立春の日の出を眺めに
夜が明け始めた(午前6時20分ごろ)
立春は、この日を境に日差しが明るくなり、春が来るとされる節目の日だ。
これを記念しようと未明から出発して三重県南部を目指す。
とにかく立春、温暖な場所に行きたかった。
高速道路の深夜割引時間帯である午前4時までにインターに入り、マイナス4度などと表示された新名神で県境を越え、南に下がって約2時間。海沿いの「花窟(はなのいわや)神社」前に着いた。
月がくっきりと
ここで日の出を待ち構える。
到着時には東の空が白み始めており、南西の方角には月がくっきりと出ている。
まだ暗いご神体の岩
花窟神社は海べりにそびえる高さ45メートルの巨岩がご神体。
浜と岩との間に国道42号線が走るが、かつては岩からすぐに浜が広がっていたものと思われる。
まだ暗い闇に包まれている。
この岩が朝日を受けて輝く瞬間はどんなものだろうか。
水平線から昇る太陽と岩
日が出る寸前の空
日の出(6時49分)まで約30分。
浜の堤防と波打ち際の中間あたりに立って観察していると、朝焼けの赤が濃くなり、溶岩のような輝きが見えた。
日の出だ
岩のほうを振り返ると、中央に見える岩肌が照り出され、岩の窪みに陰が差す。
劇的に光るという感じではなかったが、真っ暗だった岩が照らし出されて白くなった。
朝日を浴びる巨岩
日が昇った
朝焼けの浜
ドラマチックな朝焼けの光景だ。
立春をこのように迎えることができて満足度高し。
張りたての縄が上空に
続いて神社を参拝する。
まだ薄暗い境内
樹木に囲まれて境内はまだ薄暗い。
すでに清掃作業の人がいる。
そして慣れた感じで手早く参拝を済ます地元の人も。
くぼみの多い岩
花が供えられている
花窟は最古の神社ともされる。
伊勢神宮など、神社の境内には石が敷かれているが、花窟神社では目の前に広がる広大な浜に天然の敷石が広がる。
岩、海、浜、日の出。シンプルな構成に力強さを感じる。
巨岩から張られた縄
巨岩を見上げると、上空に縄が渡されている。
縄からは、平たい形をかたどった三つの旗のようなものがぶら下がっている。
私はその形から「送電線と鉄塔」を思い浮かべたがそれは違っていた。
これが、「太陽」「月」「地上」の三神をあらわす「旗縄」なのだという。
大自然への崇敬を感じさせる。
アースウインドアンドファイヤーなのか。
縄についての説明
縄についての説明があった。
それによると、この縄はつい2日前、2月2日の例大祭で張られたもの。
その際には、170メートルある縄をまずは海岸まで綱引きのように大勢の人で引っ張ったうえで、境内に戻し結わえ付けるのだという。
縄は7本の細い縄をゆわえており、この7本の縄がそれぞれ風や海といった自然を象徴する神という。
境内から出ると海から差す光がまぶしい(午前7時半ごろ)
縄がどちらの方向に張られているのかがわからず、清掃の男性に縄を巻き付けている柱の場所を尋ねると、
「道路のほうにありますよ」
とのことだったので、境内から外に出ると、海からの直射日光がまぶしい。
ちょうど真正面から光が差し込んでくる。
やはりこの朝日の昇る方角からも、ここが特別な場所だという感じを高めているのだろう。
角っこに石柱があり、ぐるぐると縄が巻き付けられていた。
その巻き方は左回りに7回半、そのあと右回りにと巻き付けられ、神話にちなんでいるという。
立春に備えて張られた縄であるので、まさにこの日の朝に見ることができてよかった。
石柱に巻き付けられた縄
縄が張られた全景
日の出から1時間もすると、ドラマチックさは消え平穏な朝の光景となった。
天候に恵まれ、日の出の光景が見られ満足な気分だ。
まだ午前8時。日帰りながらたっぷり時間がある。この後、一帯の地形を探索することにした。
(「下」に続く)


