2015年07月07日
水草を求めて
ため池の流れ込みに近い場所の水たまり
7月上旬のしとしと雨の日、水草を見ようと、近郷をまわる。
水辺を幅広く眺めてみたい。水草といっても、いろんな水草を見ようと思うと意外と難しい。いつも琵琶湖岸に行っているから、こんどは山すそのため池に行ってはどうかと、野洲市内の大笹原神社付近の池を目指すが、池に到達できず。池縁の藪中でガサガサッ、と大げさな音がするなと思ったら、イノシシが走り出て、大変あせった。集落からわずか200メートル、丸くて太い肉塊は、道路を横切り猛然と去った。あんなものにタックルされたら転倒、骨折は免れないだろう。
コウホネ群落など
山に一人で近づいては危ないと思い、下流部の用水路に行く。そこは知った場所で家棟川近くの三面張り水路で、コウホネが黄色い花を咲かせていた。スイレンに似たコウホネの葉は少なくて、水中にはくしゃくしゃとしたミズオオバコの葉がひろがっている。
コウホネの花
同じ水路でも、水草が繁茂している場所は限られていて、流れのほとんどなくて、かつ水が枯れず、底に泥がたまっている場所に多くみられる。水草観察の新しい場所を開拓しようとするが意外と難しく、この日も空振りに終わった。
、
浜に座礁したミズオオバコ
菖蒲浜に着く。ここでは家棟川などから漂着した水草が見られ、水草の茎や根の形などを見ることができる。この日は雨だったので、漂着した水草がしおれずに観察できたのがよかった。
鮮やかな色をしたヒシの浮嚢
上から見たオオフサモ
水草は、水に浮くためとか、水上で開くとかのために、いろんな形がみられて、そこに面白さが感じられる。
最近読んだ「水草を科学する」(田中法生著・ベレ出版)という本が面白く、水草を見たくなったということもあった。クロモの受粉方法とか、水草をじっと観察していると、不思議な現象がみられるのだなと思わされた。さらに、海藻のアマモが、日本沿岸で数タイプあり、潮岬を境に東と西ではっきりとはタイプが違うという発見は興味深く、これは貝拾いでも、黒潮が当たる潮岬の西側を目指さねばならないのではないかと印象づけられた。
水草がどんなところに、どんな種類があるかを知れば、そこの水の環境を知ることにもつながるだろう。しかし、多様な水草が繁った趣深い場所は、湖南随一の水豊かな環境をほこるここ野洲川デルタ地帯でも、意外なほど見つけにくい。まだ観察眼が足りないだけなのかもしれない。
タツベに乗ったカメ
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