2016年12月31日

ミズアオイの種

種.jpg

「頓服薬」袋の中から小さな透明なカプセルがひとつ。
水辺の植物ミズアオイの種が届いた。
違法な種子ではありません(笑)。

今月、京都のギャラリーで開かれた展覧会の福島県の美術作家の企画で、東北地方でとれたミズアオイの種を育てたうえで茨城県内で繁殖させるというプロジェクト。

薬のカプセルがロゴになっているギャラリーの趣向で、頓服薬の袋に入って届けられたのだった。

袋をよく見ると植物の絵があしらわれていておしゃれだ。

ミズアオイは、水田に生える雑草という。調べると北海道から九州まで分布しているが、今では各地で絶滅危惧種か準絶滅危惧種に指定されている。田んぼ以外の湿地とかには生えないのかと思うが、田んぼの環境を好む植物ゆえ、どうしても防除の対象となり、除草剤によって消えてしまった。

たしかに、田んぼが広がる滋賀県南部でも見た記憶がない。

東日本大震災で東北地方を襲った津波の後、ミズアオイが生えるようになってきたという。田んぼの土の下で長い間眠っていた種子が、津波のあと目を覚ましたのでは、とギャラリーで聞いた。数十年、100年…どれくらい眠っていたのだろう。このミズアオイを種取りし、集めて繁殖させたいという趣旨だった。

池.jpg
メダカ池のようす

筆者は単純に、水生植物を育てるというところに興味をひかれた。

ちょうど庭にメダカ池がある。水田に生えていたような草だから、育てるには絶好の環境だ。

もう気温も下がって、池を見ると、枯葉の下のほうで、時々メダカが動いているのが見える。

池際の湿地.jpg
池際の湿地。ホテイアオイの葉などがある

カプセルに入っている種子を半分ほど取り出して、池辺の水が浸っている場所に数か所にまいた。池の周囲にはごく浅い湿地のような場所を設けていたのだった。流されないよう泥に押し付けた。

北海道でも自生するような草なので、寒さは問題ないだろう。

種のあとの半分は鉢に泥を入れてやってみることにする。

ミズアオイは、外来植物ホテイアオイと近縁の植物で、9〜10月に、ホテイアオイの花を小さくして色を濃くしたような青紫色の花が咲くという。

遠く東北の太平洋岸近くからやってきた種。育てて花を咲かせ、種取りまでやってみたい。
池の楽しみがひとつ増えた。




posted by 進 敏朗 at 13:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 水生動植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 こんにちは。
毎日更新を楽しみにしてホームページたずねて降ります。
我が家にも今年夏に井戸が完成しました。
めだかにスッポン、タナゴなど飼っておりまして大活躍どす‼
私の住む湖西地域でもミズアオイは見たことかま無いです。厚かましいお願いですが、たくさん種取りできましたらお分けいただきたいです。
よろしくお願いいたします。 
失礼いたしました。
Posted by 藤田佳典 at 2016年12月31日 14:58
藤田さん

あけましておめでとうございます。
井戸が完成されたとのこと。
おめでとうございます。
スッポンやタナゴ、楽しそうですね。

ミズアオイご所望のこと、ご期待に添えるよう、まずは生やしたいと思います。生えるかどうかですね。大丈夫だろうとは書いてみたんですが…。たくさん生えたらお分けいたします。
Posted by 進 敏朗 at 2017年01月04日 11:17
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