2026年02月04日

貝殻を訪ねて2026

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大泊海岸(2月4日午後)

貝拾いの「貝殻を訪ねて」シリーズで記事を書くのは実に6年ぶりとなった。
立春の2月4日、紀伊半島の熊野市や御浜町を訪れ、せっかく来たのでと、熊野市から鬼ケ城をはさんだ北側の内湾になった大泊に立ち寄る。
幅300メートルほどの弧状の浜で、細砂に打ち寄せる波が滑らかだ。

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砂浜に打ち上げられた貝殻

砂の上には、それほど多くはないが貝が打ち上げられているのが見られた。
これはナミノコガイだ。

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タカラガイだ

南の海に行くほど種類が増えるというタカラガイも落ちていた。
これは日本海側でも見られるカモンダカラだが、日本海で落ちているやつはたいていもっと小さいので、サイズの大きさに南方の海の気配を私は感じた。
浜の南半分は、先行のビーチコーマー(浜の漂着物を拾い集める人)が箒で砂の表面を掃いて持ち去っていた。
私は残された区域で30分ほど貝拾いしただろうか。

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拾った主な貝

集まったのは上の写真のようだった。
二枚貝では、二枚ひっついた新鮮な状態のやつが比較的多かった。

サア持ち帰ってから、これは何貝なのかと、図鑑をみてみるが、必ずしもすぐ判るわけではない。
手元にある図鑑は、「標準原色図鑑全集3 貝」(保育社刊、1967年)。
これに載っているのは2000種類くらいだ。
しかし現在、日本でみられる貝は1万種類以上といわれている。
図鑑にない貝の種類が多いが、本州の浜でぱっと拾える貝くらいは、この図鑑で網羅されているだろう。
むしろ、浜に落ちている貝はすり減っていたり模様が消えたりして、生きていた時と見た目が変わっていることのほうが、種の特定を難しくする要因としては大きいように思う。
さらに、同じ種類の貝でも個体によって模様の変異が大きいことも、何貝なのかわかりにくくさせている要因だ。

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これは何貝か

手始めに、この二枚貝は何貝なのか?
こんなでっかい貝ならば、図鑑にはまず載っているはずだ。

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ワスレガイ(7番)

図鑑では、いちばん近いのがワスレガイに見えた。
説明では「殻のふくらみが弱い」「重厚堅固」とあり、それは合致。
「折線模様がある」ともされている。それは殻がすり減っているためか確認できず。

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貝類図鑑の記述

図鑑にはさらに「肉量は少なく、しかも肉が堅いのでうまくない。しかし、食べて食べられないことはない。」と、食味について低く評価しながら擁護しているようなトリビアも記述。
だが貝殻を拾ったので中身はないし、知りたいのはワスレガイであるかどうかの決め手になる特徴だ。

結局、インターネットで「ワスレガイ」と検索したところ、拾ったやつとほぼ同じ色形のものが出てきたので、ワスレガイだと自分の中で判定した。
まず図鑑で調べてからネットで検索すればわかりやすかった。
ただネットの情報も必ずしも正しいとは限らず、明らかに違うやつも含まれているので、大多数が同じ内容を示していればそれを判定材料とした。

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白くて殻頂が紫色の二枚貝

ではこの二枚貝は何貝か。
小さい左側のほうは、大きい右側のほうの殻頂付近が残ったもので同じ種類と思われる。
これも検索したら「アリソガイ(有磯貝)」というのに似ていた。

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アリソガイ(20番)

図鑑でアリソガイを見ると、茶色い薄皮に覆われていて印象がずいぶん違う。
よく見ると大きさや形、皮がない部分の色つやはよく似ている。
だがこれでは図鑑を見てもわからなかったはずである。
図鑑のは、あまり美しい感じがしなかったのだが、浜で拾ったやつのほうが、表面がつるつるして美しく感じられた。

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ハマグリ

これらは食用として有名な「ハマグリ」だろう。
しかし左下の1枚は、ほかのやつに比べて丸っぽい。
ハマグリの模様は変異が大きく、このような模様のやつもネットでは紹介されている。
でも、形がちょっと丸っぽい個体があるのかは、紹介例が見つからず不明だった。
ハマグリの中にはこういう丸っぽいやつがいるのか、あるいは別種なのかわからず、もやもやが残る。

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ハザクラガイ(左)、ナミノコガイ

ハザクラガイは、手元の図鑑には図版がなく、ネットで調べて判明。
あとで調べると「オチバガイ」の項に「まだらの模様がある」と一行、ハザクラガイについて記述があることはあったが、図版がないとやはりわからない。
ナミノコガイは「変異が多い」とだけ書かれており、模様のない個体が掲示されていた図版とは大きく違っていた。
これらはネットによって同じような模様があったのでこれだろうと思えたのである。

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白い不定形の二枚貝

白い不定形の二枚貝もいくつか落ちていた。さてこれが何貝なのか。現状、「エガイ」の茶色い殻皮が取れて白くなったものかという気がするが、エガイについてはネットでもあまり掲載がなくてよくわからない。簡単に拾えるので、まず図鑑に載っているはずである。殻がすり減っている割に、二枚の殻をつなぐじん帯が切れていないので、この部分がよほど強力にできているか、もともとすり減ったような殻をしているのかもしれない。生息場所はおそらく、拾った場所からそんなに離れていないと思われる。図鑑が示す「潮間帯の岩礫地」を探れば生きたやつが得られるかもしれない。


posted by 進 敏朗 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 貝拾い記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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