2017年03月16日

東近江コウノトリ

ツバメ.jpg
ツバメも飛来(東近江市内)

コウノトリが東近江市に飛来しているというので見に行くことにした。
昨日まではいたがきょうもいるとは限らない。昨秋、今津の石田川河口まで行ったときには、見られなかった(2016年10月17日記事「石田川河口」参照)。

米原方面の電車で、能登川下車。琵琶湖とは反対方向に歩く。
10数分歩くと、灯篭が現れ、コンクリでない田んぼの水路となっていき、水辺の趣高まる。

川べり.jpg
神社の裏を流れる川

大樹が茂る神社の裏の川は、まるで河童が出てきそうだ。
こんな場所ならコウノトリがいても不思議ではない。

古墳の春.jpg
3世紀前半という古墳と梅

近くにあった神郷亀塚古墳は3世紀前半築造で最古級の前方後円墳と説明があり、梅の咲く農村に置かれた土盛りの風景を眺めた。

…コウノトリを見に来たのだった。寄り道をしたが、まあ、あんまり鳥の後を追い急がずに、こうやって川沿いをたどってみたら行き会うだろう。観察している人がいるだろう。

すこし上流まで行くと、自転車を停めてじっと何かを見ている人がいる。
近づいてみると、その女性が「あっち」と指さす方向を見る。

鳥のいる田園.jpg
いた(午前10時ごろ)

すると道路から約100メートル先の田んぼに、大きな白いものが二つあった。

コウノトリがいる.jpg
コウノトリ

ずいぶんでかいぞ。
となりの梅の木がまるで盆梅のようだ。

近くの畑でおじさんが、鍬をふるって作業をしているのにぜんぜん動じない。
畑作業を見守るようにじっと立つコウノトリに感動。

いた.jpg
風に羽毛なびく

女性は「朝は、家のほん近くに3羽いた」と話してくれた。
もう1羽はどこに行ったのか。

3羽いる.jpg
3羽いた

するとそいつは、よく見ると奥のほうにいた。
他の2羽とは距離を置いて立っていたのだった。女性によると、2羽が近くて1羽が離れていることがよくあるそうだ。

しばらくじっと鳥を見てるが、コウノトリらは、朝のうちに餌を食べたのか、時たま向きを変えたり、羽づくろいしたり、数歩歩いたりするほかはとくだん何もせず立っている。

動画を撮ろうとするが三脚がないので手ぶれを起こしてしまう。



すると動きがあり、ペアのうち1羽がとつぜん飛び立って、奥の1羽に急接近した。

3羽目に近づく.jpg
3羽目に近づいていく

しかし、その3羽目のコウノトリは、近づいてくるやつを嫌がるように逃げていき、再び距離を置こうとした。

逃げられる2.jpg
近寄って来る仲間と離れようとする3羽目(左)

そのあげく、1羽だけ取り残された形になったやつは、集落の先まで飛び立っていった。

飛んでいく.jpg
飛んでいく

面白い場面が撮れたな、と思ったけど、この3羽はみなメスだということを後で知った。足環で個体識別をしているのだった。

別のメスのほうに浮気心を起こしたが嫌われ、元のパートナーにも去られたオス…という場面を想像したがオスじゃない。人間の感覚をあてはめただけでじっさい鳥が何を思っているのかはよくわからない。

ペアに見えた2羽は豊岡と千葉県の野田から、もう1羽は福井県から放鳥された個体で、2羽のほうは先月末からこの地に飛来したもののようだ。

兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)の「長距離移動情報」によると、この3羽のうち豊岡出身のJ0131という個体は、昨年6月に巣立ったあと、10月に高知県の四万十市、11月に紀伊半島、同月末には岐阜市で目撃されており、かなり広い範囲を飛び回っていた。

年末には大和郡山、ことし2月24日には大阪の守口で今の野田出身の個体と2羽連れになっており、そのあと東近江に来たみたいだ。

畑仕事の男性から話をきくと、3羽はしばらく前から、ザリガニや魚を食べながら滞在しているという。

能登川のこの辺は以前にも歩いた。フナやドジョウがいて趣のある場所だなと思った(2014年9月15日記事「北向山岩屋十一面観音」参照)が、このようにコウノトリが来ると一挙に、豊かな水辺の田園としてグレードアップの感。

新快速と徒歩でコウノトリを見に行ける滋賀県はすばらしい(笑)




posted by 進 敏朗 at 16:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 河辺の叙景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック