増水した山道
台風接近のため、日程を変更しての大津市南部での野営会。
買い出しの店では連休のレジャーを当て込んで仕入れたとおぼしき大量の牛肉が、半値でバーゲンセール。
天候はなんともしがたく、大量の売れ残りに気の毒な気もするが。関西では当初、台風の直撃も予想されたがコースが東にそれ、雨は13日未明には止み、水害には至らなかっただけでもましか。長野や関東東北では大規模な水害となった。
テントや寝袋、食料品をもち、沢をわたって野営地を目指す。京都や、舞鶴からも参加者があって総勢5人。
八宝茶
野営地に着き、テントを設営。
いびきをかく筆者はいちばん奥で、いびきの音により就寝時の獣の近寄りを防ぐ担当? となる。
火をおこし、中国西域の茶であるという八宝茶をいただく。ナツメやクコなどの乾燥果物が入っているほか、砂糖が入っていて甘い。
紫色のキノコ
雨の後であるせいか、いろいろなキノコが見られる。
紫色をしたエノキダケのような形のキノコが、砂利の上に群生していた。現地では電波がつながらないためネットの検索もできないが、帰宅後にしらべたらウラムラサキというらしい。食べられないことはないという。
リベットのようなキノコ
また、松の木の根元には、直径10センチほどの錆びたリベットのような形、質感のキノコが数個生えている。
昨秋野営した人は、前回もこれを見たという。
松の根元だからマツタケ、だったらよかったが、これは調べたら、コツブタケというキノコが最も近いように思われた。
中を割ったら、たくさんの小さい粒からできているのですぐにわかるということだ。割ってはいない。このキノコは、菌糸が樹木の根に結びついており、木から養分をもらうかわりに、木が必要とする養分を提供し、お互いの生育にとってプラスとなる共生菌なのだという。
沢から水をくむ
洗い場をつくるために、スコップで砂河原を掘削、流路のバイパスをつくる。
巨大な砂遊び。
水をくんで調理。
薪は、落ちている松葉や枯れ枝を使うが、雨を受けて湿っていても、温度が上がれば意外に、燃えるのだった。
ごはん、鳥ミンチとすり身、野菜による汁が主なメニュー。
持参したジャガイモを焼いたものが好評だった。
満月
夜は雲が切れて満月が出た。
見事な満月だなあ、と思ってい見ていたが、イスラム教徒であるカザフスタンからの参加者は、満月に不吉なものを感じるのだという。
なぜ不吉に感じるのかを聞くと、満月は「終わり」という感じがするという。三日月のほうがいいのだという。
満ちた月は、やがて欠けていき新月となっていく。それが不吉なのか。
筆者も、南中した太陽をみると、とくに日の短い秋から冬にかけては、ああ後は午後になって夕方になるのか、1日も終わるなあという思いを、南中した太陽をみて抱くことがあるが、それに近い感覚だろうかとも類推した。
冷え込みは強くなく、寝袋で、比較的快適に寝る。
悲鳴にも似たシカの鳴き声がする。
ガスが垂れ込める
2日目は、未明に降雨がありテントを打つ。
明けてからは、上の写真のようにガスも垂れ込め異界の趣も。
日差しがのぞめたのは1日目の到着直後のわずかな時間だった。
ときおり小雨がぱらつくが、この日は、合羽を新調していたため、降雨もへっちゃらだった。
6月に鈴鹿山系に登山の折、経年劣化した合羽が機能を果たさず「ボチョボチョに」なり、そのあげく下山後、震えが止まらない低体温症を招いたのを反省してのことだった。
これで来季の魚捕りも快適にいけるだろう。
水晶入りの石
河原に転がっている石をよりわけて、きれいな石を拾う。
とくに何というでもない時間を過ごす。静かだ。いろいろな鳥の鳴き声がする。
昼、汁の残りやごはんを食べ、テントを畳み撤収する。
跡に物を残さないとという、徹底した野営だった。
荷物を背負っての山行により終わって数日は、両脚の筋肉痛、そして杖を忘れたことにより、降りるときに何度が岩へと飛び降りた足へのショック感が残る。運動不足を痛感するとともに山に行くときには杖はないといけないなあと理解した。