2019年12月10日

北勢パークアンドライド周遊(上)

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カーブの向こうから電車が現れた(午前9時47分ごろ)

名神の八日市インターから八風街道を行き、滋賀・三重県境の石槫(いしぐれ)トンネルを抜け、三重県の北勢地方に出る。午前9時すぎ通過したトンネル手前の気温は5度。紅葉はさすがにシーズンをが終わっていたが朝日を浴びた鈴鹿山系がきれいだった。

9時40分ごろ、三岐鉄道北勢線の始発からふた駅目、麻生田(おうだ)駅に着。
無料の駐車場に停める。

今回の目的は北勢線に乗ることだった。
調べたら同線では各駅に無料駐車場が設けられていた。
これを利用してのパークアンドライド行を思いついたのだった。

こういう場合、始発駅の阿下喜(あげき)から乗るのがきれいだと思うけど、駅横の踏切に風情を感じて麻生田から乗ってみることにした。
ホーム横の踏切の情景も良いから、同駅に電車が到来する様子を見たくもあった。

何年か前までは近鉄の支線だったためか、ローカル線ながら自動改札機。
終点の西桑名まで490円。

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ちいさな車両

停車と同時にがーっと開扉。
北勢線は軽便鉄道で、車両は、筆者がふだん見知ったJRのよりもだいぶ小さい。扉に頭がつかえそうだ。
停車はごく短く、わずか10秒で発車。こうした工夫で所要時間の短縮をはかっているようだった。

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林間をゆく

軽便鉄道なのでスピードは出ない。
車両は割と新しいが、がたがた揺れて、モーター音もうなり、がんばって走っている感。
カーブのところでは止るんじゃないかというくらい注意深く徐行する。
でも、景色を見るには最適だ。

見晴らしのいい高台の上を走っていて、田んぼ越しに藤原岳等の眺めが良い。
また、ゆっくり走るから、民家の庭の造作などの観察も興味深い。
車窓の風景は、伝統家屋の集落から、ハウスメーカーの住宅になり、工場も現れ、と次第に市街地に近づいていく。

西桑名に着くまでの11駅で、客が乗り込み、平日の午前中ながら1両に10人以上の乗客がいて、立っている人もいた。

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終点の西桑名に着いた

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西桑名駅の改札と電車

約40分の電車の旅。
軽便鉄道は、電車に乗っている感がひときわ強く感じられ、すっかり満足。
などと余韻に浸っていたら「カメラ忘れてますよ」、と対面の乗客男性から声を掛けられる。リュックに入れず座席に置いたままにしていた。またこうした不注意による失態をおかし危ないところだった。

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駅を出たところ

駅を出ると、バスターミナルがあり、上の写真では右奥のほうに進むとすぐそこにJRと近鉄の桑名駅がある。
桑名に降り立ったのは初めて。
人通りも割とある。

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船が止まっている濠

とりあえず桑名城址を目指す。
歩くことおよそ15分。
城の濠の静かな水に、船舶が止まっている。
うーん、海べり・河口の町だ。

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いろいろな橋

欄干に波模様などのデザインや、朱色の橋、コンクリート橋など、いろんな趣向の橋が濠ぞいに掛かっている。
濠の中ではボラの子の群れが波紋を立てる。

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魚をくわえるカワウ

とそこに降り立った黒い大きな鳥。カワウだった。
以前、鈴鹿市の白子港でも見かけたが。このあたりのカワウは、知多半島に一大コロニーがあるというが。そこから来ているのか。
カワウ、水中に潜って、魚を追い回す様子が橋の上から観察できる。
見ていると水中を右や左、あるいは円を描くように泳ぎ回って、浮上したと思ったらくちばしの先に魚をくわえている。


ボラみたいなやつはスピードもそれほどではないと見えて、なすすべもなく食われまくっていた。
泳ぐのが早い琵琶湖の鮎さえ、食われまくられて被害が出ているからカワウ恐るべしだ。

DSC_9635 桑名城跡案内図.jpg
桑名城址の説明板

濠で取り囲まれた桑名城の案内があった。
東海道「七里の渡し」の渡し場がすぐ脇にあり、海上交通を見張るかのような場所に立っている。
現在は公園となっていて、無料で入場。

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濠と松、紅葉

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集められた落ち葉と猫

遅い紅葉がまだ残っていて、松の緑とコントラストを成している。
落ち葉も集められて冬支度のようだった。

DSC_9646 ハシビロガモつが.jpg
ハシビロガモのつがい

カモが飛来していた。ここのカモは、餌付けでもされているのか、近づいても逃げない。
くちばしがへらのように幅広いハシビロガモのつがいが見られた。

DSC_9655 ボラもいて.jpg
ボラもいて

大きなボラも、コイといっしょに泳いでいた。福井県の小浜漁港で見たボラは、10メートル以内に近寄ろうとすると逃げたのに、このボラは逃げない。

DSC_9668 揖斐川や長良川河.jpg
長良川河口堰

城跡を出て、「七里の渡し」跡に向かう途中、広い河原に出ると、見えてきたのは長良川河口堰だった。
そこは近代土木工学の世界だった。

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七里の渡し跡。奥の建物は蟠龍櫓

江戸時代の東海道の海上ルート区間の船着き場「七里の渡し」跡は、揖斐川の堤防に囲まれていて、往時の姿を想像するのは難しかった。

でも、水がある分だけ、完全に陸地化している琵琶湖の「矢橋の帰帆」の船着き場跡よりは、当時の姿に近いのかもしれない。
海抜がほとんどない大河川の河口付近だけに、江戸時代のような堤防なしの陸地のままでは、巨大台風が毎年のように襲う21世紀のこんににち、安全面で問題が大ありだろう。
江戸時代は、その辺の水害は大丈夫だったんだろうか? 

DSC_9672 櫓の誘い.jpg
櫓の誘い

渡し場の隣では、蟠龍櫓(ばんりゅうやぐら)の扉が開いて、来訪者を招いているようだ。
コンクリート製の水門管理施設だ。
もともと江戸時代に櫓が立っていて、船で行きかう旅人のランドマークだったという。
その眺望はいかに…と登ってみたが、ガラス越しには長良川河口堰が見えていた。(つづく)

posted by 進 敏朗 at 21:25| Comment(0) | 水辺を見る(滋賀以東) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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