
(午前10時ごろ)
紅葉の名所、湖東三山のひとつ西明寺を訪れた。
名所だけに人が多くて混雑しているのではと思ったが、平日の朝だったので少なく、静かだった。
平安時代創建、本堂や三重塔は鎌倉時代の建築で国宝という西明寺。

コケと流れ
本堂近くにも駐車場があるが、国道307号線沿いの駐車場に停め、惣門からのぼっていた。
わざわざ石垣をしつらえた名神高速道路上の参道を渡っていく格好になるが、木立の中を進むにつれ車の騒音はかき消されていく。
紅葉もきれいだがコケも見事で杉木立の下を覆う緑のじゅうたんに見入った。

池
本堂に至る手前に庭園があり、そこに池があった。山からの水を引いてあった。
庭池ファンとしては紅葉に劣らず興味をひかれた。
傾斜のある地形を利用して、片方が平地で片方が斜面というつくりになっていて、山際の土地をミニチュア化した趣だった。あるいは琵琶湖を湖南側から臨んだようすなのかもしれない。

苔ファンタジー山
池は石で囲まれているのだが、この石の表面に、樹木のような形のコケやシダが生えて、そこだけ見ると山の小さな模型のようでファンタジー感があった。
自宅のメダカ池もこのような感じを目指したくなったが、どうやったらこのようにコケが繁茂するのだろうか。

三重塔回廊からの眺め
本堂に至ると周りのモミジ葉はは赤く色づいていた。
三重塔の内部が公開されており、別料金(1000円)だったがせっかくの機会なので入ってみた。
鎌倉後期の巨勢派絵師による塔内の絵画は保存状態も割と良好で、この時代の絵画と仏教彫刻が創建時そのまま残っているのは珍しいのではないかと思った。天井の造作や花の彩色も見事だった。解説のおじさんが約10分間、熱弁をふるってくれた。約3メートル四方くらいの内部は筆者を含め客は3人だけで静かに鑑賞を楽しむことができた。
その後本堂もめぐった。

モミジの古木
午前10時半を過ぎるとバスなどでの来訪と思われる団体が増え、ちょうど三重塔を出たところで、グループ客が塔の中に入っていくところだったので、混雑する前でよかった。鐘を無理やり力いっぱいたたいてはしゃぐおじさんもおり楽しそうだ。
だがやっぱり、紅葉の名所はなるべく早い時間帯に訪れるのがいいのではないかと思った。