山科駅ホームから北のほうを見る
滋賀県から京都に行く手前に山科がある。
京都市だが京都盆地ではなく、別の川筋に広がる小盆地。
大津駅付近から車窓を見ると、北側に琵琶湖が広がっているのに対して、山科は北が山となっている。
冬場は、滋賀県は曇っていたりしても、山科に入った途端に晴れていた、なんてことも珍しくない。
山科疎水。東側をみる
山科駅で下車、線路をくぐり毘沙門堂への一本道を北上すると、疏水の橋がある。
コンクリ底の水路はゆるやかなカーブを描き、水は少しだけ流れている。
谷川
毘沙門堂に入る石橋の川。
毘沙門堂の石段
まるで山科盆地を見下ろす要塞のような立地の毘沙門堂。ひろい高台があって境内となっていた。
庭園の心字池
池泉回遊式の庭園(有料)の心字池は、山からの水を引いている。
お堂の左奥に滝がこしらえてあった。
水が絶えず供給されるから、池の底は泥底で浅くなっているのに水は澄んでいる。
夏に来たら、サルスベリが水面に映えてきれいだという。
山科疎水の説明版
さて、山科駅へ戻る途中、もういちど疏水をみる。
大文字山(465メートル)から山科盆地へと南下する安祥寺川が、山科疎水と交差する地点があるが、どう交わっているのかが見たかった。
安祥寺川(手前)の上を横切る疏水(前方が南)
それは上の写真のように、川の上を疏水が横切っていたのだった。
琵琶湖の水面が海抜86メートルで、京都の銀閣寺道交差点が、国土地理院の地形図によれば76メートル。
琵琶湖の水を京都に通す疏水は、なだらかな勾配で東から西へとつながっている。
地図の等高線をみると山科のあたりでは標高80メートルと90メートルの間をとおっている。
安祥寺川の人工三段滝
安祥寺川の流路も、疏水建設に際して人工的に変更されたようだ。
交わる地点のすぐ上流に上の写真のような三段滝があった。
かなりの時間が経過して、川幅の中央のほうがへこんでいい感じになっている。
このくらいの規模の山からはこれくらいの川の流れができるのかと妙に納得した。
ほどほどに水量がある。
ゆるやかなS字カーブを描く疏水
山が突き出した地形に沿って、疏水はゆるやかなカーブを描いている。いい感じのS字だ。
今回は山科の疏水を初めて見た機会だった。