下流部にも行ってみたがやっぱり魚がいない。
これはどうした現象なのだろうか。
先月末、梅雨明けしたあと、最高気温が35度を超す猛暑の日が続いたが、あれが関係しているのか。
猛暑をもって新規遡上は打ち止めになったのか。野洲川ではそうした現象がみられる。しかし犬上川では魚、さずがにいるだろうと思ったのだが、そうではなかった。

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川辺の白い花

あの6月末の梅雨明け宣言と、その後の雨のぶり返しをみて、私は正直、気象庁が判断を間違えたのではないかと思っていた。
しかし、この魚のいない川を見ると、やはりあの時に梅雨は終わって、魚の遡上は打ち止めとなったのかもしれないとも思える。
これだけの清流に魚がいない。これはどうした現象なのか。ここは次、湖西方面に行って、確かめて見なければいけないと思った。




posted by 進 敏朗 at 19:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 漁撈活動記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月28日

6月梅雨明けコアユ捕り

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夏空に伸びる竹

前日の関東甲信越地方に続き、この日は近畿でも梅雨明けが発表。
6月末という異例の速さで梅雨の時期は14日間しかなかった。
大津の観測地点で今月まとまった雨が観測されたのは、月始めの6日と、14日、そして21〜22日にかけての3回で合計約130ミリ。
ここまで順調と思っていたのに、まさかこのまま梅雨明けとは驚愕の一言。
彦根では、この半分も雨が降っていない。21〜22日の雨が、三重県境など県南部が中心で県の北半分にはあまり雨が降らなかった。
それで県南部の野洲川にはまだ水が流れているが、北のほうの川はだいぶ細っているだろう。
川が干上がるまでに魚を捕りに行く。
途上で通りがかる野洲川の落差工付近を運転席からチラ見すると、まだ滝は見られるが人がいない。
梅雨明けでシーズン終わりなのか。たまたま人がいないだけなのか。

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草むらごしに川をのぞく

湖西のほうの川に行くと、幸い、まだ干上がってはいなかったが、水量はだいぶ少ない。
このまま1週間くらい日照りが続いたら、魚捕りは終了だろう。



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網に入った魚

群をめがけて網を打つが群れの中心を外した。
水が澄んでいるので、空から飛んでくる網に魚が反応し、着水するまでにばーっと逃げるのが見える。
それでも網には100匹は取りこまれたのではという感じだったが、引いていくうちに網の間や下から魚がスポスポと逃げる。

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あまり捕れない

魚のサイズが小さくて、網に入った数の数分の一なのではないだろうか。
琵琶湖のコアユの平均サイズは年によって大きかったり小さかったりがあるが、今年は小さい。それに遡上している数が少ない。
最初のひと網で外し、その後も成果ぱっとせず。

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川辺に咲く優雅なネムの花


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本日の成果

1時間やってみたが、50匹に満たず、400グラムにも満たない。
川を遡上すると、コアユは琵琶湖にいるときよりも成長していくのだが、それでこの大きさとは、もとがよっぽど小さいのだろう。
南蛮漬けのストックに。
この夏は、これで川のシーズンが終わってしまうのだろうか。
それよりも何よりも、このまままとまった雨が降らなかったら、1994年以来の大渇水が心配される。



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2022年06月10日

降雨3日後の野洲川コアユ捕り

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野洲川堰堤付近(午前10時半ごろ)

子どもが遠方の都会から帰省しており、せっかくだから名産コアユを食べさせたい。
夜勤前の午前中に空き時間あったので、すぐに行って帰ってこれる場所としては野洲川しかないが、同川は魚が少なく、期待できそうにない。行くだけ無駄じゃないか。そんなに張り切らんでもいいか。
だけども、まあ駄目なら駄目でもいいかと割り切っていくことにした。
そう腹を決めたのがよかった。

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この日は釣り人も多かった

野洲川は濁りのとれた水が豊かな流れ。
先日、5月29日の日曜に訪れた時は、川の水は流れていたもののこの日よりは少なく、釣りをしている人はいないことはなかったが、子どもと楽しむレジャー目的の人だけだった。しかしこの日は、魚を釣ることだけを目的として、おじさん、たまにおばさんも混じり数十人が真剣な目で糸を垂れていた。

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コアユゲット

そういうわけで、筆者のような投網の人は、釣り人を避け、手前の竿が林立する瀬をわたり、中瀬に行き網を打ったところ、10匹くらいが入った。
遡上を待ちわびた魚たちが、先日、6日ごろの雨を受けて、一気にのぼってきたようだった。
調べると降雨量は、県内一帯で40〜50ミリ程度でまずまずの雨量。
おかげで30分ほどで30匹を捕ることができた。
がポイントは限られており、これ以上数を伸ばすのは難しく引き上げた。
まあ30匹捕れれば十分なのだ。家を出て、ちょうど1時間で帰宅。

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捕れたコアユ

新鮮な状態ですぐに調理。
30匹だと、さばくのに10分くらい。
鍋や粉、用意に10分。
てんぷら粉がなかったので、この日は卵の白身と、小麦粉に、片栗粉も使ってみた。
揚げるのに10分。

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天ぷらのできあがり

天ぷらにするとかさが増すので、小さなコアユ30匹でも、昼ご飯には十分な量になった。
これで滋賀県の初夏の味覚を味わってもらったのだった。

まあ駄目でもいいかと思って、行ったところが思いがけず捕れた。
こういう形になってよかった。

ぜったい捕れないとだめなんだ、何が何でも、と思いを強くすると、そうでなかった時のダメージが大きい。
まあ、いうて気楽な魚捕りなんだから、そんなに思い詰めずにやるのがちょうど。
その呼吸を少し覚えたような気がして楽になった。
いつもこういう風だといいのだけど。

posted by 進 敏朗 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漁撈活動記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする