2015年04月30日

天筒山

ウツギの花.jpg
ウツギの花

電車で福井県敦賀市を訪れ、午前中、中池見湿地を見た後、同湿地の西側にそびえる低山、天筒山(171メートル)に登る。登山道が湿地の南側から始まっている。

同湿地は海抜48メートルということで、高低差は130メートルにも満たない。登山道、というより遊歩道という感じで、階段、一部舗装もされており歩きやすかった。天筒山は火山ではないが、まるで、中池見湿地を取り囲むカルデラの外輪山のような感じだ。尾根伝いの遊歩道は勾配はゆるやかだが、進路右側の湿地のほうを見下ろすと急坂となっている。20分くらいで山頂に近づいたようだ。黄緑色をした塔が木の茂みの向こうに足元をあらわした。

天筒山山頂.jpg
茂みの向こうに建築物が

ここでちょうど正午のサイレンが鳴った。ここ港湾都市敦賀では、正午の時報は滋賀県内で鳴り響いているようなはエーデルワイスや「恋はみずいろ」等のメロディーではなく、ウウウーというサイレンだ。港湾っぽい気がする。時報に合わせ、用意してきたおにぎりを、ベンチに座って食べた。山頂には、なんと水道もある。

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湿地を見下ろす絶景

このあと鉄筋コンクリート造りの塔に登り、西側の中池見湿地と、東側の敦賀湾を眺めた。中池見湿地の景は池や周囲の草原、取り囲む山が一望できてまさに絶景だった。

天筒山山頂から敦賀湾を見る.jpg
敦賀湾を望む

海のほうから強い風が吹いて帽子が飛ばされそうになる。

この先の金ケ崎城跡をとりあえず目指す。セメント鉱山が見えてきた。

海辺のセメント鉱山.jpg
海辺のセメント鉱山

この天筒山や金ケ崎城は、戦国時代には朝倉氏と織田信長との激しい戦闘が行われた舞台ということで、いくつかの掘割も残っていた。この、山が海まで迫り、海が陸地まで食い込んだ特異な地勢が、交通の難所となり、天下の要害となり、海運の拠点となった。巨大な港湾で釣りをしたら、足元から海面までストーンと落ちてちょっと怖かった。セメント鉱山、火力発電所、そして原発、人間のスケールを超えた構築物が林立する敦賀。

ロプノール.jpg
ロプノール

天筒山の尾根伝いに北西に進んだ先端にある金ヶ崎城は、海から切り立った高さ86メートルの断崖で、埋め立てられる前はほんどうに海辺の崖だったようだ。戦国武将は、ここで月見を楽しんだともいう。高所が平気でなければ務まらないだろう。

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金ヶ崎城跡の高さ86メートルのがけの上から海を見下ろす

堤防を見ていて釣り人がいないので、何も釣れないのかなと思っていたら、木製桟橋は釣り禁止、堤防は立ち入り禁止となっていた。釣り人が相当嫌われているのだろう。残念に思ったが、あれだけごみや異臭を放つエサを放置するのでは、海辺の美観が損なわれるだろう。時々、事故もあるから管理者としては危険視もするだろう。釣り禁止となっても仕方ないという側面もあるかもしれない。堤防に入れるかと地元のおじさんに訪ねたら、今は入れないという。だが、おじさんは「原発もダメになったけん、また釣りもできるように行政も何か考えるんじゃないか」と、話していた。いま敦賀ではすべての原発や原子力施設が停止しており、稼働のめども立っていないのだった。

井戸跡.jpg
かつて北前船の寄港者が利用していた井戸の跡

さてこの近くに「泉のお清水」という湧き水があるというので、汲みに行きたい。敦賀駅で入手したマップでは、寺の境内にあるように描かれていたが、境内で探しても、それっぽいものがない。困り果てて、参道で作業をしていた植木職人の方に訪ねたら、親切にも案内してくれた。なんと、境内の横の墓地の中を通って、国道8号の脇に出てフェンスに囲まれた薄暗い坂を下るのだった。「分からんのはあんただけじゃない」と、ドクロのTシャツが似合う植木職人は話していた。

湧水.jpg
フェンスから下を見ると小屋が

恐る恐る坂を下ると、そこには湧水があった。この坂からしか入れないわけではなくて、国道8号下のトンネルをくぐってくることができるが、でもそのトンネルに至る道も、民家の物干しの横を通らねばらななくて、知らない人は躊躇するに違いない。。

泉のお清水.jpg
湧水が出ている

コンクリの吐出口から、ペットボトルに湧水をくんだ。
飲んでみたが、口当たりの柔らかい水だった。この湧水は、天筒山西麓から湧き出している。

湿地あり低山あり湧水あり海ありと、敦賀はいろいろな水の風景が多様な表情を見せていた。ふだん釣りにくるばっかりだが、こうしてみると知らないことが多いことに気づかされる。

水産卸市場付近.jpg
水産卸市場付近。もと笙の川の河口だったという

気比神宮の池も気になったが、時間の都合で寄らず、14時23分の新快速に駆け込みセーフだと思ったら、事故の影響で20分遅れていた。近江塩津でそのまま接続となり帰着した。

posted by 進 敏朗 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 低山めぐり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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