2020年08月14日

海辺のお盆

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海のきらめき(13日撮影)

12日の昼ごろから帰省した。
新型コロナ対策のため、帰省をどうするかよく話し合ってと知事も呼びかけている。どうしようかと思ったが、車で行き来し、実家には戻らず、空家となっている祖母の家のほうで、墓のことやお盆のもろもろのため、三日間だけこの家の主となって、ひとりで過ごすことにする。

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空家にも届いたマスク

魚屋で魚を買ってからたどり着いた。
祖母の家には母がおり、窓をあけて、距離をたもった上マスクをして話す。

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小アジを開く

滞在日数は長くないし、お盆なので釣りはやらず、鮮魚店でアジを買った。
釣りのエサ代くらいのお金で買える。
スーパーで白イカの刺身も。イカは今年、やや高いみたい。
中くらいのは塩焼きに、小さいのは背開きにして干物をつくることにする。

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晩ごはん

昔の民宿のような晩ご飯となった。
ここには、いぎすが写っていないが、海藻を原料にした寒天状の健康食品、いぎすもスライス。

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海の様子

明けて13日。
曇ったり晴れたり、瞬間的に雨もぱらつく。
怠惰に午前9時起床。
コーヒーと白バラ牛乳を飲んだ後、裏庭の草取りをする。すぐに汗と息切れと腰だるさで、11時半の町歌が鳴るまでに、目標の7割くらいを刈った。まあまあだ。
とにかく、ふだん誰も住んでいないので、お化け屋敷にならないように気を付けないといけない。

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砂上に花咲く(ハマナデシコ)

そこから海パンに着替え、テレビをつけたまま歩いて浜に行く。
海水浴場は閉鎖されていて、人はほとんどいない。海水浴場がやっていても、人は少ない浜だ。
筆者は毎年、泳いでいるのはブイの外。
まずは足をひたし、徐々に腰まで、肩までと浸かる。いちばん緊張する瞬間だ。
今年の浜は浅くて、歩いたまま沖の沈みテトラのところまで行けた。

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ダンダラ(イシダイ幼魚)がいる

海藻がはえたブロックの上には、地元でダンダラと呼ぶイシダイ幼魚が何匹かいる。

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目が合う

好奇心が旺盛な魚で、こちらに近づいてくるやつがいる。
正面から見ると割と薄っぺらい。

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カゴカキダイ

チョウチョウウオの仲間、カゴカキダイもいる。
鮮やかさで日本海の磯では浮いた存在に見えるが、昔からこいつはいた。
単独で行動する魚のようだ。

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正面からみたカゴカキダイ

正面から見ると、黄色と黒の模様がひし形になっている。
鬼太郎のちゃんちゃんこを思わせる配色。

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日が差した海の色

最初は曇っててなんだか重たい色だった海に日が差して、明るい感じになった。
潮は西から東に流れていて、海に入った地点からだいぶ東に上陸した。

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海の色

自分の足を撮るとこんな感じでガラスの色を思わせる。
海に体を浸す体験。琵琶湖もいいが、波、潮、砂、、と、海はやっぱり違った場所だ。

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チヌ

こんどは突堤の先で泳いだ。
捨て石周りに20センチ級のチヌ。
水中眼鏡で見ると実物より大きく見えるが、となりのイシダイ幼魚の大きさからするとそんなものだろう。
波もあって、シュノーケルから入って来た海水を思わずごくり。
何回か潜水と浮上を繰り返して疲れたので、海から上がる。
浜から戻ったらまだ1時間ちょっとしかたっていない。
歩いてすぐ戻れるのだ。
玄関先のシャワーで砂を落としてから。家とブロック塀の狭い間を進み、勝手口から風呂場に直行だ。
開放的な昭和の住宅よ。

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青い海と赤い甍

昼寝してから、お盆行事に取りかかる。
まずは寺に行き、お供え物をする。父母がこの日までに供えていた花の水を換える。
高台の墓からは寺の三角屋根の向こうに青い海。

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おだんごづくり

そして家に戻り、おだんご作りをする。
買ってきただんごの粉(250グラム入り)を半分だけ使う。
あきれたことに、台所の棚を見ると過去3年分くらいのだんご粉が出てきた。いつも、その都度買うが、残った粉を捨てきれずに残していたのだ。

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なすときゅうりで動物もつくる

家から持参したなすと、買ったきゅうりで動物をつくる。
なすは牛、きゅうりは馬で、先祖を迎えるときは速い馬、送る時はゆっくりした牛で、との思いを込めているのという。
このだんごづくりや動物づくり、昨年この場所で、京都から帰省していた叔母から習ったのだった。

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夕暮れの町

さあだいぶ日も暮れてきた。
そろそろ、迎え火をたくのによい時間帯だ。

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折った苧殻に火をつける

玄関先に、苧殻(おがら)を折ったものを重ね、これに火をつける。

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迎え火

最初はなかなか燃えないが、温度が上昇してくると、一気に燃え広がった。
この火をみて、先祖が帰って来るのだという。
だからまあ、夕方までに海で泳いだりするのはセーフ、と思っている。

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浜の夕暮れ

浜に出て太陽が沈んでいくのを眺めた。
雲が赤く照らされて雄大な夕景。
先祖が帰って来たんだなと思わせるような。

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晴れ渡った大山

明けて15日、もう滞在の最終日。
大山が晴れ渡り、山の後ろ(南側)に雲が立ち上っている。
これは南風で、フェーン現象が起きているようだ。
こういう日の海は、風が強いがさざ波が立つだけで白波が立たない。

午前中はのんびりして、午後は洗濯や掃除、片付けに追われた。
店を回って、空家で使う新しいサンダルやスリッパ、ティッシュやキッチンペーパーなどを買う。
またいつ来ても、使える家にしときたい。

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アジの干物取り込み

アジの干物は、最初作ったやつが塩辛かったので、つぎはみりんをまぜて作った。
(しかし帰って食べたら、ちょっと干しすぎだったか身がパサパサしていた)
まだまだ経験不足。これから上手になりたい。



たいたご飯が1日以上もたって残ってしまった。
それらは橋の上から、川のコイにあげて処理するのだった。アジアの水辺よ。

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水平線がはっきり見える

風はけっこうあるのに白波が立たず、水平線がはっきり見える。
午後はゆっくりと過ぎていくが、やがて夕方近く、日が傾きかけ、出発の時間となる。
2泊の滞在は、あまりに短いものだった。
しぶしぶといった感じで、帰路につく。
だがまあ、今年の夏も、ここで過ごせてよかった。







posted by 進 敏朗 at 13:31| Comment(0) | 山陰往還記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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