2018年09月23日

タニガワナマズ

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タニガワナマズ

東海地方の川の中流にすみ、新種と確認されたタニガワナマズを琵琶湖博物館で見た。

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これはナマズ

その見た目は、ナマズとほとんど違いはなかった。琵琶湖博物館が保管している過去の標本では、三重県の川などで採取したナマズの標本があって、あらためて見ると新種だとわかりラベルを「タニガワナマズ」と書き直したやつも展示されていたくらいだった。

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違いが説明されていた

ナマズとの外見の違いは、腹が白くなくて黒いこと、体の形が細長くて、頭も小さめなことだ。
これだけだったら、別に、ナマズのちょっと細くて腹が黒いタイプだということですむんじゃないかと思うが、遺伝子が少し違うんだという。



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ビワコオオナマズの小さいやつを初めて見る機会に

DNAの調査は進歩していて、タニガワナマズは、ナマズとは900万年前に分岐したという。ビワコオオナマズとは1300万年前に分岐していて、まだら模様がないとか、頭が平たいとか、他のナマズとは違いがわかりやすかった。

タニガワナマズにはもっと近縁の種類があって、それは琵琶湖にすんでいるイワトコナマズだった。

タニガワナマズとイワトコナマズの違いは、イワトコナマズが両目の位置が体の外側に出ているところくらいで、あとはほとんど同じといってもいいくくらいだった。

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日本産ナマズたちの近縁関係を説明する展示

両者が分岐したのは120万年前という。その時代は鈴鹿山脈がなく、とうぜん、そこにいるナマズは滋賀県とか三重県の区別もなく、泳ぎ回っていた。

ところが鈴鹿山脈が隆起する一方、現在の琵琶湖は40万年前からいまの形になったといわれる。というわけで、東側の川に残ったやつはタニガワナマズに、琵琶湖に適応したやつはイワトコナマズになった、というストーリーが考えられる。

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谷川にすんでいるというタニガワナマズの生態

どちらにも共通するのは、岩場が好きという習性。ナマズって、うろこがなくてぬるぬるしているし、泥底が似合うんじゃないかと思っていたが、そのイメージは裏切られた。


しかし驚いたのは、ナマズといえば、川にはあのナマズ1種類しかおらず、あとは琵琶湖に特有の進化をとげたナマズが2種類ある、このように思っていたが、じつは日本の川にはもともと、ナマズとタニガワナマズ(の祖先)の2種類のナマズがいたというところだ。もしかしたらビワコオオナマズの祖先も川を泳いでいたのかもしれず、そうなると3種類のナマズがもともと川を泳いでいたということになる。

タニガワナマズの生息場所は限られているという。すでに、ネットで売買されているなどの情報もある。コアユとか、毎年たくさんあがってくる魚は適度に捕ったらいいと思うが、珍しいやつとか少ないやつは捕らずに、そっとしておきたい。

posted by 進 敏朗 at 10:08| Comment(0) | 漁撈活動記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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