
佐濃谷川
さあここから車で、湖の東岸を小天橋の方面を目指す途中で川があったので河口まで歩いた。

砂嘴が発達
するとそこは、川から吐き出される砂がたまって砂嘴が形作られていた。

湖岸のカーブや風紋
砂がかたちづくる湖岸の模様にしばし見入る。
海よりも、こうした湖の浜のほうが、波や潮流が静かなのか、より繊細で趣があると思う。

河口の浜に落ちていた貝
砂の上に落ちている貝を見ると…それは、アサリやハマグリなどの二枚貝、巻貝ではヘナタリなど干潟の貝だ。
シジミではなくて。落ちている貝を見て、「湾」を感じた。
もしかするとこの浜を掘れば、アサリやハマグリがざくざく捕れるのかなと思って、素手で波打ち際の50センチ四方を掘ってみたが何も出なかった。
伊勢湾に比べれば落ちているアサリの殻の大きさ・量は小さく少ない。

色が濃いサクラガイ
サクラガイもあって、色がほかの場所で見かけるやつよりも濃くて紅色だった。

佐濃川河口の貝(22日撮影)

この沖あたりが最深部
さらに北上し、久美浜湾を日本海と隔てる横一文字の砂州、小天橋の南岸から、久美浜湾を見る。
向こうに兜山が見える。この眺め、琵琶湖の湖西側からみた三上山に似ている。
湖の北側のこのあたりがいちばん深くて20.6メートルの水深があるというから、たびたび引き合いに出す鳥取県の東郷池(3.6メートル)よりだいぶ深い。
久美浜湾にはけっこう、大きな川が流れ込んでいるのにこれだけ深いということは、今でも湖底が沈降しているのかもしれない。

砂州を横切る砂混じり道路
この小天橋を横切って、北の海岸に出る。高さ10メートルくらいの丘になっていて、想像していたより立派な砂丘だった。

テトラのない浜
そして浜に出ると、テトラや離岸堤がなく、自然の海浜が広がっている。サーフィンの人が集まっている。

外海の貝
ちなみに落ちていた貝は上の写真のようだった。これは、小天橋の西端の突端付近。
さきほどの干潟の貝とは違っており、ここではホタテ貝が小さく薄くなって赤とかオレンジになったようなナデシコガイとか、きれい目の貝を拾ったりした。

水道
久美浜湾と海をつなぐ水道は、三方五湖の早瀬よりも幅が広くて、海の水が流入しやすそうだった。
上の写真に見えている橋は歩道橋で車は通れない。

歩道橋の上から河口方面を見る
歩道橋の上から、河口方面を見ると、水道が左にカーブして海に向かっている。
水道ではカレイ釣りらしき、三脚に竿を数本投げ込んだ釣り人が数人。

海への出口
水道をさらに下流にたどると、二股に分岐していた。これは、古くからの水道(左側)だけでは水の通りが不十分だったらしく、湖岸の浸水や、あと湾内の塩分濃度が下がってしまうため、右側の水路が新たに開削されたという。湾内では、牡蠣などの養殖をしているので塩分濃度が下がると生産に影響してしまうのだった。水道間の陸地は島で、橋もないので歩いて渡れない。

水道の付近にあった大木
とまあ、このように駆け足で久美浜湾をめぐった。
なぜ早朝から、訪れたのか。それは彼岸のこの日、鳥取県に戻り、墓参と倒壊した墓復旧の準備や空家の補修をするためだった。あまりここで物見遊山を繰り広げていては、着くのが遅れてしまう。とはいえ、こうしてめぐっているうちに、加速度的に時間が過ぎていく。惜しいが午前9時をもって現場を切り上げた。
シーズン終盤の牡蠣はまだ売っているだろうかと市場をのぞいたが、「朝のうちに売れてしまいました」とのことだった。かなりの人気を誇っているようだった。

久美浜の久美谷川に架かる石の橋