2018年11月27日

葛の籠づくり

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晩秋の野洲川(午前8時40分ごろ)

すっかり秋の暮れとなったがまだ今年は温かい。

鮎のシーズンが終わると、すっかり川からは足が遠のいてしまう。
このオフシーズン、川の自然で何かできないかというと、蔓を使っての蔓細工があった。

河原にはいろんな蔓草が生えていて、それらを採集、編んで、かごを作るのだ。

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最もよくみられる蔓草がこの、葛(くず)だ。エダマメを巨大化したような葉が、河原一面にはびこっていて、これの蔓を利用して籠を作ろうとした。

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何メートルものびる良材

河川敷は一面葛だらけだけど、良材を得るにはそれなりに苦労があった。

やっぱり、いい籠を作ろうと思ったら、なるべく太さが均一で、まっすぐで、節目の間がなるべく長くて弾力に富む、そんな良材を求めたいものだ。

ところが、それがどんな場所に生えているのかを見極めることができず、最初のうちはがむしゃらに蔓を引き抜くだけだった。

だんだんやっていくうちに、大きな誤りに気がついた。

最初は、葛の蔓をただ上から力任せに引っ張っているだけだったが、それではだめで、葛は、絡み合ったなかから根っこの部分を探し、根元を切って、そこから引っ張るべきなのだった。 そうすると上の写真のように、地面に沿って何メートルも這った長い蔓が得られるのだった。

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川への階段を発掘

蔓は長さ何メートルもあって、伐採していくうちにだんだんと下の地面があらわになってきて、何と、河原へ降りる階段があったことに初めて気づいた。夏のシーズンに、何度となく通った場所なのに、階段があることにまったく気づかなかった。この階段がある場所より約30メートルほど上流に、けものみちのように草が踏み分けられた細い道があって、いつもはそこから降りていた。でもせっかくこんな階段があるのだったら、これからは、この階段を利用することにしたい。階段は、蔓さえ取れば、しっかりと固められているので、草がはびこることはなく足場も良いのだった。

さて集めてきた葛の蔓。

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4本ずつたばねて十字型に。

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細いカラスウリの蔓でぐるぐるやる

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蔓を巻きながら、束ねたやつを広げていく

このようにしてスタート。柱材となる葛の蔓はなるべくじょうぶなやつを使い、束ねたやつを広げていったところから、細い蔓から順に巻いていった。

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1時間ほどしたところ

ところがここで、ちょっとした間違いが気にかかるようになってきた。
4本と4本、計8本の柱を結わえて、傘の骨のように放射線状に広げて、ぐるぐると蔓を巻いていくんだけど、そうして編むと、蔓が1周したところで、偶数だから、上下上下上下、と編んでいって、2周目も1周目と同じ、上下上下上下、となってしまって、編み目が交互にならない。そのへんは適当に、巻いたりしてごまかしていたが、それでいいのだろうかという思いが沸き起こり、強まっていった。

そして翌日、考え直してここまで編んだものをほどいてやり直すことにした。


DSCN0009 もっかいやり直す.jpg
結わえなおし、柱の数を片側1本切って奇数にする

DSCN0010 美しく編めた.jpg
するときれいに網目ができる。

DSCN0012 完成.jpg
完成

このようにして直径約50センチの籠ができたが、こうやって籠にしてみるとけっこう重量があって、用途に困ることに気づいた。
また、籠としては浅くて、もうちょっと深くなるよう編んでいくときに形状に気を付ければよかった。


DSCN0014 飾りとした.jpg

とりあえず上の写真のように、井戸ポンプを土壁の小屋風にしたものにかぶせて「屋根」がわりとした。
もちろん見た目が屋根のように見えるだけで、雨を通すために屋根の機能はない。土壁も、1年間雨にさらされてだいぶ崩れてきたので、そろそろ本格的な屋根をつくりたい。












posted by 進 敏朗 at 19:07| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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