
えぐられた河岸
若狭湾への釣行の帰り、ビワマスの遡上を見ようと、高島の石田川岸に近寄ると、川が蛇行して左岸がえぐられて高さ7、8メートルはあるんじゃないかという垂直の崖になっていた。

イノシシ足跡
台風や木枯らしから3、4日たつが水は薄濁りで川の中はよく見えず、ビワマス確認できず。
車窓からみた福井県側の北川も同じ色をしていて、きょう釣りに行った若狭湾も、大きな河川は流入していないのにうっすら濁っていた。
10月下旬の台風や木枯らしから3日くらいはたつが、濁りがなかなか取れないようだ。

崖を拡大
川にはコンクリートの護岸はなく、自然の流れが勢いにまかせて大地を削っているようだった。
崖を見ると、大小の石が土の間にめり込んでおり、岩盤ではない。川が運んできた土砂でできた、扇状地の地形のようだった。
数十キロはありそうな大きな石もある。だが削り取られるのは早いようだった。
すぐ下流に橋があったので、橋にのぼって下流を眺めた。

橋の下流
すると下流側では右岸が削られており、川がS字カーブを描いているのがわかった。
川が蛇行する現象は、放っておくとエスカレートするものなのか。
何台もの重機が置かれており、蛇行をまっすぐにする工事が始まっていたがこの日は休日のため動いていなかった。

橋の上から見た崖
増水した川が土地を削る力はすごいものだ。
これを上から見たらどうなっているのだろうと崖の上から見たくなった。

崖の上
でもやはり近づくと危険なので2メートルくらい後ろから眺めた。
崖の上の土地は、低い土の堤防で木が生えている。
木の根っこの力で、崩れずに踏ん張っているようだが、川がこれ以上足元を削り取ると、根っこごと崩落ということにもなりかねない。

崖の上流全景
扇状地というものは、雨のたびに流路が変わり、扇の形に土砂が堆積してできる土地だと習った。まさに今、扇状地の流路が変わっていく様子が、自然の景観が残る石田川で眺められたのだった。
これが川の本来の姿なのかもしれない。しかし、現代の世の中で川が自由にふるまっていると、田んぼが削られてしまうし、集落もあるから人の生活も危ない。
大自然は、必ずしも人間の暮らしと調和しているものではなくて、ある程度は制御しないといけないものなのだなあとあらためて思わされた。