2016年11月26日

旧三井別邸の「瓢箪池」

全景.jpg

京都の旧三井家下鴨別邸を見に行った。
4年にわたる修復を経て公開され、この11月19日からは最上階の望楼が公開されていた。

出町柳の駅を降り、高野川の橋を渡るとすぐに到着。家庭裁判所の裏手、樹木に囲まれて邸宅はあった。

平日だが、入場券売り場前で40分待ち。
これは3畳半の広さしかない望楼に、いちどに12人しか登れないからという。

檳榔樹床柱.jpg
檳榔樹床柱

分銅型のふすま取っ手、熱帯に産する檳榔樹(びんろうじゅ)を用いた床柱などを見る。
京都家庭裁判所が立っている場所に三井家の神社があって、別邸は休憩所として用いられたという。

望楼への階段、ロープ、分銅.jpg
望楼への階段。手すりがわりのロープ

3階の望楼にのぼる階段は角度が60度くらいありそうで、手すりはなく、かわりにロープがしつらえてあった。二階座敷の真ん中に、いきなり階段への入り口があって不思議なつくりだ。

三階の望楼からの撮影は、近所のプライバシー保護という理由で禁止。
三階からは、大文字山から比叡山が見渡せ、送り火のうち「法」が見えた。
高層建築がなかった明治大正にはもっと眺めがよかっただろう。文字通り京都の景観を手中にしていただろう。

二階から眺めた「瓢箪池.jpg
2階から見た「瓢箪池」

ところで、別邸には大きな庭池があった。
下鴨神社の泉川から引き、豊かな水をたたえている。
係員はこれを「瓢箪池」と説明していた。
2階から見るとたしかに瓢箪の形をしている。

けど、この池は「琵琶湖」をかたどっているんじゃないかとも異論を受ける。

そういう視点であらためてみると、たしかに、島が大きなのと小さなのがあって、それは沖島と竹生島に見立てているんじゃないか。さらにはもっと小さな石も池上に浮かんでいて、それは多景島なんじゃないかと。

また、池のくびれをまたいでいる石橋は、まあ琵琶湖大橋ではないだろうが、瀬田の唐橋なんじゃないか。
などとして、これは瓢箪じゃなくて琵琶湖でしょうという議論となった。

晩秋の賀茂川.jpg
晩秋の賀茂川

posted by 進 敏朗 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 水辺を見る(滋賀以西) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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