2012年04月27日

沖縄の貝

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沖縄への修学旅行から戻った娘が、貝殻を持ち帰ってきてくれた。

修学旅行のおみやげは何がいいかと事前に聞かれ、「海の近くに行ったら貝を拾ってきてほしい」と、ジッパー付きのポリ袋を渡しておいたところ、本当にとってきてくれた。感謝。採集地は伊江島。ただしこれらは浜で拾ったのではなく、民泊した家で譲ってもらったのだという。とはいえ島の浜で拾われたものではあるだろう。

昔、貝の採集をして種類が増えるのが楽しみだった。が、生きた貝を採って、身を煮て取り去る正式のやり方ではなく、浜に漂着した貝殻を拾うというもので、むしろ漂着物拾いに近い。とうぜん貝殻は摩耗したり、二枚貝は片貝だったりして標本的価値は高いとはいえない。

自分にとっては貝を集めてきたのは標本にするというよりむしろ、海に行った記録を残しておくという意味合いが大きかったと思い至り、しばらく前から、海浜を訪れた際、そこにありあわせた貝や蟹の殻などをまとめてガラス瓶につめて「海の思い出」にすることにしている。

今回の貝は、自分がそこに行ったわけでもないので思い出ですらないが、沖縄の貝が拾ってきてもらえる機会はあまりないので貴重だ。20年前、友人と鹿児島からフェリーで沖縄に行ったとき、周辺が平らで真ん中が小高い島の脇を通り過ぎた。あれが伊江島だった。海の貝類は、日本海側より太平洋側、太平洋側でも紀伊半島、四国、九州、沖縄と黒潮をさかのぼるごとに、本州ではあまり見られないタカラガイやイモガイが飛躍的に増える。全般的に南に行くほど貝の色や形が変化に富んでくる。9年前、鹿児島を旅したとき、薩摩半島の干潮時にだけ現れる陸繋島の砂嘴で、あたり一面貝殻だらけの光景に出会って感動したことがある。そのとき拾ったものは標本にして残してある。

今回の貝も、やはり摩耗したりして判別不明なものが多いが、図鑑で見るとゴマフイモ(白地に黒い点々模様)、コマダライモ(ゼブラ帯のような模様)、キヌカツギイモ(茶色っぽい)、ハナビラダカラ(光沢があるどんぐり形)、ノシガイ(白黒横縞模様の巻貝)などいろいろ見られた。鹿の角を思わせる形をしたサンゴについては、分類がよくわからない。

参考「貝の図鑑 採集と標本の作り方」(南方新社)
posted by 進 敏朗 at 09:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 貝拾い記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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