
朝の穏やかな三方湖(午前9時10分ごろ)
7時ちょうどに出、左京に7時半着。S氏を拾い、三方五湖を目指す。大原途中、鯖街道経由でちょうど1時間半、三方湖(みかたこ)を望む鳥浜地区に着く。

堀切
三方湖の東岸を北上し、広場に車を停め、長靴にはきかえる。
雪があるかもしれないとの指摘から、新たに購入した北海道のメーカー品だ。5000円くらいしたが、これまで買ってはすぐに破けていた、ホームセンター品とは足へのフィット感やしっかり感がまったく違う。
ただ防寒仕様ではないので、靴下を二重にはいた上、足底にカイロを装着し、歩いていく。
堀切につく。三方湖と菅湖(すがこ)をつないでいる。幅、4メートルくらい、深さは、埋まってしまったのか底が見えていて30センチくらいしかないように見える。

ハシビロガモやオオバン
菅湖には鳥類が多く、近づくと、岸近くの湖岸からカモ類が沖へと泳いでいく。
さて今回は、三方湖と水月湖(すいげつこ)を隔てている細長い岬を歩こうとやって来た。
梅園への有害鳥獣の侵入を防ぐ目的で、柵がめぐらされている。柵の鍵は開くことができるが、開けたあと、閉めることをせずに中に入る不届き者がいるという。せっかくの柵が台無しだ。開けたら、ちゃんと閉めることを心に刻み、慎重にフェンスから入る。午前10時。登りの道が始まっている。

幅の広い道
登山道は広く、幅3メートルはあろうかというならされた道が続く。
水路沿いに北向きに登り道があり、西に折れたあと、まず52メートルのピークに登る。いったん休憩。
そこから、いったん下がって、また上りがあり、水月湖と菅湖を隔てる岬が北に延びる「Y」字形をした分岐点のピークに至り休憩。
両側は木で、梅林が山頂近くまで植えられていたと思しき場所も。今は稼働していない荷運び用のレールが錆びている。
道はほぼまっすぐで歩きやすい。
獣が歩いた跡が一貫してついている。S氏が前方に、大型獣を認める。言われて、そちらの方に目をやると、獣は北側尾根を走って下っていき、正面衝突とはならなかった。イノシシのようだった。
イノシシは泳げるから、柵で岬の入り口を遮断しても、湖を泳いで上陸できるようだった。
また道中にはシカのふんもあり、さらには猿も友人が目撃。
熊がいたらどうしよう、と話し合ったが熊には遭わなかった。だが獣が多い山のようだった。

水月湖の眺め
先端にいたるちょっと手前で、林が切れ、北方の水月湖が見られる場所があった。
レインボーラインの休憩所がある梅丈岳(396メートル)が正面やや左に見え、なかなかの眺めだ。背後には、三方湖が広がっているのだが、そちらは木立で見えない。
![20180224_111344_HDR[1] 登.jpg](https://iwashin.up.seesaa.net/image/20180224_111344_HDR5B15DE38080E799BB-thumbnail2.jpg)
岬のピーク
このへんで午前11時半を知らせるポール・モーリア「恋はみずいろ」鳴る。
それは米原市の天野川沿いで聞いた同曲とは演奏が違い、チャラララララ、チャラララララという伴奏もしっかり入って演奏時間も長いフルバージョンの電子音。
演奏はちがえど、「恋はみずいろ」が、各地の里で大きな支持を得ているようだった。
水月湖眺望地点からほどなく、午前11時半すぎ、先端近くの標高100.5メートルのピークに着いた。
10センチ程度の雪が残っている。かき氷状になっていてサクサクと音がする。
長靴が威力を発揮した。
この岬を下りると、対岸まで約50メートルの「瀬戸」があるのだが、半分くらいまで下り、そこから先は急坂になっていて、引き返す。木立のため、せっかくの水道の様子はよく見えなかった。
下りる途中、北西の風が強まり、とつぜんの嵐が襲う。友人が「財布がない」と、引き返し、山の上にスタンドアローン。登るときは、穏やかだったのに、天気が急変。
財布は結局「かばんに入っていた」。ということで出発。
下りてから、里海研究所で、「あの岬は何と呼ぶのですか」と尋ねたところ、元町職員のスタッフの方から「長尾」とうかがった。
長尾にある先端の山は、何といいますか、と聞いてみたが、全体が長尾なので何山とかいう名前は聞きませんねえ、ということだった。
長尾での梅園は、1981(昭和56)年の構造改善事業で拡大されたのだという。三方五湖沿岸での梅栽培の歴史自体はもっと古いが、その時期に規模が拡大したのだという。山でみたレールも、その時に敷設されたものと思われた。
農業の基盤整備をしっかり進めて生産量アップ、農業者の収入増となり、農村が豊かになる、と目指された構造改善事業。
だがしかし、山の斜面での梅栽培、しかも季節風がまともに当たる北斜面などはちょっと木が育つ環境としても、作業環境としても厳しかったのではと想像された。現在も、梅栽培が続けられている場所は海抜ゼロメートルの凍結しにくい湖岸すれすれの低い土地とか、車が横づけできる場所とか、季節風の影響をうけにくい南斜面とか、作業的にも栽培条件的にも恵まれた場所のようだ。
勝山に行くという友人を、途中の駅でおろした。
この日、風邪気味で、途中でへたり熊川宿の道の駅で休憩、6時すぎに帰宅した。