2019年05月26日

トンボ池

DSC_9138.JPG
京都御苑のトンボ池(午後2時ごろ)

京都御苑のトンボ池が公開されているというので見に行った。
トンボ池は御苑南東の丸太町通に近い場所にあった。

DSC_9112.JPG
池へのゲート

このような池があることを知らなかった。
京都は先日が34.2度、この日も33度を超す5月としては記録的な猛暑。
だけど湿度は低めで、木陰に入るとだいぶ涼しさを感じた。

DSC_9119.JPG
循環水と、地下水も混ぜているという流れ込み

池は一辺が20メートルくらい(目視)で全体に浅い。
西半分は植物に覆われている。
上の写真のように、管から勢いよく水が流れ込んでいて、これが池を巨大な淀みと化するのを防いでいる。
勢いよく出ている水は、循環式で、地下からくみ上げた水も混ぜているという。

DSC_9126.JPG
ハンゲショウ

広い葉っぱの植物はハンゲショウということで、湿地に育つ。
背の高い細い葉っぱはガマ。
これらは植えたものではなくて、自然にまかせているうちに生えてきたのだという。

細くて水色などの色をしたイトトンボも飛んでいる(技術的に撮影できず)。

DSC_9129.JPG
モリアオガエルの卵

そして池の上に伸びた枝には、モリアオガエルの卵があった。

DSC_9123.JPG
モリアオガエル

モリアオガエル、見学者の注目が集まっているので、それは草の中にいることが知れた。
黄緑色で、滑らかな質感の皮膚。まるで草餅のよう。いつまでも草の上の同じ場所にじっとしている。

モリアオガエルがこんな街の中にいるとは思わなかった。
係員の人に聞くと、モリアオガエルは、産卵の時には池に集まってくるが、それ以外の時期は、森の中で過ごしているという。案外、水辺から離れた環境を好むのだそうだ。

平地田んぼ地域に育った筆者としては、身近なカエルとしては、トノサマガエル、ツチガエル、アマガエル。
自宅のメダカ池は、ツチガエルが優勢となってきて、夜、ディーゼルエンジンのような鳴き声に悩まされる。
しかし、モリアオガエルの鳴き声はそこまで油感はなくて快適とさえいえる。


DSC_9140.JPG
トンボ池の説明

このトンボ池は、もとは苗木を育てる場所だったのが、今から25年前に防水シートを敷いて池としたのだそうだ。
人為的に動植物を持ち込まず自然にまかせて、生えてくる植物や入り込んでくる動物、昆虫を観察しているという。
するとこのようにモリアオガエルや、何種類かのイトトンボが見られるようになった。

魚ではドジョウ、モツゴがいるとのこと。そして案内看板では、メダカも生息しているらしいが、水面を眺めて魚は見られなかった。
これだけの規模の池で、魚が見られない池というのは意外な感がする。

池の主役は魚、と思っている筆者のような人間にとっては、魚の見られない池はまるで、具があって麺がないラーメンのように思われた。
しかしそれは池というものをせまくとらえた見方なのかもしれない。

DSC_9139.JPG
池の生物の説明版

京のまちなかにたたずむ本格ビオトープ、トンボ池。
貴重植物を守るという理由で公開は年数日に限られている。
水草の生え方なども年によって変わるのだそうで、長期にわたる生態の変化が観察できる。
公開日が少ないが、日が合えばまた訪れてみたい。













posted by 進 敏朗 at 00:00| Comment(0) | 水辺を見る(滋賀以西) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。