
二股蛇口(ねじにシールを巻いた状態)
今年1月に掘削した井戸(1月13日記事「井戸掘削」参照)では、手押しポンプと、電動ポンプによる吸い上げを行っており、電動ポンプは蛇口を通して水を出しているのだが、池にそそぐためホースをつなぎっぱなしにしている。
庭で育てている野菜の水やりには手押しポンプ、タイマーを用いた池の放水には電動ポンプを使い分けている。
深さ7メートル弱の浅井戸なので、まあ飲用は無理だろうと思い飲料水としての利用は想定していなかったんだけど、水質検査の結果、一般細菌こそ基準値以上だったものの、金属や残留農薬その他の指標は問題なく、滅菌さえすれば案外、塩素のない「おいしい水」として利用できるのではないかとみて、煮沸してコーヒー等に利用するようになった。今までに腹をこわす等の異変は起きていない。
やかんに水を汲もうとすると、そのたびに蛇口からホースを抜いて、再びつけなくてはならなかった。その際、蛇口を閉じるのではなくて、タイマーで放水が作動するようにわずかに栓を空けねばならないが、ふつうに開放すると池が洪水となり、かといってちょっとしか蛇口を開けずにいると水が流れず、水栓を開けるひねり具合が微妙で調整が煩わしかった。
じゃあ水を手押しポンプのほうで飲み水をくんだら? と思われるかもしれないが、手押しポンプは、少しでも日数がたつと鉄分がまざり、赤い水になってしまうので飲むには向いていなかった。
それで毎度、蛇口からホースを外して使っていたけど、だんだん面倒になって、気が付けばもとのとおり水道水を沸かすようになっていた。
やっぱり、面倒なことは廃れていくものだと実感した。
なんだけど、せっかくの井戸を活用したいと思い、蛇口を増やすことを計画した。

立水栓の下部から出てきた塩ビパイプ
井戸掘り業者が設置した立水栓を掘ると、根元から塩ビのパイプが分岐しており、キャップがしてあった。
このキャップを外して、塩ビ管をつないで第2蛇口をつくってやろうと、キャップをひねってみたがびくともしなかった。
そこで井戸掘りを施工してもらった業者「井戸掘り工房・滋賀」に電話をする。
久しぶりだったのでずいぶん懐かしがられる。
塩ビ管のことを尋ねると、
「塩ビパイプは、接着剤で止めてあるから動きませんよ」とのこと。
のこぎりかカッターで管を切ってやすりで磨き、そこから接合しなくてはいけないとの説明だった。
のこぎりは持っているが、塩ビ管をまっすぐきれいに切れるか不安も。むかし水槽づくりの際に塩ビ管を切ったことがあるんだけど、なかなか硬くて、切断面がまっすぐにならず手こずった記憶があった。
「蛇口を二股にするほうが簡単ですよ」とすすめられる。
そこで蛇口二股化のほうを選択した。

二股蛇口にテープをまく
アヤハディオ(滋賀でおなじみのホームセンター)に行くと二股蛇口があった。
二つの蛇口が平行についたやつと、十字型になったやつがあるが、設置場所や、設置した際のすっきり感を考慮、後者のタイプにする。
つぎにデザインだが、水道の蛇口は真ん中に、青い丸がついているが、野外でお湯が出るわけでもなく、ないほうがかっこいいと思った。どれもに青いポチがついている。
そこで探すとブロンズ色のおしゃれなやつもあるが、なぜか青い丸のかわりに文字入りの白い丸がついている。
そのような装飾自体ないほうがかっこいいと思うが、そういう蛇口は売られていない。
そこで値段の安い前者を選ぶ(3800円くらい)。

蛇口を外す工具(掛け方が間違っているので注意)
立水栓から蛇口を外すのに、専用の工具が必要で、それが1200円くらい。さらに、蛇口のねじ部分にまくシールが100円くらい。
合計5000円以上。
さあ現場で、まず電動井戸ポンプのバルブを閉じ、電源のコードを外す。
つぎに蛇口を開けてタンクから水を抜き、水が出なくなるのを待つ。
つづいて工具を蛇口にひっかけて回す。「井戸掘り工房・滋賀」から言われたように、時計の反対周りに回すと、ガコッと外れた。

蛇口を外した立水栓
つぎに、二股蛇口を取り付ける。これも工具をつけて、90度の位置になるまで力いっぱい締め付ける。シールを巻きつけたねじは、「はめるときに、絶対逆回しにしないように」と、アヤハディオの店員さんから聞いた注意点を守る。

蛇口をつけたところ
そしてホースを付け直して完成。わずか15分くらいで完了し、拍子抜けするほど簡単だった。
蛇口をひねる工具はこ専用工具用で、ほかの用途には使えなさそうなので、使うのはこれっきりということもありそう。そんな道具に1200円も出せるのかが決断どころだったが、買う決断さえすれば簡単なものだった。
蛇口を2カ所にする方式よりは、見た目のすっきり感は劣るが、これで、井戸水が以前よりも使いやすくなった。

やかんに水をくむ
水道水でつくるのと味は違うのかといえば、正直なところ違いはわからない。
自宅がある地区の上水道は、琵琶湖じゃなくて野洲川の伏流水を水源としているので、もともと割とおいしいのだった。ことし夏から秋にかけ問題になった水道水のカビ臭とも無縁だった。

コーヒーを入れた
なんだけれども、井戸水は家の地下から取水できるというところにロマンを感じる。
そういったものが付加されているので、おいしいといえばおいしい、すくなくとも水道水よりもまずくなることはない、このように思うのだった。