
犬上川(いぬかみがわ)の看板

南彦根駅東口(午前11時40分ごろ)
田植えの田園広がる近江盆地を突っ切る東海道線。
南彦根で下車、高宮方面のバスに乗り、5つ目のバス停で下車。犬上川を目指す。

新緑の、犬上川への入り口
滋賀県が河川防災のため川にカメラを設置していて、インターネットを通じておもな川の水位をみることができるが、犬上川は未設置のため様子が分からない。
ふだん水が流れていないし河原も広いから、ほかの川よりは危険度が低いとみなされているのか。

河原に広がるクサフジの花
電車が河瀬を過ぎ、鉄橋にさしかかるところで、川に水があるのかなと思って見ると水流あり。これはいけるんじゃないかと思って、新幹線鉄橋の上流に着いてみるといちおう流れがあった。

川に出たところ
だけどその水は、用水路が本流へと合流したもので、100メートルほど歩くと、砂の中に水が吸い込まれて終わっていた。

流れが終わっている
その下流は枯れ川で、河道も枯れている。

枯れ川

〈参考〉水が流れているとき(2015年7月2日)
昨年7月、雨の後に訪れた時は雄大な流れがあってコアユも捕れたが、流れがない時は静まり返っているのだった。

白いニワゼキショウ

藪沿いに咲くシャガの花
この時期は花もいろいろ咲いている。
あとで花の名前を調べるのも楽しい。
河原を歩き、無賃橋まで出て、国道8号線を横断、右岸沿いを歩くが歩道部分が狭く車の往来が多いので緊張感高し。

春日龍王
堤防の横に「春日龍王」とあって、小さな祠の向こうを見ると深い淵があった。
湧水の池かと思ったが、堤防からおりて上流へとたどっていくと、これは太田川という川のようだった。
濁りはないが、澄み切っているというほどでもなくて、ちょっと不気味な感じ。
でも迫力ある淵なので、大量に浮かんでいるごみを除去して、竹やぶをもうちょっとすいたら、いい水の趣の場所になるんじゃないかと思った。

この川が犬上川の河原に流れ込んでいて、JRの鉄橋から見えた犬上川の流れかと思ったのはこの水だった。
というわけで、犬上川はやはり断流していたのだった。
ああそうだったのか、と判明するのに2時間。

澄んだ水が湧いているワンド
そこからさらに下流へ歩く。
宇尾大橋付近までいくと左岸にワンドがあって、そこからは澄んで冷たい水が湧いていた。その湧水が合流してちょっと川水がきれいになった印象。

流れを取り戻した犬上川
枯れ川のように見えても、砂の下には伏流水が流れているようだった。そこから下流は、徐々に水量が戻って来るようだった。

コアユ
…ここまで前段が長かったが、ようやくコアユ捕りに取り掛かる。
ただ遅い時間に着いたので魚がいるところに入れてラッキーだった
犬上川は人気なので、ふつう日曜日にはそうした場所には入れない。
2人だけ釣りをしているおじさんがいるのでその下流数十メートルのところに入る。
川を見ると、流れが細いのに、群れが見えている。
クーラーボックスの中から、投網を取り出して打つとコアユが捕れる。サイズがやや大きい。
水垢で真っ茶色になる。
岐阜県から来たというおじさんに話を聞くと、4、5日ごろは釣れまくっており、誰もが数百上げていた(おじさん談)。
「今日はどれくらい釣れたんですか」と筆者がたずねると、朝からで70〜80匹という。
おじさんも釣りたい分は釣ったという様子で、投網の者が入ってもフレンドリーに接してくれたのだった。
筆者が下流のほうで投網を打つと、
「投網は、川に石を投げて、魚が飛び出してきたところに投げるほうがいい」
と助言をもらった。何もなしで投網を打つと、魚が飛んでくる網に気づいて逃げてしまうからというのだ。
しかし、きょうはそんな工夫をしなくても、魚が網に入ってしまうのだった。その様子は下の動画のようだった。
まだ家に、コアユの佃煮が残っているので、きょうはそんなにいらない、せいぜい40匹もあればと思っていたが、数投で目標に達してしまった。
川歩き3時間、魚捕り実働30分といったところ。

名水をくむ
帰りがけに名水「十王村の水」をくんで飲むのも楽しみ。

クレソン川も花盛り
川から名水を経由して駅まで徒歩25分。16時37分の普通電車に間に合う。
電車の中で休めるので、車よりも楽だった。

本日の成果
帰って数えてみると60匹捕れて約800グラムあった。
サイズがやや大きい。
いつもはらわたを切り開いて完全に取り出してさばいており、この日は1時間近くかかった。
このようなさばき方をしているので、いちどに捕る数は50匹くらいにしたいのだった。
なぜこんなめんどくさい下処理をするかというと、こうすると家族にも食べてもらいやすいからだった。
下処理のかいもあって、唐揚げをつくったら、家族がつまみ食いし好評だった。
天ぷらよりも、唐揚げのほうが、長い時間油で揚げるせいで骨まで食べやすかった。

残りが少なくなった唐揚げ
20匹くらいを唐揚げで供し、あとは南蛮漬けにした。
こうして日曜日の夜も更けた。