2018年03月12日

うみのこ

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大津港に前日引退セレモニーのあった学習船「うみのこ」が停泊していた。

昨日の午後、大勢の人に見送られて港を後にしたが、セレモニーの後で戻って来たようだった。

ここが停泊港なので、それもそうか。すぐに解体のドックに送られるわけではなかった。造船所のドックには今、2代目の「うみのこ」が建造中で、それが出てくるまで停泊しているのだろうか。

1983年に就航し、35年で50万人以上の児童が乗船したという「うみのこ」。
滋賀県では小学5年生になると、この「うみのこ」に乗船して1泊するのだった。うちの子供は3人ともお世話になった。毎回冬の時期だった。筆者は鳥取県出身のため乗船体験はない。年齢的にも、筆者が小5の時にはまだ「うみのこ」は就航していなかった。「うみのこ」に乗船したことがあるかどうかで、滋賀県出身の人は年代に線引きがされるという話を聞いた。

目の前の船は、エンジンもかかっていて、まだまだやれそうだった。
あと2か月したら、2代目「うみのこ」がここに係留しており、この目の前の船はドックで解体されるだろう。まったく信じられない感じだ。

車を廃車したときの気持ちがよみがえる。まだまだ走れた車を、部品交換の費用がかさむから、危険な故障が発生しないうちに、と更新した。ディーラーに引き取ってもらったときの惜別の情が浮かぶ。

目の前の「うみのこ」はもう、子どもを乗せて琵琶湖を行くことはない。思い出を秘めながら、解体されるのを静かに待っている。あと2か月。短い余生だ。このまま港に係留して記念館に、という案もあったそうだが、維持するのに多額のお金が掛かるため解体やむなしとなったという。

長年の疲れから解放された船に、春の日差しが降り注いでいた。

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カンムリカイツブリ









posted by 進 敏朗 at 22:47| Comment(0) | 琵琶湖・内湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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