2017年05月18日

ツバメ

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昼、琵琶湖岸に出たら、植込みのまわりをツバメが群舞している。

低いところを周回しているので何だろうと思ったが、この日はシルバー人材センターが樹木や草の刈り込み作業中だった。

湖岸草刈り.jpg
湖岸の草刈作業

それで、草むらや藪から追い出された虫たちを狙っているらしかった。

釣りでいえば、サビキのコマセをまいたような状態なのか。

口空け飛行.jpg
口空け飛行

上の写真をみると飛びながら口を開けて獲物を追っている。
肉眼ではこんな光景は確認できない。

間近に飛ぶ.jpg
間近に飛ぶ

それにしてもツバメの飛行はすばやくて、方向転換に優れ、カメラを向けても容易に撮れない。
でも撮れた写真を見ると、尾羽を広げたり、羽を曲げたり伸ばしたりと、動作が変化に富んで面白い。

ツバメと鳩.jpg
ツバメとハト

羽の色も黒一色ではなくて青っぽかったり、尾羽の辺が白っぽかったりと、熱帯鳥の片鱗を感じさせる。

地面で餌を突く鳩やスズメと違って、ツバメは空を飛び回り地面に降りるということをしない。

スズメ.jpg
これはスズメ

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橋の欄干にとまるユスリカ

ただでさえ湖岸にはビワコムシと呼ばれるユスリカが多いので、おそらく湖岸にいれば食うに困らないのではないか。

しかも今年はユスリカの発生が多いというので、ツバメにはどんどん食べてもらいたいものだ。

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水平線近くをいくミシガン。この日は琵琶湖大橋が見えた

posted by 進 敏朗 at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 琵琶湖・内湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月12日

アオサギと釣り人

アオサギと釣り人.jpg

吾妻川河口でコアユ釣りを見たら、釣り人と並んでアオサギが立っている。

アオサギは野鳥なので、野洲川だと、30メートルくらい離れていても逃げるがこのアオサギは3メートルくらい横でじっとしている。

先日も瀬田川で釣り人の近くでアオサギを見たので(4月28日「瀬田川右岸下り」(上))、大津では釣れた魚をくれてやる人が少なからずいるのかもしれない。

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接近

湖の釣りに集中するおじさんのほうに、アオサギはだんだん間合いを詰めている。

なぜ近寄るのかと思ったら、おじさんの足元に、捕りこぼしたコアユがぴちびちと跳ねている。それが食いたくてたまらないみたい。おじさんは鳥の接近に気づかない。



あとちょっとでコアユを食べれる射程距離に達するかと思ったとき、おじさんが少し後ずさりし、アオサギは停止。コアユが踏まれてしまったのだろうか。しばらく躊躇したのち断念した。

悔しまぎれなのかアオサギは釣り人のおじさんから湖岸沿いに後退したのち、コンクリの上に干物状態になった魚を突いたりしていた。

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上からみたアオサギ

先ほどはそんなものには目もくれていなかった。生きたコアユを得ようと全神経を集中していたのだろう。アオサギにとっても、食い物に一級品、二級品の別があるようだった。

愛鳥週間の湖岸に鳥と釣り人の共生のひとこまが繰り広げられた。

posted by 進 敏朗 at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 琵琶湖・内湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月08日

琵琶湖の水平線

琵琶湖をゆくミシガン.jpg
琵琶湖をゆく観光船ミシガン

きょうも大津の琵琶湖岸で弁当を食べた。
晴れてやや暑かった。湖岸をみると観光船ミシガンが左のほうから水平線に沿って進んでいた。

吾妻川河口のコアユは、先日見た時(5月2日「吾妻川河口のコアユ釣り」)よりも釣れるペースが早く、2匹ずつ、時には3匹掛かっていた。

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吾妻川河口の橋の上から

視線を水平線のほうに移すと、この日は黄砂が来ているらしく陸地が白く霞んで見えた(上の写真では左右にかすかに陸地が写っています)。
そして琵琶湖大橋が見えない。

陸上のいっさいが霞んでいるにもかかわらず水平線だけがくっきりとしている。ちょっと異様な光景。

この光景を見て何か違和感が生じた。
それは何だろうと思ったが、水平線のほうが琵琶湖大橋より手前にあることに妙な感じを受けたのだった。

琵琶湖大橋は、いま筆者が座っている打出浜から10数キロくらい先だと思うが、水平線ってそんなに手前にあるものなのか? 

そこで、あとで紙に作図して、直角三角形の辺の長さを求める三平方の定理を使って考えてみた。

地球の中心点を鋭角に、水平線の点を直角に、筆者の目を第3の角にした直角三角形で、地球の中心までの距離が6500キロとすると、湖岸に座っている筆者から、地球の中心まではそれより3メートル長い。すると水平線までは何キロになるか。

すると、平方根の正確な計算ができないが水平線までは6キロちょっとと推察できた。

意外に近い。こんなものだったのか、違うんじゃないの、と思って計算しなおしたが、やはり6キロちょいになるっぽかった。

これでは打出浜の湖岸から、せいぜい坂本沖あたりまでしか見えていないことになる。そんな狭い範囲しか見えていなかったのか。計算をどこかで間違えているかもしれない。

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唐崎沖の「UFO」が水平線近くに(中央やや左の物体)

そこでもういちど水平線に目を凝らすと、唐崎沖の水質調査装置、またの名を琵琶湖のUFOと異名をもつ設備が水平線近くに見えた。

やっぱりそれくらいの距離しか、水平線まではないみたいだった。打出浜から、琵琶湖の北湖はおろか、南湖の半分くらいしか見えていないことになってしまう。

水平線っていうと、果てしない海ってイメージがあったのに、見えるのは沿岸だけなんだなと、その意外なまでのギャップに黄砂舞う琵琶湖から気づかされた。

posted by 進 敏朗 at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 琵琶湖・内湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月02日

吾妻川河口のコアユ釣り

吾妻川河口付近のコアユ釣り.jpg
吾妻川河口付近のコアユ釣り

きょうも昼、大津の琵琶湖岸に出て弁当を食べた。
木陰のいい場所を見つけた。日が差しているが、昨日と同じように北風が強い。

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河口の逆波

琵琶湖は波立ち、河口に向かって波が逆流していた。

その吾妻川河口付近では数人の釣り人がいる。ルアーでバスを狙っている人のいっぽう、延べ竿でコアユを狙う人が左右の岸に数人いる。

ことしはアユの漁獲が記録的に少ないので、厳しい釣りなのではないかと思って、しばらく橋の上から見ていた。

釣れた.jpg
釣れた

するとまったく釣れていないわけではなくて、時々、細いコアユが1匹ずつ針に掛かっていた。

コアユ釣りはシンプルなものだけど、よく見ると、手すりには竿を固定する道具をセットしており、竿は細く軽量なカーボンのよう。長い時間竿を操っても疲れないような工夫がされている。

釣れている.jpg
釣れている

おじさんに「釣れてますか」と声を掛け、クーラーを見せてもらうと上の写真のようだった。もっと渋い釣果なんじゃないかと思っていたけど、案外魚が寄ってきているようでほっとしたような気持ち。
おじさんによると今年は例年よりも遅くて4月28日から釣り始めたという。早い年では2月でも釣れることがあるという。「深いほうにまだいるんとちゃうか」との予想で、これから釣れるかもしれないとみていた。

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DIYクーラーボックス

クーラーボックスは発泡スチロール箱を加工した手製だが、長年の経験にもとづいた工夫が加えられていた。

➀長さが調節できるベルト
➁冷気を逃がさず魚を入れる中ぶた
➂ふたが風で飛ばされないためのおもり兼取っ手(青い球形の物体)
➃バイクで運搬する際、衝撃を和らげる四隅のクッション
Dコアユ釣りに最適なジャストサイズ

「市販のクーラーよりこっちのほうが、冷気の持ちがええで」とおじさんは話していた。ここまで発泡スチロールクーラーボックスが作りこまれているとは。自分もまねして何か作りたくなった。

「竿はカーボンですか」と筆者が尋ねると
「ああカーボンや」。そこに妥協はなかった。

餌は、シラスだけで、バラケ防止には小麦粉ではなく片栗粉。小麦粉では固まってバラケが悪くなるというのがおじさんの見方だった。

長年の経験によって培われたスタイルがシンプルにまとまったコアユ釣りに風情を感じた。
おじさんに謝して現場を後にした。


posted by 進 敏朗 at 23:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 琵琶湖・内湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月01日

琵琶湖の船

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大津沖をいく観光船ミシガン

昼、湖岸に出ると、北風が吹いて空は暗かった。
比叡山を左手に湖が広がり、観光船「ミシガン」が沖をゆったりと走っている。

ここは大津の中心部近く。大津は、琵琶湖に面した町なので「湖都」ともいわれる。
その風情は平野広がる滋賀南部では独特のもの。

滋賀南部の平野部に住んでいると、湖岸は意外と遠いうえに、湿地やヨシ帯に阻まれてアクセスしにくい場所だが、ここ大津ではしっかりとした地面で、ちょくせつ町が湖岸に接していて、広い公園になっている。

ベンチに腰掛けて弁当を食べた。ハトが寄ってくる。人を怖がらない。餌を待っているのか。

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並ぶ船たち

琵琶湖文化館前から、湖岸を湖に向かって左の方向に進むと、桟橋に係留された数隻の船が見えてきた。

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消防艇おおつ

赤い船は大津市消防の消防艇「おおつ」。2015年に就航した3代目で愛称は「ことかぜ」。これは往年の名大関ではなく「湖都風」。1分間に8000リットルの水を放水でき、放水砲3門を備え、湖岸の火災に対応する。全長は19メートル、重量19トン、速力36ノットと速さ自慢。

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はっけん号

つづいて左隣には、びわ湖トラストの実験調査船「はっけん号」。重量物を上げ下げするガトリングクレーンを積み、琵琶湖を探査する自立型潜水ロボ「淡探」を搭載。双胴の構造から安定が優れている。18.9メートル、36トン、20ノット。

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びわかぜ

そして3隻目は新鋭の水質実験調査船「びわかぜ」。これは以前、乗船体験に参加したことがあった(2015年5月30日「水質実験調査船びわかぜ」)。球状の船首バルバス・バウを備え北湖の荒波もかき分け進む。琵琶湖を忙しく走り回っているがきょうは港で休んでいた。28メートル、71トン、22ノット。

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megumi

さらに4隻目は、クルーズを楽しみながら環境学習を行うという新コンセプトの環境学習クルーズ船「megumi」。シップ・オブ・イヤー2008も受賞している。バイオディーゼルを燃料にしているのも環境学習船らしい。33.6メートル、122トン、16ノット。

形も色も用途も違う中小型の船が並んでいるなあと思っていたが、こうして調べてみると個性がより目立ってくるのだった。

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うみのこ入港

とそこに、大型の船が沖から入港してきた。
琵琶湖の環境学習船「うみのこ」だ。滋賀県の小学5年生はこれに乗船、1泊して琵琶湖をめぐり、環境の大切さを学ぶ。筆者は鳥取県出身のため体験をしていないが、子供は全員がお世話になった。

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入港したうみのこ

1983年の就航以来、52万人の児童を乗せてきたという。65メートル、928トン、8〜9ノット。児童の定員は240人。来年、新しい「うみのこ」が就航予定でどんな船が現れるかが楽しみだ。


ところで冒頭の写真「ミシガン」と同名のアメリカ潜水艦が先日、日本海に現れたので「どうやって琵琶湖から出たのか」などと一部のツイッターで話題になったのだそうだが、それはもちろんあののどかな船ではない。

観光船「ミシガン」は、滋賀県が友好提携している湖の州、ミシガン州にちなんでの名づけとなっている。59メートル、1038トン、8.65ノットの外輪船。ここは平和の琵琶湖なのであった。

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〈おまけ〉鳩群れる湖岸の公園

posted by 進 敏朗 at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 琵琶湖・内湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする