
朝もやの湖(午前7時ごろ)
午前0時に出、2時すぎ湖畔着。
濃霧に包まれた車中泊が明け、朝もやの湖が広がった。

久美浜湾の湖岸
ここは京都市北西端に近い久美浜湾。
久美浜湾は地理上の分類では湖だけど、カキやトリガイの養殖で知られている。いったいどういう湖なのだろうか。

兜山全景
久美浜湾を見渡すには、南東にそびえる兜山(191メートル)からの景色が最高といわれる。
さっそく起き抜けに、登ってみることにした。
山に向かう道を、キジのつがい横切る(撮り損ねた)。
登山道は、山の西側に入り口があり、そこは標高30メートル。
だからあと160メートルくらい登ればいいのだった。車でも行けるが、歩いた方が、「行った」という感が高まるため歩いていくことにする。

登山道は、はじめのうちは車でも走行できそうなコンクリ固め道で、けっこう傾斜があった。
つづいてちょっとした石段があり、のぼると山の中腹を舗装されていない坂道が続くが、広くて歩きやすい。
藪の中をウグイス鳴き、山からは、新芽の臭いがしている。
さいごに整備された階段があり、ゴール地点には「おめでとう」と書かれていた。ありがとう。

広場の手前
15分くらいで登れた。だいぶ息が切れた。まあ登れてよかったと、ハアハア言いながら広場を目指す。

見晴らしデッキ
デッキの後方に、一段高い木の登り台があって、そこから見ると上の写真のようになった。湖を見渡すデッキを見るための台なのか。

久美浜湾全景(午前7時半ごろ)
デッキに移り久美浜湾を眺める。北の方角に湖が広がる。
向こうの海ぎわには、横一文字に砂嘴が仕切っていて、湖だなあとわかる。
東側の湖岸のカーブがいい感じだ。下のほうからは、ケーンとキジ鳴き。上のほうでは「一筆啓上…」と聞こえるという、ホオジロのさえずり。
広さは7.1平方キロメートルで、海べりにある感じが似ている鳥取県の東郷池(4.1平方キロメートル)の倍近い広さ。

大明神崎、カキ養殖いかだ
湖の真ん中に、左から伸びる細長い半島は大明神崎。
内側と外側に、カキ養殖の筏が広がっているのが見える。
福井県・三方湖に縄文時代にあった鳥浜貝塚の村も、湖に突き出た岬の先端近くにあったというから、だいたいこのような感じの場所に村があったのかと想像できる(2017年3月4日「菅・三方湖と梅、縄文ロマン(下)」参照)。
ということはあすこの南側を掘ると、同じように縄文人の村が出てくるのだろうか?
しかし、縄文時代は海が今より3メートル高かったから、あの大明神崎で暮らすのはどうなのか? 三方湖は、淡水だったからフナがたくさん捕れたようだが、久美浜湾はほぼ海水だし、似たような地形でも、水を得ることをはじめ暮らすのは案外難しいかもしれない。

久美浜の町並み
湖の海への出口に港町があり、奥部の平野に湖辺最大の町。これも三方五湖や、東郷池とも共通している。
さあここから山を下りて、湖岸を訪れてみることにする(つづく)