2019年03月03日

夜久野溶岩台地行(上)

DSCN9935.JPG
台地の崖面を登る旧山陰街道

京都府の丹波地方、福知山市夜久野町に同府では唯一の火山があって、溶岩台地が広がっているという。
近畿地方には火山地形は少なくて、この夜久野が原へ、水辺活動の本格化する前のシーズンに見に行った。
滋賀県南部から京都市内経由、片道130キロ、沓掛から山陰自動車道、国道9号線経由。

福知山市街を抜け9号線を西進。
進行方向左手に牧川、その向こうを山陰本線が並走する。
同市夜久野町高内で、山陰本線はとつじょ9号線をまたぎ右にカーブしていく。夜久野の溶岩台地がはじまり、線路は台地をのぼらず崖面に沿って進む。

冒頭の写真は、山陰本線が9号線の上をまたぐ地点から北に約100メートル。そこで車を止めると、気になる坂道があり、同行の友人Sは、古い地図に道が記載され、敷石のある立派なつくりであることから、これが山陰街道の旧道ではないかという。

DSCN9939.JPG
特急電車ゆく

車を離れ歩いていく。
坂道は警報装置のない踏切を越え、さらに台地の崖をのぼっていく。

DSCN9941.JPG
溶岩発見

すると、穴だらけの赤茶色をした石が落ちている。
これは溶岩でしょう。
まだ熱いうちに、揮発成分が内部から抜けた跡とみられる。
さっそく火山の手がかり発見だ。
これも見つけたのはS氏。

山陰街道といい溶岩といい、見つけているのは我ばかりではないか、といわれる。
きっとぼさーっとしている筆者への励ましであろう。観察眼にすぐれた同行者はフィールド探索にはありがたいものだ。

DSCN9951.JPG
台地の上

平らな台地の上に出た。畑や牧場が広がっている。
土が黒くて、これもクロボクと呼ばれる火山性土壌のようだ。
クロボクは酸性がつよくてあまり農業に適さないとされてきた。近年ではアルカリ分を混ぜ土壌をを改良、広大な畑地に生まれ変わった。
道の駅では高原野菜が売られていた。

DSCN9963.JPG
国道9号線の切通し

山陰本線が台地を迂回するのとは対照的に、9号線は台地を切り開いてまっすぐ西へと坂を上る。
地図をみると台地の下の高内では104.3メートルで、切通しがおわる約1キロ先の小倉では170メートルくらいだった。
車だとそれほどの勾配ではないが、汽車ではしんどいだろう。というわけで山陰本線は上夜久野まで、台地のエッジをなぞりながら進む。



DSCN9977.JPG
台地を下から見る

いったん台地を降りて、河原と、いちだん高い田んぼ、さらに台地を見る。
田んぼに対する台地の高さは40〜50メートルくらい。
台地の崖の中ほどを山陰本線が走る。
この台地がぜんぶ流れてきた溶岩が固まってできたものだとは。
あるとき、大地の裂け目ができて、温度1200度の大量の溶岩がどーっと流れてくる。
そんな光景がこの野原から想像できるだろうか。

その範囲は東西4.5キロ、南北1.5キロ、厚さは厚いところで100メートルくらいに達しているという。
ハワイの火山の映像を見ることがあるが、ああした感じで迫ってきたのだろうか。
まさにディザスター、周囲一帯の生物死滅、すごいことだったろう。

DSCN9978.JPG
府道沿いに柱状節理出現

高内から府道56号線を北上するとほどなく、右手に玄武岩の柱状節理が出現。
これは、台地とは谷をはさんだ対岸の地山のふもとにあるから、溶岩はもともと、谷を完全に埋めていたんだなということがわかる。
そうすると行き場を失った谷水は、ダム湖のような湖となっていたのかもしれない。溶岩でせきとめられたら、熱い湖、なんてことも?

DSCN9987.JPG
平らな石を利用した玄関アプローチ

石材に恵まれた土地柄とあって、あたりの民家は立派な石垣で囲まれている。
平らに切れる性質があるのか、玄関へと上がる坂道が、平らな石で敷き詰められているのに見入る。

DSCN0006.JPG
台地のエッジ

上夜久野駅の東側から台地を川がなだらかに削り取った地形を見入る。
線路は右側の棚田の右方にあって、あえぎながら約2キロで20メートルくらい登ってきた。
いまは電車だから、あえぐわけはないか。

DSCN9993.JPG
上夜久野駅

山陰本線京都府最西端の上夜久野駅は、溶岩台地の北端を掘り込んだか谷を埋めたような感じで、こじんまりとたたずむ。
北側に駅口があって、牧川上流の村々からの利用が便利だ。

DSCN0016.JPG
駅の向こうがトンネル入り口

駅のすぐ西は、台地と貫く長さ約1.5キロの夜久野トンネルとなっている。

DSCN9990.JPG
夜久野トンネル入り口

トンネルは、電化された際に新トンネルが掘られ、ふたつの穴が隣り合っている。
長さ約1.5キロのトンネルの向こうは兵庫県だ。溶岩台地はちょうど、京都・兵庫の府県境の谷を、まるでマヨネーズをぶちまけたように横たわる。
ここは古代から、丹波と但馬の国境でもあった。

DSCN0018.JPG
京都府唯一の火山といわれる宝山。西半分は兵庫県

サアそして、きょうのメーン目的地、宝山(349メートル)が見えてきた。
これが京都府唯一の火山といわれる宝山。

裾野には平たい溶岩台地が広がっていて、ここを舞台に応仁の乱に絡む合戦も。

宝山をみると頂上がふたつあるように見えるが、噴火口の一部が欠けて、手前側にかけて谷となっているのだった。
ふもとの標高は200メートルくらいあるので、たかだか150メートルを登るにすぎない。
適度な低山だ。
(続く)
































posted by 進 敏朗 at 10:59| Comment(0) | 低山めぐり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。