
花崗岩広がる上田上の渓谷
大津市南部の田上(たなかみ)山地・鎧ダムでの野営を訪問。
迎不動前で駐車し、バーベキューの香り漂う天神川を渡ってダムに向かう谷へ。
昔、道の入り口が分からず、渓流沿いに進めばいいのかと、リポビタンDのCMのような岩伝い歩きをしていたが道は川の左岸側に存在していたのをあとで気づいた。

よく晴れた空で新緑が気持ちいい中、小規模な渓流沿いを歩く。
まるでちょっとした庭園の趣。

巨岩を伝い落ちる細滝も。
田上山は花崗岩でできていて、山全体、砂と岩の光景が広がる。明治時代ははげ山だったそうだが、いまでは治山事業が進み、マツ、ツツジ、ついでコナラなどが生えている。
道路からダムまでは700メートルあり、最初と400メートル地点から先が上り坂がある。ちょっと息が切れる。

鎧ダムまでは30分弱で到着した。
明治時代に建設された砂防ダムだ。

ダム上流
ダム上流は、流されてきた花崗岩の風化砂で埋まり、ダム湖というものはない。砂の上を、暴れ川となって、右に左に流路を変えていくので、草一本河原には生えていない。
標高を計ったら299メートルだった。

川岸は、流れが削ってできた河岸段丘のような地形がある。
さあ、この先に野営地があったのだった。

野営地では広大な砂場を利用した砂遊びでダム湖が建設されていた。
平たい土地に広がる浅い池は、宇治川下流の今はない巨椋池を思わせた。
この鎧ダムの下流は、天神川、そして大戸川に合流、洗堰の下流で瀬田川に注ぐ。
砂場の池は三川合流地点のジオラマの趣なのだった。
自宅からレタスを引っこ抜いて、根ごと持参した。
それを川水に漬けて保存。何か水生の植物のようだ。

花も五月の空に輝いている。

中国産のプーアル茶をごちそうになる。香ばしく、スモーキーな味が野趣のある憩いとなった。

しばらく新緑の林を眺めつつ歓談し、正午すぎに下界に戻った。