2022年02月15日

琵琶湖博物館の昼前(2)


DSC_0306 遠景.jpg
比良山系を遠望(午前9時50分ごろ)

2か月ぶりに琵琶湖博物館に来た。午前10時の開館とともに入場する。
午前中、憩いの時間を過ごす。
入館する前に、駐車場から広場に歩き、琵琶湖越しの山並みを遠望する。
雪の比良山系。
琵琶湖博物館ができたとき、周囲の土地をリゾート開発する計画があったが、あれから30年近くたって周囲の空き地は変わっていない。
琵琶湖近くに広くて静かな場所が残って良かった。


DSC_0310 ホール.jpg
エスカレーターから1階の広間を見る

2か月前の来訪時に購入した年間パスポートで入場。
もう元が取れているが今年12月まで有効。何というお得感だろう。
同館までは、自宅から車を使えばさほど時間はかからないので、足を運ぼうと思う。
琵琶湖とそれをとりまく滋賀県の自然・歴史・人の暮らしを網羅する琵琶湖博物館。最近、何年かをかけて全館リニューアルを果たしたのだった。
訪れた時は外壁の工事が行われていて覆われていた。
この日はA展示室(地質など)を中心にのぞいた。

DSC_0317 軽石.jpg
軽石

A展示室では、地質が中心に展示されているが、琵琶湖の歴史の展示で、以前は「蒲生湖」と呼ばれていたと記憶するが、「蒲生沼沢地」と名前が変わっていた。蒲生湖は浅かったようなので、湖じゃなくて沼沢地と呼んだほうがふさわしいということになったのだろうか。
研究の進展がもたらした成果なのだろうか。

古琵琶湖があった時代から現代まで、湖底の堆積物や植物化石を通じて気候がどのように変わって来たかを解説する展示などが力が入っていた。それによると400万年前くらいはワニなんかもいて、亜熱帯のような気候だったが、100万年前から寒冷化が始まり、琵琶湖が現在の形となった40万年前からは、数万年ごとに氷河期が到来している。
海は、氷河期になると北極や南極の氷が厚くなったりして、海抜が下がるが、琵琶湖ではそうはならないだろう。
諏訪湖のように御神渡ができたり、歩いて渡れるなんてこともあったのだろうか。
地層に琵琶湖が凍結した痕跡などは残されているだろうか。

そしてトピック展示では、太平洋の火山噴火によってまき散らされた軽石が展示されていた。
内陸県の滋賀で、あの太平洋の軽石が見られるなんて思ってもみなかった。
泡のかたまりを石にしたような外観。ひどい汚れ物を落とした時の泡ような。これが大量に海に浮いて、1000`も西の沖縄の浜に漂着したのを採取したようだ。
河口から空中に飛び、直接海に落ちて冷やされたのか、あるいは空中で冷えて固まったのかどちらだろう。かつて夜久野で「火山弾」を見たが、それは砲弾のような形をしていた。それに比べると、この軽石は、かなり軽い物質でできているようだった。持ってみたかった。

DSC_0322 亀.jpg
亀と砂利

C展示室では、ジャリっという音がときおり聞こえてくるので何だろうと思ったら亀が砂利を蹴る音だった。
空調や、録音の動物の鳴き声などが響く中で、生き物の立てる偶然の音は面白いなと思って和んだ。

DSC_0324 ビワコオオナマズ.jpg
ビワコオオナマズの稚魚

水族展示では、ビワコオオナマズの稚魚がいた。通路に、ぶくぶくなしの小さなアクリル水槽が置かれていた。
体長10センチあまりだろうか。コンニャクを連想させる半透明の色合いで、ふつうのナマズの稚魚よりも色が薄くて弱々しい。
体に少しでも傷がついたらすぐにでも死んでしまいそうだが、よく生きたまま捕獲できたものだと思った。
一方、バイカル博物館から届けられるライブ映像は、凍った湖の風景が映し出されていたが、沖合は凍っておらず霧がただよっていた。アザラシたちはどうしているのか。

毎日、近くの琵琶湖から採取されるプランクトンの展示、本日はゾウミジンコが多かった。

少し見るだけであっという間に2時間がたって昼になってしまう。
リニューアルで、展示は全般に、見る人に呼びかける感じに変わり、研究者の声なども届けられ、見た目のわかりやすさが重視されているように見受けられた。そして最新の研究の知見がいろいろと取り入れられていて勉強になった。
ただ個人的には、以前の重厚感ある感じも好きだったが…。


posted by 進 敏朗 at 18:15| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。