
島根半島と海、空
朝から電車で帰省。連休初日の混雑、新幹線は立って過ごしたが、「やくも」は、始発の岡山駅ホームで30分ほど並び、自由席で座れた。
午後から、母の軽を借りて空家となっている母方の祖母宅に行く。一応、筆者が後を頼まれているのだが、今年の夏は盆も帰省できなかった。

〈おまけ〉漁港の猫
途中車を停め島根半島を見る。曇り空で、今にも降り出しそう。
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砂浜に沿った波音の聞こえる町。
祖母宅に到着すると、浜に出てしばらく歩いた。

波打ち際
波打ち際を見ると、波が描いた曲線状に、細かな貝とかが集まって白い線を描いていた。
貝殻拾いをするときはこういうところを重点的に見て歩く。
思えば筆者の貝拾いはこの浜で始まったのだった。
しかし今日は貝拾いを目的に来たのではなかった。袋は持っていない。貝を観察して、写真に撮ってみるのはどうだろうと思った。

タマキガイ
これはタマキガイ。殻が厚くて割れにくく、完全な形で打ちあがっていることが多い。けっこうよく見られる。

タコノマクラ
タコノマクラもあった。今年の2月、伊勢湾では直径5センチもあるやつがあったが、これは1センチくらい。この浜で見られるのはだいたいこの大きさだ。

キンチャクガイ
これはキンチャクガイだ。数はそれほど多くないが、拾える確率は高い。色がついたやつもある。

ナデシコガイ
赤やオレンジできれいなナデシコガイ。大きいやつよりも1センチ以下の小さいやつのほうが、透けていて美しく見える。

サクラガイ
砂粒がより小さく滑らかな一帯をみるとサクラガイもあった。ちょっと穴が開いている。サクラガイは、伊勢湾のほうで割とよく見られる。
こうやって写真に撮ってみると、砂にも透明な石英とか、いろんなのがあって、貝殻の破片もいろいろな色、形があって、まじりあってけっこう趣深い。

密集地約1メートル四方に見られた貝
落ちていた貝を、砂の上に並べて写真を撮ってみた。
小さいので、きちんと整列させようと指でかまうと、表面の白い貝片や砂の層がはぐれて黒っぽい砂がのぞいてしまうので難しかった。
これまで、貝殻といえば完形を求めていたが、以前、破片の多い浜を見たとき、いろいろな形をした破片を集めるのも楽しいかもしれないと思った。考えてみれば石というものは岩の破片であり、浜に上がって来たものは、貝であれ石であれ、破片であるものが多いのだった。

ガラス片
そうした中にガラス片もよく落ちているが、こうした色とりどりの砂や貝片み混じって、なんか趣を感じた。
いままでは、ガラス片にまったく価値を見いだせなかったが、集めてみたら結構きれいなんじゃないかと思って、ポケットに入れた。

陶片もあった
町沿いの浜なので、ガラス片とか陶片とか、生活雑器由来の破片がけっこう見られた。
陶片でも、破片の形のなかにいい感じに模様があるやつとかを選んだ。

破片たち
ガラス片、陶片、貝片を祖母宅に持ち帰り、畳の上に置いてみた。
これまでの貝殻集めとはまた違った趣を感じた。
夕暮れには落ち着いていたが、夜半には本降りとなっていた。
傘を持たずに夕食に出てしまい、ずぶぬれになって戻った。

雨に濡れる祭り前夜の町