大浦川河口付近(午前10時10分ごろ)
海津大崎の桜、徒歩で見物へ
奥琵琶湖の海津大崎の桜を見たかったものの、とにかくシーズンは車が混雑して大変だというので、滋賀在住30年以上になるのに見たことがなかった。
平日に休みが取れたこともあり、初の同所への桜見物を計画した。
橋の下に漁を終えた船が停まる
姫路6時12分始発の近江塩津行き新快速「3408M」は、滋賀の行楽に何かと重宝する。
8時過ぎに乗り、米原を経由して9時33分には終点の近江塩津に着く。
ホームに数分後、湖西線経由の姫路行き新快速「3143M」が停車する。
これに乗り替え、ひと駅分だけ進み永原に9時42分に下車した。
あたかも「琵琶湖環状鉄道」のようなスマートな接続だ。
高架の永原駅から眼下に大浦川が流れ、大きな桜の木が満開だ。
ホームから樹上を間近に見下ろしつつ撮る。
さらにログハウス風駅舎などを撮ったが、SDカードを他のカメラのと入れ間違えていたことが発覚、アップしたかった写真などが記録されず残念なことに。
でも早めに気付いたのは幸いだった。
湖岸到達時にはすでに満足
琵琶湖岸に出る。大浦湾の眺め
永原駅から南に歩くこと約20分。大浦湾に出た。
いきなり美しい水辺の景色だ。
右側に見える山の先端が海津大崎。沿道に桜が並んでいるのが見える。
湖と桜
大浦川の河口付近にも桜並木があり、湖とを重ねて絵になる風景が撮れる。
水のきらめきが合わさって美しい。
ここまでで、すでに桜を見て満ち足りた気分になった。
だがここからが海津大崎の桜並木スタートなのだった。
沿道いっぱいに満開の桜
沿道の咲き具合はまさに満開、マックスである。
歩いている人もちらほらいる。前方には若い外国人女性2人が軽装で歩いている。
車やバイクも頻繁に通り過ぎる。
ビワイチ(自転車での琵琶湖一周)用に路面に青色で自転車レーンも引かれている。自転車も時折、通り過ぎる。ビワイチの場合は大浦から海津にかけての半島は時計回り進むため、このレーンが使われる。
流れ込み
ところどころに流れ込みがあり湖に注いでいる。
コアユなどがいるかと思ったが、まだ魚は見えず。
今年もコアユ少ないようだが、今シーズンはどうなるだろうか。
高島市の標識
1時間ほど歩き、二本松キャンプ場を過ぎると高島市の標識が見えてきた。
ここが滋賀県における「湖北」と「湖西」との境にもなるのか。
海津大崎の先端は高島市マキノ町海津の地先ということだ。
絵になる風景
竹生島とカヌー
歩くにつれ、竹生島も葛籠尾崎の先端からだんだんと姿を現した。
カヌーが私の歩く速さとほぼ同じスピードで並走している。
写真の点景とさせてもらった。
湖、桜、カヌー
角度を変えて桜を撮る。
よさそうな構図が見つかるとすぐにカメラを構えることができるのが、歩きの利点だ。
カヌーが接岸
と、幅数メートルの石浜が道路の下に広がり、カヌーが接岸した。
道路から下りてみることにした。
下りてみるとそこは、白と黒の角が取れた石が混じる石浜だった。
ここらの他の場所では黒っぽい石の浜が多いが、ここでは白っぽい石の割合が高い。
まだら模様できれいな色調だ。
琵琶湖と岩礁、桜
浜の突き当りに岩礁があり、琵琶湖に突き出てその上に桜が枝を広げる。
琵琶湖、岩、桜と、まるで海津大崎を凝縮したような景観だ。
大崎寺からの眺めを期待したが
海津大崎港
そこからトンネルをいくつか抜けると港があり、大崎寺の門前に出た。
永原駅から歩いた距離はここまでで9キロくらい。
観光船が桟橋に接岸しようとしていた。11時50分着の便である。
奥の山並みの山頂部には、わずかに雪が残っている(写真を拡大すると見えます)。
大崎寺の門前
門前には土産物店などが立ち、にわかに観光地の様相に。
南に琵琶湖、北側は山という場所で日当たりが良いためか、開花が進んでいて葉桜になりかけている。
観光船の客が押し寄せる前に、石段を上って大崎寺へ急ぐことにする。
大崎寺
高台の大崎寺から琵琶湖のパノラマを期待したが、樹木に鬱蒼と囲まれて眺望は一部だった。
線香を上げた
本堂から遊歩道を東に進むと竹生島が見られる場所があった。
しかし、その場所からの眺めも、枯れ木で一部遮られていた。松と琵琶湖、竹生島の組み合わせは雰囲気があったが。
大崎寺は海津大崎の先端からやや西にずれており、海津大崎の南東に浮かぶ竹生島は見えにくかったのだ。うーん残念。
大崎寺からの竹生島の眺め
正午になり、持参した弁当を食べようかと思ったが、これでは静かな場所がないので、先ほどの岩礁の場所まで10分ほど歩いて引き返すことにした。
トンネルを引き返す
トンネルを何度かくぐり戻らねばならなかったが、自動車に加え、重連バイクのエンジン音がトンネル内で爆音となって響いた。
このうるささには辟易とした。
トンネルの向こうから、桜吹雪が散る様子がきれいで、カメラに収めようとしたが花弁は小さくて案外映らない。
石と湖
岩礁の場所に戻り昼食。
竹生島も眺められ、休憩場所には申し分ない。
アケビの花
コースを引き返したので、再び大崎寺の前に出たときには午後1時になっていた。
午後10時ごろ出発して約3時間。予定よりすこし時間がかかった。
ここから少しペースを上げて歩くことにした。
海津の家並みが近づいてきた
西側には遊歩道も
大崎寺より先は、湖上の物流で栄えた海津地区に近づいていくのだが、こちらの道は道路の一段下に遊歩道が続いており、車のわずらわしさを感じることが少なかった。
そのせいか、花見客は前半よりも多くなりにぎわっていた。
沿道を振り返る。手前は海津の石垣
大崎寺から海津地区までの距離は案外短く30分ほど。
湖岸に連なる石垣と桜の風情を楽しむ。
海津の石垣と桜
広い湖に桜が咲いている光景は不思議な感じもする。
波打ち際の桜
白い波が打ち寄せる。
ここは海ではないので、波打ち際と桜の組み合わせも楽しめる。
海べりにはあまり桜はないような気がする。あるいは内湾や汽水湖なら、岸辺に桜はあるのだろうか。
通りがかった漁港は桜見物の船の発着場ともなっていて、若い漁師さんやベテラン漁師さんらがおられ活気が感じられた。
流れ込みと桜、琵琶湖
散った花弁が水路に落ち、琵琶湖に注いでいく。
街道を進み、いったん知内川の河口付近まで寄り道して、コアユがいるのかを見ようとしたが川には魚影は見られず。釣り人もおらず。
マキノ駅には午後2時15分ごろ着。永原で下車して約4時間半。歩いた距離は16キロだった。
天候に恵まれ
観光振興のコーヒー屋台でホットを買う。桜の時期だけ出している店という。「本日で最後です」というのでラッキーだった。
満開の桜を、晴天で風のない天候のもと眺めるという最高のタイミングとなり、海津大崎の桜の眺めは評判通りのすばらしさだった。
海津大崎の沿道だけでなく、永原駅からの大浦川沿いとか、大浦川の河口付近から湖岸にかけてなども良い景観で、これだけでも満足できそうだった。
京都方面行の新快速に乗り、堅田で下車。
同駅始発で、琵琶湖大橋を渡り対岸の守山駅に向かう「エコバス」が数分で接続していた。
1時間に1本の新快速に合わせて運行されていた。
これを利用し、電車とバスによるスマートなビワイチとなった。