2017年03月20日

コウノトリの郷

未明より、久美浜湾を見、彼岸の墓参に鳥取県へと急ぐ。
久美浜から国道178号線を西進すると、京都・兵庫府県境の河梨峠のトンネルを抜け豊岡市に入る。円山川に差しかかる手前で「コウノトリの郷公園」の看板を見る。すぐ近くみたいだ。

巣塔.jpg
公園前の人工巣塔

先日、東近江市にてコウノトリ3羽を見たので、やっぱりちょっとだけ「本拠地」を見ておこうと10時ごろ着。

駐車場の係員のおじさんが「あそこにいるよ」と、指すほうを見ると、田んぼの中の人工巣塔の上にコウノトリがいる。

先日、滋賀県で3羽見ました、と話すと、「今は北海道にも、徳島にもいるよ」と教えてくれた。中々詳しい。館内で、ネット中継で巣を上から見られるという。

間近で観察.jpg
間近で観察

谷間の棚田のような飼育ゾーンには数羽がおり、間近で観察。ときおり、嘴をカスタネットのように連打するクラッタリングの音が響く。動画に収めたかったが構えるとやってくれない。

多目的室.jpg
多目的ホール

多目的ホールの外側にテラスがあり、そこから望遠鏡で先ほどの巣塔を見ることができる。

双眼鏡からのぞく.jpg
望遠鏡でのぞく

望遠鏡でのぞくと、1羽が戻ってきてつがいになっていた。いま卵が2個あるという。

果たして無事、生まれて育つか。

飼育員の方に話をうかがいたかったが、きょうは祝日で入場者が多く、忙しそうだった。

コウノトリ目撃情報.jpg
全国での目撃情報

全国での目撃情報のパネルも。
それによると北海道から鹿児島、さらには韓国でも目撃されている。鳥には国境は関係ないのだろう。海もひとまたぎ。

東近江市での目撃情報が1羽だけなのは、他の2羽が福井県や、千葉県など別の場所から放鳥されたものであるからのようだった。

コウノトリ繁殖状況.jpg
周辺の繁殖状況

2階に上がると、各種動物や鳥類の剥製があり、昭和40年代まで生きていた日本産最後のコウノトリの剥製もあった。

館内の情報によると、豊岡などに残ったコウノトリは戦後の1956年には20羽となり、1971年には日本産最後の1羽が死んだ。

昭和40年代というとのどかな時代だったと思い返してしまうが、公害が社会問題となり、きつい農薬や生活排水で身近な川や水辺からは急速に生き物が消えてしまったようだ。

豊岡ではロシアから譲り受け、増殖して野生への復活を試みたところ2007年には初の巣立ちがあり、いまでは豊岡から80羽くらいが各地の空を飛んでいるという。

入り口付近で、コウノトリ保護のための募金箱があり、100円玉を入れると透明な筒を通って底の箱にチャリーンと落ちた。

すると館員の方が出てきて、記念品にとコウノトリ折り紙をくださった。

たった100円の寄付なのに申し訳ないような。


コウノトリをここまで復活するのは大変なことだっただろうと思われた。急ぎ足で去ったが、また訪れてみたい。


コウノトリ折り紙.jpg
〈おまけ〉コウノトリ夢幻飛行(22日撮影)

posted by 進 敏朗 at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 山陰往還記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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