
醒井地区を流れる地蔵川の橋
とある新進画家が、画題探しのため水辺を見たいという。
そこで米原市の醒井を案内する。

緑に囲まれた水辺
ほんとうは3日の土曜に行くつもりが、台風12号が接近してくるというので、慌ててこの日に変更。
水のきらめきが撮りたいがために、晴れている時に行きたかったのだった。
雲が早く流れて、曇ったり晴れたりを繰り返す。
電車で、米原で大垣行き普通に乗り換えひと駅。醒ケ井駅前から歩いていくと、ほどなく地蔵川がある。

バイカモ
湧水の川の花、バイカモも咲く。

地蔵川の水
中山道沿いに、宿場の名残をとどめるまちなみと湧水の川。
やはり滋賀の水辺といえば、醒井を訪れるべきじゃないのかと案内した。
駅前から歩けるのもいい。
醒井は南側が急斜面の山なので、陽の差し方に陰影ができる。
新進画家は粘って撮るかなと思ったら、意外に1時間余りで一周してしまった。

駅前の施設で水をくみ一服
続いて、東海道線上り電車で、岐阜県方面に進む。

車窓からみる伊吹山
関ヶ原を越え、大垣のひと駅手前、垂井で下車。
そこから南西の表佐(おさ)地区を目指す。
垂井町内には湧き水がいろいろ見られ、表佐地区では地区内で湧水が見られるという。ここは筆者も訪れるのは初めて。
コミュニティバスもあったけど、1時間に1本。2キロ弱の距離で、1人だったら歩いたかもしれないが、タクシー利用。5、6分で「湯壺」と呼ばれる湧き水の場所に着いた。

湯壺と呼ばれる湧き水(フェンスごしに撮影)
保育園や郵便局がある大きな集落。下流側にあたる集落の南で湧水が湧いている。
集落があって、田んぼがあって、東海道新幹線の高架が走り、沿線の住民にはおなじみの「ゴーッ」という音が響く。近江盆地の風景と実によく似ている。

家の庭から水路に流れ出る湧水
家の庭に、長さ2メートルくらいの、地面からは1メートルくらいの深さに池が掘られていて、そこに湧水が出ている。
自噴水の池は、まさに池づくりの理想ではないだろうか。
自宅では、井戸を掘削することは成功したが、さすがに自噴水までは出てこない。
自噴池だと、井戸ポンプいらず、メンテいらず?
コケでも生やしたら楽しいかも。
しかし、用水路と常時、水がつながると、ザリガニがのぼってくるので、ザリガニを入れたくない向きにはやっかいかもしれない。

畑の中の湧水池、手前には小川
表佐地区は北側を相川が流れ、南に向かって土地が低く傾斜している扇状地の扇端にあたり、水が出やすい地形のようだ。

ホタルの水辺
護岸をやめて草を生やして、ホタルが出やすくした水辺もある。
隣にはホタル幼虫飼育施設も。
これもまたホタル繁殖にとりくむ滋賀県南部の町を思い起こさせた。

石垣の小川
戦後まもなくの頃までは、滋賀南部のあちこちで湧き水があったそうだが、いまでは大規模な河川改修や工業用水のくみ上げ、宅地化などで枯渇し、それを井戸ポンプで強制的にくみ上げた水を流しているんだけど年々水量が減少している。

ハリヨ
石垣の水路をそっとのぞくと、ハリヨがいた。
色が地味なので雌のようだ。
ハリヨは物陰にいるので、「ハリヨがいます」と看板がある水辺を訪れても、なかなか姿をみることができない。
それだけに、一見何の変哲もない小川にいたので驚いた。
胸びれを動かして、緩やかな流れの中で静止している。
昔の滋賀県の小川もこのような感じだったのかもしれない。
とまあ途中から、新進画家そっちのけで水辺観察にいそしんでいたのだった。

印象的な常夜灯の場所

水中にはアブラハヤ? クチボソ?の群れ(水中撮影)
画題探しなので、観光地として有名な場所というよりは、いろいろな構図で水辺が見られそうな場所を探して、それで行きあたったのだが、いろんな水辺が見られてよかった。
新進画家もいちおうの画題探しにはなったようで、案内したかいがあった。
12時すぎには駅前に戻り、食堂でみそカツを食べて、電車で戻った。
これで青春18きっぷを5回分使い切ったのだった。
ラベル:ハリヨ