2023年05月23日

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鉢をのぞくと

メダカを飼っている鉢の中に2種類のカエルがいた。
ひとつは、中央付近の水草の間から頭を突き出している。緑色の線がある。トノサマガエルだ。
もう1匹は、陰になっている水面の右端に頭が出ている。ツチガエルだ。

以前から、この庭の鉢やメダカ池では2種のカエルが見られたが同時に見たのは初めてだ。
私は数年間、この庭でカエルを観察しているが、次第にツチガエルが優勢となり、トノサマガエルは姿を消すと思っていた。
ツチガエルの土色ボディーカラー、いぼだらけの姿、あぶらぎった鳴き声などが、しぶとさ、生命力の強さ連想させ、そういう生き物が自然界では強いのだろうと思っていた。
しかもツチガエルはオタマジャクシの姿で越冬もできるのだ。晩秋のころ、遅れて生まれたオタマジャクシを見かけ、これから冬になるのにあわれだなと思っていたがその憐みの気持ちは不要だった。湧き水のメダカ池などは、またとない冬越しの環境ではないか。
トノサマガエルはそこまでのタフさはないのではないかと思っていたが、案外、健在だった。
こちらは、クルルルという鳴き声で、まだ音楽的というか「カエルの歌」という表現に近いものがある。ツチガエルのディーゼルエンジンを思わせる低音よりは。先日の雨の晩、2種類の鳴き声が同時に庭から聞こえてきた。ツチガエルの鳴き声も案外、慣れてくるとそれなりに聞けるようになってきた。
カエルは鳴き声で、数百メートル離れたところからでも仲間を呼び寄せるそうだ。隣の神社の林から、呼応する鳴き声が聞こえてくる。池からいくら追い払っても、オタマジャクシを掬っては近くの田んぼに持って行っても、近所にカエルの本拠地がある限り、すぐに帰還してくるので無駄だった。
メダカ用にと造成した池や鉢に、招いてもいないカエルが、水辺の環境を求めて庭に定着すること数年。
庭では菜園とか、生ごみの処理もやっていて、カエルが好むダンゴムシ等の小さな虫が豊富なので、好ましい環境と思われる。

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メダカ池。浮草の上にヘビがいた

ヘビも現れた。
そいつはメダカ池の浮草(トチカガミ)の上に休んでいたが、撮ろうとしたら草むらの中に逃げられた。
全長が50センチもない、模様がない、黄色っぽくてぬめっとした感じの1匹。あれは何というのか。
調べたら、ヒバカリというやつが近そうだった。
何でもそいつは水辺を好み、オタマジャクシや、小さなカエルを食べるという。メダカも食べるらしいが、捕食の挙動が確実さに欠け、メダカはそうやすやすとは捕まらず、オタマジャクシのほうが捕えられそうである。
ヘビを見かけてから、気のせいかカエルの鳴き声が控えめになった。
この池のオタマジャクシやカエルをヘビが食べれば、カエル増殖の抑制になるかもしれない。
だんだんと生態系がの輪が広がって来た。

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2023年03月15日

ミツバ

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ミツバ

昨年、庭のメダカ池のほとりの湿地に、ミツバの種をまいたところ順調に育ち、冬を越してさらに群落が広がってきた。
ミツバはセリの仲間で、このような水のほとりを好むようだった。
池の脇には湿地スペースがあり、そこに泥田を好むというサトイモなどを植えたこともあったが、広さの関係もあって小さくしか育たなかった。そこでミツバではどうかと思って植えてみたところ、予想を上回る繁栄ぶりとなってきた。
刈って、うどんや鍋に乗せるなどして食べるには十分な量が確保できそうだ。

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池の中にも

株が分かれて池の中にも小さなミツバが生えてきた。
これは根元が完全に水中にある。
池のほとりは、陸地になっている部分から、だんだんと水の中へとなだらかに変化する環境をつくってみたのだった。
ミツバはこのうちどの部分を最も好むのか。観察してみたい。
春の楽しみがまた一つ増えたのだった。

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春になりメダカも出てきた池

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〈おまけ〉ジンチョウゲ咲く




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2023年02月10日

アクリル水槽

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自作アクリル水槽

琵琶湖博物館のビワコオオナマズを展示している大きなアクリル水槽が突然、壊れたという。
ニュースの写真を見ると、円筒形をした水槽の腹がバーンと割れていてびっくりした。
あんな分厚い水槽でも壊れることがあるのかと。老朽化が原因という報道もあったが、アクリル水槽が二十数年で壊れるものなのか。原因の解明をしっかりやってほしいと思った。

というのも、うちにも20年近く前に自作したアクリル水槽があるが、粗雑な造りなのにまだ壊れてはいないのである。
メダカ池を造ったのよりも前に小魚が飼いたいと思い制作した。
アヤハディオでアクリル板を買い、アクリル用カッターで切断、アクリル用ボンドで接着した。
手前側に水を張り、奥側には土を入れて、植物を生やしてビオトープのような感じにしようと目論んだ。
アクリル製のメダカ池プロトタイプだった。

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荒れた水槽内

だがアクリル板を組み合わせた構造なので、マインクラフトのように垂直と水平の面しかなく、水際と陸地がゆるやかに連続する「浜」を再現するのは困難だった。アクリル水槽ではそこに限界を感じた。
その後築造したメダカ池では、実現したいものとして「州浜」を掲げたのだった。

今では水槽、放置気味となり、このようにすっかり荒れ果てた感じとなった。メダカも、この水槽ではなかなか繁殖せず、この日も生存が2匹確認されただけだった。手入れ不足によって、メダカの生存にも適さない環境になりつつある。ものを造った当初は愛着があるのに、だんだん古びていき、手入れをしようという気持ちが薄れていく。
しかしこれで打ち捨ててはなんにもならない。琵琶湖博物館の水族展示はしばらく休みとなって残念だが、しっかりと復活してほしい。この水槽もいずれまた整備復元して、ビオトープの趣を出してみたい。





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2023年01月27日

地温

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積雪の池(25日撮影)

寒波が襲来、25日夕方から降雪があり、JRの山科などの駅では積雪によるポイント故障で電車が止まるなどし大変な影響が出た。つぎの晩には、滋賀から三重にかけての新名神高速道路で24時間以上の立往生が発生した。
25日朝は滋賀南部の町も、一面の銀世界だった。京都でも15センチの積雪があった。滋賀南部のほうがむしろ少なかったかもしれない。温暖化が進んだ近年では、ほとんど積雪のない年もあるが、10センチほどの雪なら、今でも2冬に1度くらいは積もるように感じられる。

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バケツに氷が張った

積雪もさることながら、特筆されるのは寒さであった。
1月の下旬から2月初旬にかけてが、統計的にも1年でもっとも低くなる時期だが、この時期に厳しい寒波が襲い、かつ京都や滋賀あたりの冷え込みが、全国的にも著しかったようだ。
気象庁によると26日の最低気温は、東近江で観測史上最低のマイナス12.3度を記録。
近江盆地の中央にある東近江は夏場に気温が上がりやすいことで知られるが、冷気にも襲われやすいとは知らなかった。
滋賀の中では冷え込むことで知られる高原の町、信楽ではマイナス12.6度。湖北の米原ではマイナス9.1度などとなっている。
鈴鹿山脈をはさんだ三重県の四日市では観測史上最低のマイナス8.9度。これは東海地方の海辺のまちであることを考えると、異例な寒さだ。鈴鹿山脈から異常な寒風が吹き下ろしたのか。
ちなみに南丹市園部でも観測史上最低のマイナス13度。
同じ朝の札幌の最低気温がマイナス10.2度。この朝の滋賀の冷え込みは北海道と同等の寒さになっていたのである。24日夜の鉄道停止や、その後の滋賀から三重にわたっての新名神の停止は、とくに鉄道では対応のまずさが目立ってしまい、あれだけ気象庁が注意を呼びかけていたにもかかわらず、と大批判を受けてしまったが、京滋の一帯が異例な積雪や冷気に包まれていたのではないだろうか。

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厚い氷だ
水を張っておいたバケツの氷も、2センチくらいあって立派なものだった。
風や雪とともに凍っていったのか、でこぼこしている。

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融雪の道

昼になって、日の当たる場所から徐々に雪が解けてきた。
庭を見ると、何か道のように雪が解けて地表がみえている。
実はこの下には、井戸水を池へと送るホースが埋められている。写真の右奥が池となっている。
井戸水は水温が15度くらいあるので、その熱で雪が解けたようだ。凍結しちゃまずいと思って、井戸水を流す量をいつもより多めにしておいたところ、地温が上昇して融雪装置の役割を果たしたようだった。

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雪解けの池

このようにして池の周囲はより早く雪解けが進んだ。
なんだか早春の趣がしている。
井戸水を使えば、地温を上げることもできると学んだ。これを畑に使えば、何か耕作を早めたりするのに使えるのかもしれない。水温15度とはいえ、このような寒い時期には明瞭に地温の差を生み出すのだった。
雪が積もったことで、地温の高さが目に見える形であらわれた。やはり地下水は温かいことが、こんな形で確認できたのはなんだかうれしい。
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2022年02月03日

薄氷(1月最低気温まとめ)

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薄氷が張った庭の鉢(1月16日)


庭の鉢に薄氷が張った。
この日の大津の最低気温は氷点下1.2度。
毎年1月には寒い日は最低気温が0度を下回り、水たまりが凍ったりするのが見られる。
気象庁によると大津では今年1月、最低気温が0度を下回った日が計15日あった。およそ2日に1回。
詳しく数えているわけではないが、これはここ数年では多いほうではないか。
そして雪も降った。
彦根や米原などでは大雪となったが、南部はさほどではなかった。でも、冬らしい景色をみることができた。
琵琶湖も最深部に酸素濃度が高い冷たい水が混じる全層循環を確認した。
昨年も確認したが、その前の年まで2年ほど見られなかった。
これがないと最深部が酸欠状態になり湖底生物が死滅してしまうので、暖冬とそうでない冬の境目というものが、琵琶湖の全層循環のあるなしに現れる。温暖化は琵琶湖の環境激変でもあるのだ。
このように今年の滋賀南部での冬はまずまずの冬らしさだった。
ただ、この1月の最低気温は25日の氷点下1.9度。冷え込みが厳しい時はマイナス3度以下になることもあるので、氷の張り方がやや物足りなかった。積雪も、雪だるまをつくれるほどの量には程遠かった。
冒頭の写真は16日の撮影で、この日の大津の最低気温は氷点下1.2度だった。
庭の鉢に薄氷が張り、底のほうでメダカやオタマジャクシがじっとしていると思われる。あすは立春だ。




posted by 進 敏朗 at 06:37| Comment(0) | メダカ池記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする