
にぎわう湖魚市
先月の湖魚市に行ったところ、川での投網では得ることのできない、琵琶湖で水揚げされる5、6センチの小さいコアユに感動し、今月も行こうと決めていた。小さなサイズにこそ価値があるということに気づかされた。
10時に自転車で家を出て、約25分後に着くと、そこには販売が始まった守山メロンを求める人の長蛇の列があり、すでに百二十何番の整理券番号が呼ばれていた。その隣に、湖魚を求める人の列があった。30人くらい並んでいた。購入したメロンをカートに並べて、湖魚市に並んでいる人もいる。先月は、このような人の列はなかった。1か月のうちに、口コミで広がったのか、あるいは、守山メロン目当てに来た人が、湖魚市を見て並んだということもあるのかもしれない。
さあ今月はどんな魚があるのか。

スッポン3000円
きょうはスッポンがあった。1匹3000円。さばくのは、意外と簡単と言われるが…。さばいたことのある人の話を聞くと、タオルを噛ませて、首を伸ばしたところで切り落とし、血を受けるのだという。そんなことが筆者にできるのか?

ビワマス初物
ビワマスの初物がある。キロあたり2000円。さすがビワマスだなと思ったが、あとで考えてみれば、100グラムあたり200円ということで、これは相当に安い破格の値段だった。大きいやつで1キロ超、小さ目のやつでは5、600グラムくらいだろうか。
ビワマスは、琵琶湖の水産物のなかでは、プレミアム魚だろう。刺身がうまい。
筆者が考える琵琶湖の魚の価値観としては
プレミアム湖魚 ビワマス、ウナギ
ホンモロコ
レギュラー湖魚 コアユ、セタシジミ、イサザ
ハス、ゴリ、ワカサギ
準レギュラー オイカワ、カマツカ、エビ
残念魚 ニゴイ
それ以外 バス、ギル
このような感じにイメージしている。フナもうまいというが、ふなずしは別として、生きたやつを捕獲して食べたことがなく未解明だ。冬の時期にフナやコイ、ナマズが鮮魚で売られていたら、また買ってみたい。

コアユ(左)とワカサギ
並んでいる人は、やはりコアユが目当てらしく、「1キロは少ない、2キロやろ」(奥さん)などと相談する夫婦連れ。佃煮の需要が高いようだった。
さて筆者も、目当てはコアユだったが、先月売られていたような、体長5センチの小さなサイズのコアユはなかった。あったのは、7〜10センチのコアユか、4〜5センチのワカサギだった。コアユはこの1か月の間に、やはり成長してしまったようだ。そのかわり、コアユに5、6か月遅れて早春に孵化するワカサギの稚魚が捕れだしているようだった。値段は、コアユが100グラムあたり150円で、ワカサギは同100円。ワカサギのほうが、コアユよりも価値が低いようだった。
約20年前、ワカサギが琵琶湖で捕れだしたころ、その価格はコアユに比べてかなり低いものだったと記憶している。だが今、スーパーで並んでいるものを見る限り、琵琶湖産ワカサギとコアユに値段の差はない。20年かけて浸透したようだった。しかしこの湖魚市では、ちょっとワカサギのほうが値段が低めだ。
味に違いはあるのかというと、筆者はなんとなくコアユのほうが上だという気がする。しかし、見た目にはそんなに変わらないような気もする。コアユ200グラム、ワカサギ200グラムを買い、税込500円。これは安い買い物だ。あんまり多く買うと、なくなるまで投網に行けない。

帰りの途中、守山の水路。野洲川デルタの情緒
コアユとワカサギ、そんなに味の違いはあるのか?
しかしそれよりも、産卵期が違うことで、コアユの小さいやつが捕れないときに、ワカサギの小さいやつが捕れるということで、小魚の佃煮が6月でもつくれるということが大きいのではないかと思った。
もっともいまは冷凍技術が発達しているから、小さいコアユの佃煮は年中出回っているんだけども。
でも鮮魚からつくる佃煮はやはり格別のものがある。

バス稚魚のおまけつき
さて、持ち帰ったコアユとワカサギ200グラムずつは、それぞれ半分を佃煮に、半分を天ぷらにした。

コアユ、ワカサギ天
さっそく昼食にした。天ぷらの温度は気を付けているつもりなんだが、どうももっちゃりとしてしまう。佃煮は、焦げ付かないように気を付けて割と上手にできた。ワカサギ、腹の中が何かジャリっとする。味は、コアユもワカサギも、小さいものを佃煮や天ぷらにしてしまえば、違いは感じられなかった。