2017年02月13日

貝殻を訪ねて2017

おんま浜.jpg
浜への入り口

鳥羽沖の菅島へ定期船。抜けるような青空広がる。

年1度、冬に「貝拾い」をし、紀伊半島を南下したが、カラフルでいろんな形をした貝が無限に広がっているとの妄想とは大違いで成果があがらなかった。

そこで今回、本州の海岸から離れ、島に向かった。
鈴鹿峠を越えた関駅で車を停め(駐車料金300円)、JRを亀山経由で津へ、そこから近鉄特急でで鳥羽まで行く。
鉄道を使った方が、居眠り運転が防げるし、料金を調べると高速道路よりも安上がりだった。
鳥羽駅で降り、屋根付きの通路を歩くこと10分、港へ。
市営の定期船で15分(500円)で菅島に着く。

海と岩.jpg
海と岩

硬そうな岩が斜めに傾いた縞模様を見せていた。
岩の感じは昨春、愛知県の豊橋の山を登った時に岩によく似ている(2016年3月23日「岩屋観音と葦毛湿原(上)参照)。岩脈が海を越えてつながっているのだろうか。島の南側には採石場があって、この硬い石が新幹線のレール敷石などに使われているという。

しろんご浜.jpg
しろんご浜

港から海沿いに北上し、神聖な浜「しろんご浜」を見る。白髭神社という神社があり、琵琶湖岸の神社を連想させた。この浜は年1度の祭りの時以外は禁漁となっているという。ここでは景色を眺めるにとどめる。この日は大潮で、午後1時すぎが干潮で潮がずんずん引いている状態。

神島と渥美半島.jpg
神島と渥美半島

沖の方に目を移すと三角形をした神島と、その奥に渥美半島が見えた。伊良湖岬は島の左側に見えた。

畑と野鳥.jpg
畑と野鳥

いっぽう島の中は鳥の鳴き声がよく聞かれ、ツグミ、メジロ、ヒヨドリなど多数。完全な山林より、畑とかがある場所のほうが多くて、鳴き声もうるさいくらい。坂道をのぼったあたりのネギ畑で、鳥を撮影していると風に乗って香気がただよってきた。

灯台とスイセン.jpg
菅島灯台とスイセン

藪を抜けると灯台がありスイセンが一面に咲いていた。これが香気の元のようだ。盛りをちょっと過ぎたようだが灯台をバックに趣があった。1873(明治6)年竣工という菅島灯台は、現役で最も古い灯台ということで登録文化財。

ツツジ.jpg
ツツジがもう咲いている

さあここから、山の上の道を少し南下すると「おんま浜」への入り口案内があり、急な坂を海岸へ降りる。約60メートルの高さから下り、冒頭の写真のような光景が現れた。

浜と岩礁.jpg
浜と岩礁

そこは岩礁が点在する浜で海は青く澄んでいる。
太平洋は日本海よりも緑色の成分が少なくて青色が濃く見える。
その色に、日本海にはない南洋の片鱗を感じる。

巨岩が崩れてくる.jpg
崩れる巨岩

背後を振り返ると巨岩が山の急斜面から次々と崩れ落ちてきており、中には崩落途中みたいな岩もある。直撃されるとひとたまりもないだろう。長居すると危ないかも。

マツムシガイ.jpg
マツムシガイなど

浜の砂は、細かい玉砂利のようで、一部にもっと細かい砂も。

漂着物が多くて、いちばん高いところにはペットボトル、真ん中あたりには海藻が数列。

カイメンと海.jpg
海綿と海

手のひらよりも大きなカイメンがあって、これを砂浜に立て、海をバックに写真を撮った。風が強いので何度も倒れてしまう。

昔はこれをスポンジ代わりに使ったという。漂着物の海綿は干上がって固くなっている。こんな立派なやつは日本海では落ちていない気がする。昔、海綿を持ち帰ったんだけど、磯臭くてたまらなかった。

カニ.jpg
カニの殻

蟹の殻も多くて、甲殻類が豊富なようだ。日差しを浴びるとそうなるのかどれもゆでガニのように赤くなっている。

海洋生物.jpg
何かの海洋生物の殻

いっぽう、貝はほとんど落ちていないように見えるが、海藻を取り除くと、マツムシガイが出てくる。マツムシガイは模様がきれいだけど割とどこの海でも見られる。

薄い不定形の二枚貝.jpg
カモメガイ?

二枚貝は、岩についているイガイ、カキ以外はあまり落ちてなかった。半透明で薄い皮のついたカモメガイの仲間とみられる貝があった。

あとはカサガイ類、クボガイなど。「もうひと押し」と思いながら探すんだけど、それらを上回るものが中々出てこない。何というか、もうちょっと見た目もきれいな、部屋に飾っておきたいようなやつはないだろうかと、探すが、全般に小さな貝しかない。

岩にはりつく笠貝など.jpg
肌目のきれいな岩に貼りつく笠貝

そうするうちに時間が近づいてきたが、ふと、拾った貝を入れた袋を探すとなぜかかばんの中になく、浜のどこかに置き忘れたことに気づいた。慌てて探し回るが、風で飛んでしまったのか、どこにも見当たらなかった。

まあ大した成果はなかったんだけど衝撃を受けた。一体何をしていたのかと。袋をふたつに分けていて、ひとつは持ち帰ったことだけが幸いだったが、そちらの袋は大雑把な貝殻を入れたやつだった。

昼下がり.jpg
鳥羽の昼下がり

晴れ渡った鳥羽の空のもと、船で戻る。

快速みえ.jpg

帰りは鳥羽からJR快速「みえ」で津まで、そこから紀勢本線、関西本線で関まで逆戻りして16時48分。車に戻り、6時に帰着した。鈴鹿峠はふぶいていて、まるで山陽から山陰に帰るときのような天候の変化。

貝類.jpg
貝類

このような乏しい結果に。

2013年から年1度、場所を変えて貝拾いを行ってきたが中々成果が出ない。
今回は、打開すべく島を目指したが、期待したようにはいかなかった。
次、どうすればいいのか。これは一層難しくなってきた。

posted by 進 敏朗 at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 貝拾い記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック