2015年02月03日

貝殻を訪ねて2015

海岸へのスロープ.jpg
海岸へのスロープ(午前8時半ごろ)

紀伊半島に高規格道路が相次いで工事完了し、交通事情が向上した。
昨年1月には三重県熊野市の大泊海岸まで足を伸ばした。ただ、成果はぱっとしなかった。
今年はさらに南下し和歌山県の新宮市まで行く。
日本海側に育った身にとって太平洋側(紀伊半島以南)は、いろんな形をしたカラフルな貝が無限にあふれると妄想する未知の場所。
それがたったの3時間で行けるなんて! 鳥取県の浜で貝を拾っていた小学生時代、貝類図鑑を見て抱いた妄想を、解き明かすべき時が来た。などと思いを伝えると家人に「そんな遠くまで」とあきれられる。

流れに削られる岩、砂利、山.jpg
波に削られる岩盤、砂利、海

午前5時すぎ、滋賀県南部を出発。伊勢自動車道で朝焼けの伊勢平野を南下、紀東の山中を貫くトンネルを抜け、三重和歌山両県の県境ともなっている熊野川の橋を渡り、新宮市街地を通過、三輪崎の海岸に着いた。8時20分ごろで3時間少々、距離は約210`だった。
ほんとうに3時間で着いたことに驚愕。
滋賀は雨だったが、太平洋岸は雲一つない晴天で、あまり寒くもない。

ジャガイモ石.jpg
色と質感がジャガイモに似た石

磯混じりの浜を歩くと、思い描いていた妄想とは違って、貝殻が落ちていない。
砂浜ではなくて、小粒の石でできた浜だった。貝が多く落ちている海岸って、もっと細かい砂の場合が多い。だが昨年の大泊では砂は細かかったけど貝もあまり落ちていなかった。
ああした入江では漂着物は少ないのかも、と思い、今回、外洋に面した場所を選んだのだが、そうなると強い潮流で砂が持っていかれてしまい石だけが残るようだ。考えてみると石浜というのは、どんどん浸食が進行している状態の浜なので、貝殻は落ちていないのだった。

貝脈.jpg
貝がちょっと落ちている

いくら遊びの貝拾いとはいえ、こう見つからないときは多少の粘りが必要だ。海岸伝いに進んでいくと、大量の流木とともに、やや細かい砂とともに貝がたまった場所があり、大きな巻貝の貝殻が落ちていた。カコボラ、テングニシなど、いずれも日本海側ではみられない。生きているときは殻の外側が皮でおおわれているらしいが、すっかり波にあらわれている。貝が死んでから、何年間も経っているようだ。

ぜんたいに摩耗が激しく、ツヤが失われたタカラガイは、さえないドングリのようだ。
破片も多く、こうなったら、いろんな破片の形を楽しむという別ジャンルの趣味を始めれば楽しいかも。
また、流木も多かったので、これは庭の池の飾りに使えるのではと思い、形の変わったものを拾った。

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イモガイ発見

アワビ、ウノアシ、マツバガイなど岩にへばりついているやつが多い。目の前の岩場にいるのだろう。
ついに南方に産するイモガイも見つけた。雲のような模様がありベッコウイモガイのようだ。分布を調べると房総以南ということだがイモガイが落ちていたことに南洋の片鱗が見えた。
でも全体に、摩耗してすっかり貝殻のツヤや色、模様が失われていて残念さも。

貝拾いを目的に南を目指すのも3回目。徐々に南下してきたが、期待していたような成果があがっていない。
紀伊半島で南を目指すと、潮岬にとどめを刺す。そこには、貝の打ち上げが多いことで貝類ファンに有名な浜もあるという。南方ほど熱帯性の珍しい貝が増えるから、本州では潮岬周辺にしかみられない貝類もいろいろあるだろう。
しかし、潮岬は新宮からさらに1時間かそれ以上はかかる。片道4時間半とか5時間の行程になり泊まりがけとか、車中泊とかになる。そこまで根を詰めてやると憩いではなくなってしまうので、ちょっと範疇外だ。憩いとは別のアプローチが求められることになる。

拾った貝.jpg
本日の成果

posted by 進 敏朗 at 10:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 貝拾い記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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