2021年05月25日

水無瀬の滝


五月の心地よい天気の中。
大阪府島本町を訪ねた。
島本は京都府大山崎町に隣接していて、阪急の大山崎駅でおりると、水無瀬離宮はあちら、という道標が立っており、駅前の西国街道を大阪方面に歩くと、5分もしないうちに府境に出る。
DSC_9069 水無瀬川.jpg
水のある水無瀬川

水無瀬川は、その名が表すように下流部は、水が伏流して流れがないはずだが、2日前の大雨の影響で、この日は豊かな流れがある水有り川だった。
DSC_9083 水無瀬神宮の森.jpg
島のような水無瀬神宮の森

水無瀬神宮には平日ながら、ポリタンクに名水をくむ人がたえない。この日の島本来訪の目的は、後鳥羽上皇の水無瀬における滞在地の探索。
かつて水無瀬離宮だった神宮は桂川から近い低地にあり、船でのアクセスが便利だったとみられる。
船着き場もあったはずだが、それはどこだか分からない。川の地形も、800年前とは変わっている。

DSC_9088 森のまわりの湿地.jpg
森の周りの堀

神宮は濠に囲まれていたような感じで、低地の趣があった。
離宮はいちど、桂川の洪水を受け、その後は近くの高台に建て直された。それが承久の乱の5年前の1216年のことだったという。
その場所は、10年前くらいの調査で、大手製薬会社の研究棟が建っている高台のところから庭園跡が出てきた。
ちょうど水無瀬神宮からは真西の方向だった。

さて、そうした水無瀬離宮関係の施設を確認した後、滝に向かった。
五月の午後はさわやかで、少しだけ暑かった。
西国街道の水無瀬川の橋から、少し山崎方向に進んで、セブンイレブン前を山手に進む。

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滝へ誘う名神下のトンネル

住宅街の道を行くと、名神の下をくぐる道があった。名神の向こうが滝だった。

DSC_9157 名神高速.jpg
名神高速道路には島本町の看板が

DSC_9159 滝近づく.jpg
滝が近づいてきた

滝は、高低差は20メートルくらいだろうか。岩を削って見事な景観。

DSC_9165-水無瀬の滝.jpg
水無瀬の滝

これも2日前の大雨の影響で、天王山からの水量が多く、涼をさそった。
やっぱり滝は、水が多い時に見るに限る。
後鳥羽上皇や定家も訪れただろう。その時は静かな滝だっただろう。
西国街道の分岐から徒歩10分とアクセスもよくて、地元のシンボル的な景観ではないかと思われた。

DSC_9174 名神.jpg
滝のすぐ前は名神高速道路

すぐ脇が名神だったとは知らなかった。注意していれば、運転していても、左ルートの左車線からは一瞬、ちらっと見ることができるのではないだろうか。
だから通過車両の音も相当するので、音環境はあまりよろしくない。

少し暑い日.jpg
少し暑い日

こうして歩いてみると、後鳥羽上皇の鎌倉時代には存在していた街道や滝などがあって、高速道路から見るのとはまったく違った空気感があった。





posted by 進 敏朗 at 00:00| Comment(0) | 水辺を見る(滋賀以西) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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