勧修寺の氷室池
京都は山科区の勧修寺(かじゅうじ)に行った。
インバウンドでごった返す京都だが、ここ勧修寺は訪れる人もあまりおらず閑散としていた。
平安期創建の同寺には広大な池があった。
「氷室の池」と呼ばれ、池泉回遊式庭園の中心だが、想像以上に広くて驚いた。
9月も中旬となったがハスの花がちらほら咲いている。
あまり手入れはされておらず、池底から気泡がぼこぼこと湧いて出る。
泥がたまり、コイの姿は見られず。
カルガモが数羽、水上を移動しているが、ときおり体が上下動し、足を底に着け歩いているものと見受けられた。
優雅さに欠ける動きだ。
鴨とハスの花
冬に枯れるハスが何年分も積もり、泥となって堆積しているのではではないだろうか。
草津市の琵琶湖では、西日本最大級といわれたハス群落がある年、とつぜん姿を消した。堆積した泥で酸欠となり、ハスの新芽の生育を阻害したのが原因とされた。
この池もこうした状態が続けばいつか、ハスが生えなくなる、などといったことが起きるのではと案じてしまう。
蓮の葉陰のメダカの群れ
水面に波紋が立つので何だろうと思っていたらメダカがいた。
泥と同じ色をしているので気づきにくかった。
ハスの葉の陰になっているところにいたが、よく見るとそこらじゅうがメダカだらけだった。
ほかの魚は見られず、この巨大な池全体がメダカに占有されているようだ。
係の人に聞くと、このメダカは放して増やしているわけではなく、昔からいたものだという。
これを食べにカワセミもやってくるのだというが、これだけ繫栄していたらカワセミも食べきれないだろう。
京都市内にこんなメダカが繁栄している池があったのかとびっくりしたが、思い返すと、右京区の花園駅前の法金剛院の池にもメダカが繫栄していた(2023年7月2日「花園の池」参照)。
こうした古寺の池は水が完全に干上がることがなく、これがメダカの楽園となっているのか。
勧修寺の案内によると「氷室の池」は、平安時代には毎年1月2日に、池に張る氷を宮中に献上し、その厚さでその年の豊凶を占ったとされる「京都でも指折の古池」という。
おそらくその時代には、池はもっと深くて澄んでいたのではないだろうか。
池を浚渫し、厚くたまった泥を除去して、願わくば多分、他の水草が生えない原因になっているであろうザリガニを駆除し、美しい水を復活させれば、素晴らしい情緒が再現できるんじゃないかと思った。


