2020年05月18日

降雨後の遡上検証

DSC_0311 捕れた魚.jpg
捕れた魚は9匹

野洲川は滋賀県の湖南地域住民にとって身近な川だが、魚捕りをしても、コアユがまったく捕れないか、ほとんど捕れない、なんてことも珍しくない。

今シーズンもやはり低調だ。
一体、いつになったら本格的な遡上が始まるのだろうか。
これを検証しようと、今回、朝から投網を持って川田大橋に出かけた。

国交省琵琶湖河川事務所の雨量計によると、15日深夜から17日未明にかけて降り続けた雨は48ミリに達し、川の水位が最大40センチくらい上昇した。

これはまとまった雨といえるだろう。
この雨を受けて、コアユの群れが遡上してくるのではないか。

ところで、鮎は1日でどれくらいの距離を遡上するのか。

ネットで調べると、だいたい3キロ前後という話があった。
1日かけて3キロしか進まない。1時間で、だいたい120メートル、意外なほどゆっくりとした歩みだ。
これが野洲川でも当てはまるとすれば、琵琶湖から約5キロ上流の川田大橋に到達するのは、増水が始まってから2日目となるのではないか。

これには合点がいくこともあって、過去のブログの記事を調べると、川にじゅうぶん水量があるのにまったく捕れないということがあった(2017年5月26日の記事参照)。

これを気象庁のデータに照らしてみると、そのとき滋賀県にまとまった雨が降ったの1日前の25日だった。
雨から1日後だったがために、遡上した鮎がまだ現地に達していなかった可能性もある。

そこで今回、雨による増水から2日たったこの朝、川で網を投げ、実際に遡上があるのかを検証しようとしたのだった。

もういちど琵琶湖河川事務所の1時間ごとの記録を見ると、雨が降り始めて川の水かさが増すまでにタイムラグがあって、増水がはっきりしてきたのは降り始めから約7時間後の16日朝6時以降で、夕方の4時ごろ水位がピークとなっている。

コアユがどのタイミングで遡上を決行するのかは不明だが、仮に16日朝に遡上が始まったとすれば、18日朝には、遡上の先発隊が現地にまで達しているだろう。前夜からこのようなことを思い描き、現地に着いた。

サアやるぞ、と、瀬に向かって網を打った。
まあ本日は30匹くらいでいいか、などと思いながら打った。
ところが意外なことに、ほとんどコアユ魚が捕れない。
招かざる魚が網に入る。網の中で手ごたえにいやな予感が。
産卵期のニゴイが、網に入って暴れ、尖った鼻先で網を破られ損耗。何ということだ。
さらには流路に沈んだ自転車に網が引っ掛かるなどのアクシデントも発生、腰まで入って網を外す羽目に。

そして結果が、冒頭の写真の9匹だった。
これらはいずれも琵琶湖から川に入ったばかりのようで、体はぴかぴかの銀白、腹の中にはほとんど何も入っていなかった。
遡上はあったようだ。
しかし、思い描いたよりも数がだいぶ少ない。
遡上の一隊がまだ来はじめたばかりという可能性もある。

そこで念のため、さらに下流の新庄大橋から川に入った。
そこは河口から3キロくらいの地点だ。遡上の本隊がまだこの辺にいるのではないかと思ったが、ニゴイかコイの立てる波紋のほかは、魚は見られなかった。

思い描いた仮説は打ち砕かれ、すごすごと引き上げた。


DSC_0313 あめだき.jpg
9匹の飴炊き

今回の雨で遡上はあったが、数がごく少なかったと考えざるをえない。

よくニュースで5月ごろ、鮎が遡上のピークというのがやっている。
だから野洲川でもそうなるかと思ったが、そうはなってない。

違いを考えると、ニュースでやっているのは海産の鮎。コアユと海産鮎には生態の違いがあるといわれるが、コアユの場合、遡上のピークはもっと遅いのかもしれない。

しかし過去の記録を見ると、この野洲川で5月下旬に60匹以上捕れたこともあった(2015年5月25日の記事参照)。
年によって変動があるのかもしれない。

5月としては最大級ともいえる今回の雨で、これくらいしか捕れなかったとすると、5月の野洲川は不確実だと言わざるをえない。
ましてやニゴイもいて、網が破れるデメリットもある。
コアユの魚影の濃い川では、ニゴイのいそうな深みは避けて浅い瀬だけを狙うこともできるが、魚影が薄い野洲川では、浅瀬ではあまり捕れないため、やや深い瀬で勝負をかけ、その結果招かざるニゴイを捕ってしまうなんてことに。
野洲川、ニゴイの魚影だけは濃いからね。

したがって、野洲川でコアユを捕るには、ニゴイの産卵が終わって川からいなくなる6月を待ったほうが賢明かもしれない。こう思いたくなる。


posted by 進 敏朗 at 23:50| Comment(0) | 漁撈活動記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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