昆陽池公園の入り口
兵庫県伊丹市の昆陽池(こやいけ)に行く。
昆陽池は、奈良時代に行基が築いたとされる古いため池。
かつては「昆陽下池」もあり広大だった模様。
武庫川、猪名川に挟まれた断層地帯の地形を利用したとされる。湖には「断層湖」があるが、ため池にも「断層池」があるのか。
それが今では、公園として市民の憩いの場になっているという。
JR伊丹駅からバスに乗り約10分、住友の広大な工場の生垣の横を通り、池の入り口の「松ヶ丘」バス停で降りると、売店、大きな石彫作品も備わった公園の入り口が見えた。
公園の案内看板
公園の案内看板があった。
池の中に島が浮かんでおり、日本列島の形になっていた。
伊丹空港から発着する飛行機から見えるようにと発案されたそうだ。伊丹市によると1968年に一部公園化、72・73年に現在の姿に整備。
池全景
通路をまっすぐ歩くと池全景が見える。西のほうから東の方角を見ていることになる。
日本列島の形をしている島は、横からみるとその形は判別できない。左のほうが九州で、四国や紀伊半島、関東地方が眼前に見えているはずだ。
樹木が白くなっていて、雪かと思ったら樹上にいたのはカワウだった。
新聞記事の情報などによると1996年に最初の巣が見つかったといい、2000年代初頭には2000羽を数えたということだった。現在も、相当の数がいるように見受けられる。
カワウ、木を枯らすし、魚も食べまくるので、琵琶湖周辺では「害鳥」として嫌われている。
昆陽池では放逐せずに20年以上も営巣が続く。真黒な見た目もダークなイメージだが、耳に届く鳴き声はヒルルルと透明感がある。
鴨休む
いっぽう、鴨たちは手前の岸におり、人が近寄っても動かずに休んでいる。慣れているようだ。
鴨の低いグワッグワッという鳴き声のほうが、抱いていたカワウのイメージに近いがそれは違う。
コウノトリもいる(池のいちばん奥の岸の白い点)
池の北岸を進むと、対岸にコウノトリもいた。
双眼鏡で確認。
望遠レンズがなかったので、撮ったが、池のいちばん奥の岸辺にたたずんでいた。
最近、3羽が飛来してきたという。同池に飛来したのは公園整備以来初だということのようだ。
昆虫館
遊歩道の奥には、チョウのモザイクが鮮やかな建物。昆虫館があった。
1990年の開館。中にはチョウを放つ温室があった。
温室の中
チョウ温室としてはかなりの規模で、極彩色の花やチョウの楽園が広がっておりまるで幻覚を見ているようだった。
早春とはいえまだ寒い外のモノトーンの世界と対照的な世界が広がる。
滋賀県にも灌漑用ため池は多いが、ここまで盛り立てられた池はないと思う。
野鳥いろいろ見られて密度の濃い場所だった。