
自宅の井戸のポンプ
猛暑が続く。
子供が夏休みの工作のことを話していたのをきっかけに、粘土を用いて「井戸ポンプ小屋」をつくることにとりかかった。
井戸ポンプ小屋。
それは何なのか。
何のために作るのか。
ひとつはこの井戸ポンプを設置して、水がどんどん出るぞ、やったね、とうれしかったのだけど、この紫色と白という色調やプラスチッキーな質感が何というか、まわりの草と調和しないというか、もうちょっと何とかならないかという気になっていた。
それにこのポンプが直射日光の当たる場所に設置されていて、夏場はとくにポンプ下部のタンクに貯められる水がぬるくなってしまうんじゃないかと懸念し、それなら小屋で覆ってしまえばひんやりとした地下水が保てるし、冬場の凍結防止にも役立つんじゃないかと思ったからだった。

粘土
早春、メダカ池改修のため県内の山で粘土を採取したものがあり、池に使った残りを取りおいておいた。
1月に井戸を設置し、ポンプ小屋をつくろうと思っていたが、小屋の枠を作ったところまでやってみて、次の粘土を練る工程に踏み出せず、夏になっていた。

粘土を砕く(10日撮影)
しかし今、夏の猛暑で粘土がすぐに乾くから好都合じゃないか。
そう思いつくと衝動的に作業に取り掛かった。
まずは、レンガ辺のようになった粘土を、庭作業用の木槌で叩いて砕く。

水をかけてふやかす(10日撮影)
それを桶に戻してじょうろで水をたっぷりとかけ、ふたをして1日おく。

柔らかくなった粘土に藁を混ぜる
次の日、桶から粘土を取り出すと水を吸って柔らかくなっていた。
これをビニールシートの上に取り出して、手でこねて藁と混ぜる。
藁は自家製では調達できず、園芸作業用に買っておいたものだがひと袋600円もして量の割には高い。
藁を混ぜるのは、壁に塗った時に強度を出すため。

塗り込める
さあこれを、あらかじめ作っておいた、骨組みの上に塗りつけていく。
団子を作ってそれをべちゃと付けて広げていく感じで、1時間ぐらいで、バケツ2杯分くらいの藁入り粘土を、厚さ約3センチくらいに塗った。
ここで困った問題があった。
この骨組みはホームセンターで売られていた軟質プラスチックのフェンスのようなものがあってそれを使ったんだが、粘土にくらべて強度が弱すぎて、粘土の重さにゆらゆらして、どうしてもゆがんでしまうのだった。
やっぱり竹を編むとか、そういう頑丈な枠をつくっておけばよかったがそれには労力がかかりすぎて、ちょっと難しいなと思って手軽なプラスチックに飛びついたのだから、まあしょうがないことだった。
全体に塗りこめてから、内側と外側を両手ではさみながらなるべく厚さを均一にしていき、形を整えた。

屋根を仮置き
使わなくなった電球の傘のサイズがちょうどよかったので屋根として仮置きしてみた。
ちなみに小屋の下の赤い土は、県中部あたりの赤い土が採取できるところで拾ってきたもの。
土の色も、観察して回っていると同じ県内でも地域によって違うので面白い。
仮置きしてみたのだが、この傘は紙でできているので、夕立が降ったらひとたまりもない。
少なくとも柿渋を塗るか、もっと頑丈なニスを塗るか、それだけではなくて、この上から藁ぶき、ヨシ葺き等にするとかしなくてはいけない。
粘土の壁もむきだしにしていると、集中豪雨などあるとひとたまりもないが、屋根のひさしが広かったら、或る程度もつのだろうか。しっくいを塗ればいいのかもしれないが、それはちょっと大げさのような気がする。
思えば、この屋根をどうしようかと考えて、これはという決定打が思いつかずに、小屋づくりを実行に移せず今日に至っていたのだった。
まだしばらく日照りは続きそうだが、本格的な秋雨となる前に解決策を考えたい。