目黒・大圓寺の池と石仏群
崖下や窪地にいい池ちらほら
上野の国立科学博物館へ「貝類展」を見に行った。
その前日、目黒付近で美術展を回る。
目黒駅から「行人坂」の坂道を下る途中、寺があり、崖面の下に池があった。
池は水をたたえコイ泳ぐ。
大圓寺のHPをみると、江戸時代初めに出羽の湯殿山から行者を招来し開いた寺で、「修験行人派」の僧が行き交ったから行人坂というのだそうだ。
武蔵野台地の崖面には水が出ている場所があると聞く。確かめてはいないがこの水もそうなのかも。
目黒川
約20メートルの高低差がある行人坂を西へ下りきったところに目黒川がある。
目黒川の流域面積は45平方キロメートル、長さ8キロ。
目黒川の河口部に品川があって、品川とは目黒川の別名だそうだ。
水は黄土色に濁って汚い。
東京は昨年12月、ほとんど雨が降らなかったというので、水が少なく汚濁が強まっているのかも。
蛇窪神社へ向かう参拝者の行列(午前9時前)
翌朝、品川区の「蛇窪神社」に、参拝しようと思ったら9時の参拝開始を待つ行列が道端に伸びていた。
「少ない。ラッキー」という親子連れの会話も。昨日は8時間待ちにもなったと、テレビニュースの動画を発見。
にぎわっているだろうとは思っていたがここまでとは思わず、人の多さに東京を体感。
蛇の石像(頭部)
農業の水乞いと深い関係のある蛇の伝承。
境内には地下からくみ上げた池が透明な水をたたえる。
神社は平地で、池のあたりは窪地なのかも。
ニシキゴイ泳ぐ池
池の中には丸々としたニシキゴイが悠然と泳いでいた。
東京にも随所に、いい池があるのだな。
「貝類展」に展示されていた不思議な形の二枚貝。身が平たい?
貝類展−ナメクジ化は「進化の王道」?
さて、待望の科学博物館の貝類展であったが、わりとコンパクトな展示の中にいくつかの初知りもあった。
世界にさまざまいるナメクジが、ナメクジになった後に分化したのではなく、別々の陸生貝からいわば並行的に殻なし化を成し遂げたということが分かってきたというのが興味深かった。
一見、ナメクジは殻がなく丸裸なので、カタツムリよりも生存は厳しいのでは、などと見えがちだが、殻がないことで機敏になり、狭いすき間に隠れることができ、殻をつくらなくていい分餌も少なくてすむなど、カタツムリにはない長所、合理性をいろいろ獲得したのだ。
殻のあるオウムガイよりも、丸裸なイカタコのほうが繁栄しているようなものかも。
殻をなくす「ナメクジ化」は進化の王道であったのだ。
自宅の小規模菜園はナメクジに悩まされているが、陸上を生き延びるよう洗練された生物であるナメクジを、なめてはいけないと思いを強くした。