2015年06月16日

6月の川と海

朝7時ごろ弱い雨が降った。
今年の梅雨は6月からよく雨が降るなと思っていたが、ここ鳥取県では意外に雨が少なくて、川はどこも渇水気味になっていた。朝の雨はすぐに止み、午前中から蒸し暑くなった。空家となった祖母宅での庭木剪定や草刈りなどは汗だくになる。

昼、赤碕港近くの魚料理店に行くとにぎわっていた。広島、岡山など他県ナンバーの車もある、筆者の滋賀ナンバーがいちばん異色な気がした。煮魚定食とアゴ刺身を食べる。ここでは料理のほか、鮮魚も販売している。

それから中山温泉ナスパルで入浴。祖母宅でプロパンガスが切れておりお湯が出なかったためで、ぬるぬるの湯でさっぱりする。

遅めの午後は、釣りをするでもなく川や海を見た。近くの甲川を見る。

甲川.jpg
甲川の下流

大山からほぼ真北に流れ日本海にそそぐ甲川は、指の又のようになった谷を流れていて、国道9号線のちょっと下流に岩がくりぬかれたようなミニ峡谷がある。河口から約500メートルだが渓流のような情景。甲川の規模じたいは、滋賀県でいえば塩津大川くらいだろうか。

岩の中には、アーモンドチョコのような丸い石が見えている。これは、大山が噴火した際の火砕流の跡だろうか。火山の粉じんや噴石がかたまった岩で削られやすいのかもしれない。

コイ隊列.jpg
コイ隊列も

川の中に何がいるのか見ているが、魚が案外少ない。水量が少ないのが関係しているのだろうか。水の中をのぞいてみたら、ウキゴリなどがいる。コンパクトデジカメではとらえられないが流れの中を早く泳ぐやつがいる。鮎だとしてもちょっと少ない。塩津大川のようにたくさんいるわけではない。

川の中.jpg
川の中のウキゴリ

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河口

河口は石の堆積が進んで、流路をふさぎ、池ができていた。このままいくと、池に土砂がたまって、河床がさらに高くなるだろう。しかし、甲川はまわりの土地より4、5メートルくらい深くえぐれているので、滋賀県の川のように天井川化する心配はないだろう。

中国ペットボトル.jpg
中国ペットボトル。白砂糖、蜂蜜入り「緑茶」

海辺の祠.jpg
海辺の祠。敷石がいい感じだ

次に御崎漁港に行く。大山の溶岩台地の坂を下ったところに祠があり、敷石が、いい感じに並べられている。祠は海の方向を向いている。

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海景

突堤から東の方角をみると、海岸沿いに、約7、8キロ先の八橋あたりの海岸が晴れている。地元のおじさんに「カメラマンか?」と声を掛けられる。こんな景色が珍しいのかと思われたのだろう。

釣りをしている人がいるが、フグしか釣れていない。堤防の根っこあたりの浅い海の中をのぞくと、大きなアメフラシが砂の上をはっている。
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アメフラシとサメ(右下)

そこには長さ30センチくらいの細くて頭の大きい魚がいて琵琶湖のギギのように見えたが、サメの稚魚だった。サメといっても近海にいるやつで、底にじっとしていたりゆらゆら泳いだりしていた。サメ稚魚は同じ場所に3匹いた。

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泳ぐようす

アジがどんどん釣れているようだったら釣りをしてみたいなと思っていたがそういう状況ではなかった。フグやサメでは仕方がない。

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アメフラシの群れ

港内最奥部の波打ち際を見ると、そこには中小型のアメフラシが高密度に集まっていた。アオサが好きなのだろうか。

アメフラシを捕った.jpg
手に取ってみる

捕まえるのは簡単だ。海藻石鹸のようなにおいがするアメフラシ。食用にもなるようだが、調理法を知らない。それに外観が¨。ちょっと食べようという気が起きない。

とまあ鳥取県中西部の川と海の風光をぶらぶらと楽しんだ。フグとサメとアメフラシ。6月の山陰の海況は、生き物に満ちていたが、釣り人を喜ばす状況になかった。

まあ別に、魚がほしかったら、朝、水揚げされた鮮魚が安く手に入るわけだし、買って食えばいいじゃないか。

八橋の浜.jpg

そう思ったが、せっかくだしキス釣りをすることにした。
夏は海水浴場となる八橋の浜。夕方5時もすぎて、さあ釣ろうとすると2人も見物客がきた。
まだ釣れんでしょう、と言われたがピンギスが来た。

海とピンギス.jpg

もう一人のおじさんは、浜から投げるなら、突堤の途中から横投げしたほうがいい、と助言する。それは一理あって、というのは、海の中には海藻が帯状にあって、横向きに投げれば海藻を避けることができるからだ。

そこで突堤から投げるとぼつぼつ掛かって、7匹釣れた。大半がピンギスで大きいのでも13センチどまりだった。昨年は、同じ場所で20センチ以上のが釣れたのだったが。

8時閉店のスーパーに駈け込み大アジを500円で買い、半身を刺身に、残りを焼いて、ピンギスフライとともに豪勢な夕食となった。八橋の地酒伯陽長でひとり乾杯。

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釣果

まあ1人前なので、これで十分。背開きにしてキスフライを作った。


次の日、朝からごみなどの片づけを行い、赤碕港の魚定食店に行くと、
境港で揚がった30センチ超のアジ2匹入りパックが250円
赤碕で捕れた白イカ(ケンサキイカ)3杯650円
同じく赤碕水揚げ30センチのアゴ4匹が150円
そして境港のブリのあらがどっさり入った袋が「無料で持って行ってください」

と、信じられない値段(?)で売られていた。アジやイカは前日より値段が下がっており、いい日に当たった。アジと白イカをみやげに買って、帰った。昼前に出て、主に9号線経由で5時前につく。900円で、焼き魚、アジとイカ刺身、焼きイカ、下足フライが楽しめた。コスト的に、これより安くこれらの魚を調達するのは不可能に思われた。

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浜と海

今回日程にもめぐまれゆっくりできた。片道5時間かかるので、1泊ではちょっとせわしないが、2泊するとだいぶ余裕ができる。ほんとうはもっとゆっくりしたいが、仕事などの関係でそれは難しい。去りがたし伯耆の浜。今年の初夏はこれまで。
































 
posted by 進 敏朗 at 22:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 山陰往還記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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